立憲民主党は20日、代表選挙に出馬している4候補者と党員・協力党員(サポーター)・パートナーズによる「参加型民主主義の実現に向けて」をテーマとした意見交換会を党本部で開催しました。意見公開会ではパートナーズの代表者が会場で候補者に質問し、全国から大勢の仲間がオンラインで参加しました。

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 冒頭、代表挙管理委員会委員の坂本祐之輔衆院議員があいさつし、意見交換会の趣旨について、立憲民主党代表選挙規則第20条4項に「有権者は、党営選挙運動等を通じて、代表候補者に対するパートナーズの意見を極力聴取し、投票を行うものとする」と規定されていることを紹介し、「パートナーズの皆さんも加えてオープンで活発な議論をおこなうことによって、より開かれた代表選挙にしてまいりたい」と話しました。進行はパートナーズの早瀬昇さんが務めました。

 次に、各候補者が党として参加型民主主義をどのように実現していくか、考えを述べました。

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■小川淳也候補

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 参加型の民主主義と、これまでの政治はそれの真逆だったという総括から始めたいと思う。岸田さんの政治が安倍さんの政治と必ずしも同じとは思わないが、安倍さんの政治を止めようともしてない。たとえば憲法解釈なんて国民に問うべきだと思うが、たった紙切れ1枚でやった。あればまさに参加型民主主義の対極であり、真逆。それから共謀罪、特定秘密保護法とか、誰がそんな法案の成立を望んでいるのか。それは国家を支配している側はうれしいし、喜ぶのかもしれないが、国民の自由とか人権とか、透明性の高い公平公正な社会を望むわれわれの立場からすると、これもまた真逆で、参加型の民主主義とは程遠い政治が続いてきた。
 政策や立ち位置と少し別問題だが、ずいぶん身内びいきな政治がおこなわれてきた10年でもあった。国有財産の処分も、学校法人の認可もそうだし、何だか政権に近い所にいるお友達が、ずいぶん身内びいきで、ある意味特別扱いを受けている。しかもさらに問題は、それがバレた時の対応で、嘘だろうが、ごまかしだろうが、偽りだろうが、何でも強弁し通せば通ってしまうと。極めつけはコロナ禍の1年半だったと思う。国民が何に困っているのか、どういう悩みを持っているのか、それでも捨てきれない願いとか希望は何なのか、そういうことに本当に寄り添ったり、共感したり、それを捕まえたりする言葉も政策も持たなかった。本当に参加型の民主主義とは対極の政治が、政策的にも政治姿勢の問題でも、具体的なコロナも含めた生活支援においても全く成立しなかったと思っている。
 私たちはその逆を行かなければいけない。立憲民主党結党から4年、いろいろな経緯の中で皆さまに支えていただいて出来た政党だが、まずは非常に国家主義的、権威主義の考え方の人とは逆で、国民の自由とか人権、透明性の高い運営、さらに公平で公正な社会を志向していくという立ち位置、価値をしっかりと大事にしたい。そして身内びいきだったり、フェアじゃないこととはしっかり戦って、嘘やごまかしはもっての外で、人間として当たり前のこと、社会において大事にすべき規範、正義感や倫理観も含めて大事にする政党でありたい。これからコロナに限らず、国民の不安や願に本当に寄り添える政治姿勢、対話を通して生まれてくる政策体系──これから先も決して簡単でなく、難しい時代が続くと思うが──だからこそ対話を通して、悩み不安を共有して、その中から一緒になって作り上げていくような新しい時代の政策体系。半年後には参院選挙だが、その時までに党員、協力党員、パートナーズの皆さま、あるいはその外にいらっしゃる一般有権者と徹底的に対話を重ねることで、生まれてくる、作り上げられる政策体系を掲げて参院選挙に臨み、皆さまに、これは私たちの政策だ、私たちが作り上げた将来へのビジョンだと自分たちのものだとして体温を感じるような党の考え方なり、政策体系を一緒に対話を通して生み出していく党運営を通じて、私たちの政党であり、私たちの政治であり、私たちの社会であり、この立憲民主党という1つのプラットフォームを通して確実に政治参加している、社会を正しい方向に変えようというプロジェクトに参加できているということを実感していただけるような政党にしていきたい。

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■泉健太候補

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 私は25才で京都3区から立候補したが、京都は出身地ではなく、大学から京都に行ったので、地盤・看板・カバンなしから国会議員にならせていただいた。でもそれは自分が能力があったからではなく、多くの市民の皆さまに支えていただいたから。そういう意味で今の日本は確かに対極には2世出身とかお金持ちの政治というのがあるが、完全にそれに支配されているかと言えば、決してそんなことはなく、十分に風穴を開けられると思っている。演歌歌手ではないが、マイク1本、思いを持って政策を訴え続ければ風穴を開けることはできるということを実感してここまでやってきた。そこには多くの皆さんが、助けて下さって、支えて下さって、思いを聞いていただいて国会議員になることができた。
 今回の衆院選挙でも全国各地で20代の若手が立憲民主党から立候補してくれた。与党から出るのと野党から出るのでは全然大変さが違い、後ろ盾がいない、お金がない、組織・団体もないという中で立候補するだけでもすごく勇気のいること。それでもやろうという若者がいて、そこに多くのお父さん、お母さん、お兄さん、お姉さん、中には子どもたちまで応援をしてくれていて、私はこの国の民主主義というのは信じたい、必ず変えることはできると思っている。ただ、そこへの参画をする人が少ないのではないかと思っていて、もっともっと参加型を、われわれの側もやっていかないといけないと思っています。
 立命館大学の学生だった時、投票率が低いことがずっと嫌で、京都市長選挙の公開討論会の実行委員会を作って、他の大学の学生たちと一緒にやった。それはおかげさまで成功して、学生たちもそんなことができるのだという話になり、さらにその後に、京都市の選挙管理員会にお願いして、開票作業に市民を入れてくれと言った。それまでは市役所の職員さんが高い夜勤手当をもらって開票していたが、それは全然民主的ではないなと思って、大学生のアルバイトに切り替えて下さいと要請し、おそらく夜勤手当よりも低い値段で、行政的にも経費が節減されたし、(開票所の)中に入った学生たちは、自分たちが投票した紙がこうなるんだと直に分かって、参加型がすごく大事だなということを感じた。
 そういうことを含めて国会議員になってからも、国会と役所と市民をつなぐ取り組みを重視したいと思ってこれまでやってきた。一般市民にとっては、法律や規則 政令は全然分からない。それを通訳するのが国会議員でなくてはいけないと思っている。地元で、ご主人を過労死で亡くした方がおられて、その方が議員会館をまわっていたが、何年たっても何も変わらないという時にお会いして、「これだったらこういうやり方があるんですよ」と言って、超党派の議員連盟を作り、法案を弁護士さんたちに作っていただいて、それを叩き台にしながら過労死防止対策推進法という法律が本当にできた。ご主人を亡くされた1人の女性の思いが、国会を回っていたけれども実らない時に、そこをしっかりと政治が受けとめて、加工したり、料理したりすることで本当に法律ができる。立憲民主党はこういう成功例をもっともっと沢山つくらないといけないのではないかと思う。
 そのためには、立憲民主党は厳しい状態になるが、自治体議員も自民党の次に多いし、国会議員も野党第1党であるわけだから、全国のネットワークを使って、党員・協力党員・パートナーズの皆さんにも主体的に動いていただき、どこに困っておられる方がいるのだろうか、寄り添うとはどういうことだろうか、それを形にするとはどういうことか、それをどんどん成功例に変えていくことをやっていきたい。立憲民主党が今まで、ボトムアップとか、草の根と言ってきて4年たっている。率直に言って 私は4年前の結党の時にはいなかったので外から見ていて、原発ゼロ法案を作る時くらいまで、あるいは立憲フェスの時までは何となく皆さんがそれを実感していたと思う。でもそれが本当にボトムアップだったのか、本当に草の根を活かして党運営をしてきたのか、もう1回問い直さなければいけないと思っている。そういう意味で、新立憲民主党からの泉健太だが、マインドは皆さんと同じ立場であるということを基にして、みんなで作り上げる政党、新しい立憲民主党のさらに伸ばしいく分野として考えていきたい。

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■西村ちなみ候補

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 新潟県の米農家の生まれで、新潟県で育ち、大学生の頃から海外から日本、あるいは地方の生活を比較的、相対的に見るということもおこなってきた。1999年の統一自治体選挙で、新潟県では女性の県会議員が半世紀いなかったということで多くの方から声を上げていただき、立候補して初当選したのが私の政治活動のスタート。それなので、地方の声、女性の声、草の根の声が今の政治に本当に必要だということは身をもって体験している。国会では6期目で、外務大臣政務官、厚生労働副大臣を務め、そうした分野で仕事をさせていただいた。厚生労働分野での仕事がずいぶん長くなってきているが、自分自身も出産を経験し、今は子育てと仕事の両立に悩みながら、それでも何とか国会で仕事をさせていただいている。
 今の日本の政治を見ると、上からの押し付けの政治、政治の私物会が問題になっている。この政治がいつまでも続いて行ったら、税金の無駄遣いもチェックできないし、私たちの暮らしがとんでもないことになってしまう。新型コロナウイルス感染下でも明らかになったように、適切な医療を受けることができずに亡くなってしまう方がいるとは、一体日本はどういう国なんだろうかと痛切に感じた。
 また非正規で働く皆さんもそれまですごく頑張ってこられたのに、営業自粛・休業要請の影響を受けてまずは仕事がなくなる、収入なくなる、生活困窮に陥る。そういった方々のお話を聞くと、もうこれは政治の力、何とか立て直さないといけないと強く感じながら、とくに2年間過ごしてきた。いろいろな場面で、皆さんも理不尽を感じられると思う。「なんでこうなんだろう、なんで政治は私たちのことを分かってくれないのだろう」と思いながら、そして自分ができることはないかと考えて生活されているのだろうと思う。
 立憲民主党は結党の時から、パートナーズという仕組みを導入してスタートした。この仕組みを作る時もいろいろと議論があった。党員制度をどうするか、あるいはサポ―ター(協力党員)をどういうふうに位置づけるのか、パートナーズは本当にワンコインで参加できるようにして、間口を低く、広くするけれども、本当にそれで党としての地域の活動ができるのか等、いろいろな議論があったけれども、パートナーズという仕組みをスタートさせて、原発ゼロ基本法案を作る時には、逢󠄀坂議員らがいろいろな地域を回ってヒアリングをされていた。私自身も地元でパートナーズ集会を開催し、何とかパートナーズ制度の発展型を目指してきたが、それがうまく行っているのかどうか、この代表選挙を通して、ボトムアップの政治の再起動のために考え直す良い機会をいただいたと思っている。
 政党は、皆さんの意見を吸い上げて、それを形にしていく水車のような役目を持っていると思う。ぐるぐる回って行く流れの中に、党員・協力党員・パートナーズの皆さん、各級自治体議員や国会議員がみんなでぐるぐると回って、民主主義だからいろいろな意見を交換しながら、対話しながら、作り実行していく。そのためにいろいろな知恵を出し合いながら進んでいきたい。
 私は派手なパフォーマンスや人気取りの政策とは無縁の仕事をやってきた。目の前にある課題一つひとつ、確実に克服していく、解決をしていくリーダーになりたい。

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■逢󠄀坂誠二候補

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 主権者である国民の皆さんお一人おひとりが主体的に行動して、自分の頭で考えて、責任をもっていろいろなことをやっていくことが本来、民主主義の基本だと思う。しかしながら、多くの方はそんなに時間があるわけでもなく、森羅万象に精通できるわけでもない。お金の問題などさまざまな制約があって、自分たちが主体的に物事をやっていくことは基本的に難しい。だから代表制の民主主義があり、議員が選ばれたり、本来公共の仕事も自分たちでやらなければいけないところ、役所の職員、公務員というものを選んでやってもらう。しかし、民主主義の原理原則、原点を考えてみれば、本来は国民一人ひとりが主体的になってやるというのが大きな原則。だから参加型民主主義は、何か特別なことのように思われるが、本来そうではなく、参加型民主主義こそがある種の本質だと思っている。
 ただし、参加型の民主主義をやる時の基本原則がある。情報がしっかり公開されていること。情報が公開されていなければ、問題意識を持つこともできない。しかも情報公開は、求めれられてから出す情報ではなく、求められる求められないに関わらず、政策や地域のことを判断するために基礎になる情報が常に開示されていること──情報共有と言われるが──そうしたことが最初の条件になる。情報がしっかり開示されるかどうか、これが参加型民主主義の非常に重要なポイント。こうした観点で考えると、今の日本は国政べースでは参加型民主主義からほど遠い状況になっているのではないか。国会で嘘をつくとか、情報公開はしないとか、公文書を廃棄・改ざんするとんでもない状況になっているということをぜひご理解いただきたい。
 情報共有と住民参加が、参加型民主主義の基本だと思っている。21年前に町長を務めていた町で、街づくり基本条例をつくった。これはまさに、参加型民主主義をきちんとルール化しようというもの。その条例の中に情報共有をしっかりする、説明責任を果たすことを加え、それを前提にしてさまざまな参加をしていこうという条例を作った。当時、日本で初めての自治基本条例と言わたが、その精神は、私が町長をやっていた町では今も生きているのではないかと思っている。 
 その際にやったことの1つが予算情報の公開。予算情報は皆さんの税金を使っている最も大事なものだが、どこの自治体も、国が最もだめだが、きちんと情報公開されていない。その情報をとにかく分かりやすく公開しよう、例えば町がどの団体に補助金をいくら出しているという情報を公開する。町にあるハコモノ施設の維持管理費と使用料収入の情報も公開する。それをやったことによって、町の中の人が、「この団体に補助金を出すのおかしいのではないか」逆に「この団体に出す補助金は少なすぎるのではないか」、あるいは維持管理費と収入のバランスがとれていないような施設については、「何か問題があるのではないか」、あるいは維持管理費がたくさんかかっても「この施設については敢えて使用料をとる必要がないのではないか」という議論が巻き起こり、最終的に住民の皆さんの手によって補助金の整理・統合がなされたり、施設の維持管理に関する精度が上がるということが起きた。
 したがって情報公開・情報共有、住民参加はまさに車の両輪だと思っている。ところが今の日本では、国政レベルではこのことがほとんどおこなわれていない。予算の中身はどれだけ公開されているか。実は私自身が政権にいた時も、自分の担当している予算の詳細を知りたいと思っても、はっきり分からなかった。政府の中にいても分からない。これが日本の政府の現実。こういうところに風穴を開けたいと思っている。とにかく情報をしっかり公開しなければ、問題意識を持つことすらできない。私が代表になったら、まず開く、オープンにすること、そして情報を共有できるような体制を作ることを徹底してやりたい。

 次に、パートナーズ4人からの質問に候補者がそれぞれ答える形で意見交換をおこないました。(1)党員・協力党員・パートナーズ制度についてこれまでの総括と今後の展望(2)市民とともに歩むボトムアップ型の政党として、衆院選の結果も踏まえてどう取り組んでいくか(3)SNSをどのように活用していくか(4)立憲フェスなど市民と相互に交流するイベントを開催していくか(5)都道府県連や自治体議員と市民が協力する機会をどのように増やすか、先進的な取り組みをどのように広めるか(6)法案や政策づくり、政策アンケートなど、市民が政治参画するためにどのような施策をおこなうか――等の事項について話し合いました。

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