衆院予算委員会で12日、安倍総理と全大臣出席のもと2019年度予算の基本的質疑が行われ、立憲民主党・無所属フォーラムから岡田克也、小川淳也、阿部知子各議員が質問に立ちました(写真上は、質問をする岡田議員)。

 岡田議員は、北方領土問題を中心に質問。冒頭、10日の自民党大会で安倍総裁が「悪夢のような民主党政権が誕生した」と発言したことについて、岡田議員は民主党政権時代の反省はあるとした上で、「その前の自民党の歴代政権の重荷も背負いながら政権運営をやってきた」と述べ、発言の撤回を求めました。

 安倍総裁は「党総裁として、そう考えている。少なくともバラ色の民主党政権ではなかった」と発言。岡田議員は「驚いた。自民党政権時代の反省は無いのか。本当に自民党政権時代の反省をしたというのであれば、あんな言葉は出てこないはず」と述べ、改めて発言の撤回を求めました。

 安倍総裁は、「取り消しません。皆さん(民主党政権)に重荷を背負わせたというのは分からない。皆さん政権をとったのですから自分たちの政策を進めればいいじゃないですか」と述べました。

 岡田議員は「民主党政権時代の最大の苦しみ、申し訳なかったと思うこと」として原発事故を挙げ、対応について反省しているが、同時に自民党政権にもその責任はないのかを問いました。安倍総裁は「原子力政策について、過酷な事故が起こったことについて、歴代政権、第一次安倍政権も含め反省をしている」と述べました。

 北方領土問題について岡田議員は、2018年11月の日露首脳会談の後、安倍総理が1956年共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させることをプーチン大統領と合意したと発表したことについて触れました。

 1956年共同宣言には歯舞諸島と色丹島については書かれてありますが、国後島と択捉島については触れられていないことから岡田議員はこの共同宣言だけを基礎とするのは、国後・択捉の交渉にとって大きなマイナスではないかと指摘しました。

 安倍総裁は、「そのようには考えていない。4島について当然北方領土問題の解決についてずっと交渉を続けていっている」と答弁しました。

 また、1956年共同宣言を基礎としている根拠として安倍総裁は「両国の立法府が承認し両国が批准した唯一の文書であり、現在も効力を有している」と説明しました。

質問をする小川議員
質問をする小川議員

 小川議員は毎月勤労統計調査、その他の統計の問題について取り上げました。その中で毎月勤労統計について2018年から定義を変更し、日雇い労働者を外したため、名目・実質賃金は相当高く出たのではないかと指摘。日雇い労働者を入れて試算すると、対前年比の賃金は公表値から名目・実質賃金ともに5ポイント下がると指摘しました。

質問をする阿部議員
質問をする阿部議員

 阿部議員は少子化対策、非正規雇用者の労働環境などについて取り上げました。阿部議員は幼児教育・保育の無償化政策について、0~2歳は低所得者対象の無償化であり、3~5歳は全世帯対象(結果的に高所得者に恩恵がある)の無償化になっていると指摘。3~5歳の優先順位が高いが、0~2歳の手厚いケアが必要かもしれない、これが少子化対策として有効なのかとただしました。

 宮腰少子化対策大臣は「0~2歳児については、それぞれの家庭のいろいろな事情があると思っている。3~5歳児については幼児教育・保育の重要性ということに鑑みて、無償化を図っていきたい」と答弁しました。

 阿部議員は、保育士の基準、施設基準を満たさない、あるいは指導監督をきちんと受けていないところにも、5年の経過措置の間に国からの補助があることについて、「子どもの権利、子どもの安全を第一に掲げたものであるのかどうか、大きな疑問がある」と指摘しました。

 安倍総裁はこれに対し、「無償化を契機に」と強調し、「認可外保育施設の質の確保・向上を図っていく考えであります」と答弁するにとどまりました。

 阿部議員は、「5年間、何が起こるかわからない。そこでの死亡事故は果たして総理が責任をとれますか。極めて危険な政策だと思う」と指摘。「これからも子どもたちの権利を守る政治がどうあるべきかを一緒に論議していきたいと思います」と述べ、質問を終えました。