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2019年10月25日

民間英語試験導入延期法案の提出後に、予備校教師・高校生・保護者らとともに会見

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 衆参両院でそれぞれ共同会派を組む立憲民主党、国民民主党、衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」、社会民主党と共産党は24日、「独立行政法人大学入試センター法の一部を改正する法律案」(通称:民間英語試験導入延期法案)を衆院に提出し、その後、法案提出者とともに予備校教師・高校生・保護者が記者会見を開きました(写真上は、法案提出を報告する川内博史衆院議員)。

 法案提出者による法案の趣旨や提出の目的などの説明の後、同席した参加者から次のような発言がありました。

■高校2年生

 受験生である高校2年生として、また教員を目指したいということで、この問題に関していろいろ声を上げてきました。
 構造的欠陥を持つこの制度は当然実施されるべきではないし、(法案の)審議もしていただきたいです。
 この制度を考えた方々、施行しようとしている方々にもう一度問いただしたい。本当に受験生のことを考えているのは誰かということと、問題が指摘されてもなお、なぜ一度立ち止まれないのかということを。
 日本に唯一残された公平なチャンスである入学試験を、日本の教育を守っていただきたいです。

■高校2年生

 入試というその瞬間だけの問題ではなく、それに至るまでの高校3年間、あるいは中高6年間を含めた教育の現場全体に波及してくる制度改革になるので、高校や中学、大学の意見を半ば無視するような形で、この改革が進行していくのはすごく遺憾だなと思います。
 異なる民間試験の成績を管理する共通ID一括管理システムについても、いろいろなセキュリティホールがあるのではないかといった、懸念もあります。
 本当に声を上げている高校生が表面的に見れば数は少ないですが、いま実際にこうしてこの場に立っている僕たちだけではなく、物理的にこの場に来られない地方の高校生であったり、通信制だったり、あるいは既卒生の方、社会人の方、高卒認定試験を受けて大学入試に挑もうとされる方とか、いろいろな方々にこの問題が関わってくることですし、そういう方々に向けてオープンであるべきなのが大学入試だと思うので、ぜひ建設的な議論を、それこそ党派色のない形で建設的に議論をすすめていただきたい。

■高校3年生の保護者

 大学を進学を希望するだけでなく、さまざまな進路を選択する高校生を想像していただきたいと思います。また高校生だけでなくさまざまな受験生を想像していただきたいと思います。
 未定事項も多いこの複雑すぎる制度が全国にいる高校生、受験生、先生方をどれだけ混乱させているか考えていただきたいと思います。
 国が教育改革に熱心に取り組んでくださることに感謝しております。どうかこの問題が国会で党派を超えて、子供たちのための教育を与野党全ての皆さまにお考えいただきたい。

■予備校講師(元高校教師)

 問題点指摘されていますけれども、1点、公平性の観点を本当にしっかり審議していただきたい。例えば来年度の4月から12月までの期間で受験者が自分が希望する試験の希望回を必ず受けられるという見通しが全く立っていない。
 また過年度生は情報をどこで得るのか。ここでも格差があり公平性が担保されていない。本来であれば誰でも希望すれば高等教育は門戸を開かれてしかるべき。例えばもう1回大学に入り直そうと思った場合に、どこでこの情報を得るのか。
 現行のセンター試験は9月10月に締め切りがある。ところが民間英語試験はもうすでに予約金を払わなければならない、前年度のこの時期に。しかもその返金がどうなるのかもまだ見通しが立っていない。
 入試制度の根本が今揺らごうとしているわけなんですね。本当にこれは党派を超えて審議をしていただいて、公平性の観点だけでも本当に広く国民的な議論にしていただきたい。

■現高校教師

 いま予約の問題が出ておりましたが、利用できる民間試験いくつかあり、その中で受けやすさ、受験料の値段等に関して大きく高校生が受験する可能性のある試験というのは2つございます。先ほどありましたように予約金の問題というのは、そのうちの1社の問題ですが、もう1社に関しましては来年度の試験に関して日程等費用以外何も決まっておりません。何度も私も現場の教員の立場で問い合わせの電話を、つい先日もさせていただいたのですが、「何も決まっていない、採点基準に関しても決まっていない、お答えできない」、このような状況となっております。
 予約金を取る団体を申し込む場合は、まず予約申し込みをした後、2月9日に始まる本申し込みという2段階の申し込みで来年の4月から7月の受験が可能となります。例えば現高校3年生、来年度もし万が一自分が浪人してしまった場合のことを考えると、予約せざるを得ないという状況になっております。
 当事者である高校、高校生だけではなく、実施主体である文部科学省や実施団体、入試センターにおいてもまだ見通しが立っていないという極めて杜撰な制度であると言わざるを得ません。このような状況においては、今回提出をしてくださいました民間試験の延期、中止というものを真剣に検討する必要性があると考えております。
 声を上げようと思った経緯を簡単にお話させていただきますと、当然、現場の教員の責任というものもありますが、それ以上に、1人の大人として子供の将来に責任を負う立場にあると自覚しております。前文部科学大臣はこの試験に関しまして「実施をせずに後悔するよりも、実施をして反省すればよい」という趣旨のことをツイッター上で発言しておりました。私はそう考えません。責任というものを後でとっても、被害者を救済することはできません。責任というのは今果たすべきものであると考えております。

■高校1年生

 私としては現高校1年生として、高校生活などにおける不安とか不満とかそのようなものをお伝えできたらと思います。

 行事や部活や私たちの高校生活で大事にしているものと引き換えにするのであれば、英語民間試験や今これから変わる大学入試にどのような意義があって、どのような未来を見据えたものなのかを教えていただきたい。それを教えていただくか、それとも教えていただけないほど準備が揃っていないというのであれば、それは私たちにとってちょっと無責任じゃないかなというふうに感じております。
 入試が変わることで授業が変わると思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そのような場合、授業が変わる前に入試を受けなければいけない私たちのような世代は、どのようになるのかっていうことが、不安かつ不満を感じております。
 高校2年生は先生方から説明を受けたりしているかもしれませんが、高校1年生にはそのような説明をされることはあまりありません。でもこの情報は高校2年生、高校3年生だけが知っていればいいものではなく、高校1年生、中学生すべての人が知っているべきことではないかなと思います。