立憲民主党は29日、第3回「パリテ・スクール」を都内で開催。野党第1党の国会対策委員長を務めた幹事長代行の辻元清美衆院議員を迎え、「ジェンダー視点で見る国対委員長の仕事」をテーマに話を聞きました。パリテ・スクールは、女性候補者と支え手を恒常的に養成し、これから「挑戦」する方々のネットワークづくりの場となることを目指すもので、党では「女性候補擁立プラン(第1次)」に基づき女性候補者の公募を通年で実施しています。

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 冒頭、党ジェンダー平等推進本部長の大河原雅子衆院議員は、立憲民主党は本当の意味での男女平等の実現、ジェンダー平等の推進を党の柱に掲げていると強調。「日本の社会はまだまだ男女の差別が多い。世の中で変えなければいけないことはたくさんあるが、日本が世界に並ぶ子育てしやすい国になるためにはまずはジェンダー問題にしっかり取り組んでいかなければならない。法律(2018年5月「政治分野における男女共同参画推進法」が施行)もできたが女性議員を増やしていくためにはまだ障害がある。それを乗り越えていくためにいろいろな工夫をしていきたい」とあいさつ。女性が政治の道を諦める大きな原因にもなっている、女性の議員や候補者に対し「1票の力」を振りかざす有権者のハラスメント行為、いわゆる「票ハラ」が問題になるなか「立憲民主党ハラスメント防止宣言」をまとめたことにも触れ、「多くの皆さんとつながっていくことでジェンダー推進につなげていきたい」と力を込めました。

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 「まさか自分が政治の現場に行くとは思っていなかった」と切り出した辻元議員は、日本社会党が社会民主党に改称した1996年、憧れていた土井たか子さん(日本社会党委員長、衆院議長、社会民主党党首などを歴任)から、「憲法を守りたい。憲法9条が危ないので、憲法を守るために一緒に頑張ってほしい」「市民運動や市民活動をしている、そういう分野から議員を誕生させたい。組合の幹部は男性ばかりなので新しい風を入れてほしい」「男女同数の議会の実現に向けて女性議員を増やしたい」と口説かれ、故・筑紫哲也さんの後押しもあって『市民の絆』をスローガンに立候補したと当時を返りました。短い選挙準備を経て「ボランティア選挙」を実践、衆院選挙比例近畿ブロック単独選出で当選したものの、組織的なバックアップがなかったため1年半くらいは社民党本部にも入れなかったという衝撃の事実も紹介。「女でも若くても組織がなくても勝てるということを自ら立証したいという一念だった。それをやればきっと自分のあとにも次の人が出てくるに違いない。それは土井さんから学んだ」と話し、選挙区内を精力的に回り、土砂降りの雨の日も駅頭に立ち続け、2000年の衆院選挙では大阪10区から社民党公認で出馬、公明党の現職、民主党の現職を破り勝利した辻元議員。「なんか根性物語になってきたけど」と苦笑を交え、自治体議員では子育てや介護、地域の活動と議員活動を両立しながら自分のスタイルを保てるようになっているが、小選挙区制度の衆院議員や参院議員といった国政選挙は旧来の男社会のなかでの制度であり女性に不利だと思うと指摘しました。

 その上で、野党第1党の国対委員長として与党と闘ってきたこの2年間については、2018年の通常国会冒頭の与野党の質問時間をめぐる攻防や、政府が最重要法案と位置付けた働き方改革関連法案で野党の追及により裁量労働制の対象拡大に関する部分を法案から切り離すことができたことを、象徴的なエピソードとして舞台裏も含めて披露。自民党の森山国対委員長とは(1)絶対嘘はつかない(2)できることしか言わない(3)信頼関係は崩さない――の3つのルールを決めて交渉、「裁量労働制の拡大」削除のときには「野党が国会の審議で政府の目玉法案を提出前に内容を変えさせたのは憲政史上初めてだ。敬意を表します」と言葉をかけられたと明かしました。

 「恥も外聞もない。威厳がなかろうと構わない」と言い切り、男性が気にしがちな期数や年齢といった序列や面子にはこだわらず、あくまでも「実を取る」ことを大事にしてきたという辻元議員。自らの経験を踏まえ、「そこを乗り越えて感性で仕事をしていくことが新しい成果を生むかもしれない」と女性議員ならではの今後の可能性に期待をにじませました。

 講演後の質疑応答では、参加者から「女性議員を誕生させるためのサポートをしていきたいがそのためにはどんなことをすればいいか」「国対委員長として部下にあたる男性議員との関係で苦労したことはあるか」「強さの源になっている思いは何か」「女性の戦い方として男性に毅然として立ち向かうか、男性に媚を売りながらうまく付き合うのかどちらがいいと思うか」といった興味深い質問が続出。辻元議員は「次の世代を育てたいという思いは一緒。そのためには自分がかっこよくあること、『あんな風になりたい』と思ってもらえるように、自分がいきいきとしていないと伝わらない」「全員対等、全員が納得するまで話すことを心掛けた。それぞれの良さがあり、良さを見抜くことが大事」「不条理、不平等が嫌だということ」「どちらでも好きにすればいいが、不自然なことをしたら長続きはしない。自然体でいくのがいいのでは」などと回答。「良さを見抜くこと」が大事だと話した辻元議員に対し最後は「安倍総理のいいところは」と難問も。辻元議員は「無邪気でいいなぁと思う」と応じました。

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