立憲民主党のつながる本部と障がい者プロジェクトチーム(PT)、災害対策局は3日、国会内で「つながるフェスティバル2019」を開催しました。人権週間・障がい者週間にあわせて行われ、昨年に続き2回目の開催となる今回は、出展団体と当関係者をあわせて約200人が参加。第1部では「障がい当事者の視点から見たインクルーシブ防災」と題し、熊本地震(2016年)、北海道胆振東部地震(2018年)、西日本豪雨(2018年)の被災体験をもとに、障がい当事者からみたインクルーシブ防災の課題や、自治体の取り組みの現状についての報告と意見交換。第2部では「私たちが政治に求めること」と題し、各団体のリレートークが行われました。また障がい者や難病当事者の19の団体がブース出展を行い、党所属の国会議員、地方自治体議員、立憲パートナーズ、党関係者らと意見交換を行いました。

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 イベントの冒頭、つながる本部コーディネーターの斎藤りえさんは、「日本は美しく豊かな自然環境を有する一方で、自然の脅威も多く感じる災害大国であると強く感じざるを得ません。それだからこそ、この国にとって防災はとても重要。そしてその防災はすべての人を守ることを目指すものでなければいけない。防災や減災の原点は人と人がつながること、助け合うことでなくてはいけない」とあいさつしました。

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 第1部の冒頭、福山幹事長は、「東日本大震災から障がいを持った方々の災害時の対応について、いろいろな議論が出ているが、なかなか厳しい状況が続いている。今回、被災をした当事者の皆さんにこの場で発表していただくことは、政策を実現する立場にいる者として大変有益で、その思いを受け止めて少しでも障がいを持った皆さんが安心できる社会を作っていきたい。このつながるフェスの障がい者の皆さんと共にやるイベントは、出来る限り毎年続けていきたい。そして毎年少しずつ良くなっているねという実感をみんなで持てるような努力をしていきたい」とあいさつしました。

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 DPI日本会議、自立生活センターヒューマンネットワーク熊本の平野みどりさんから、熊本地震では(1)一般避難所では、障がいに理解がない職員がほとんどで、人的対応も当初薄く、要支援者に配慮できたところは極めて少なかった(2)バリアフリーな施設整備が不十分であり、介護を要する重度の障がい者への支援が乏しく、ほとんど安心して避難できる避難所とはならなかった(3)福祉避難所はとして461施設を指定していたが、実際にピーク時で101施設のみ機能(4)指定されていたのが、障がい者施設や高齢者施設で被災した利用者や入所者への対応に追われ避難者の受け入れを断る施設が多かった――と報告があり、「被災地障害者センター熊本」を福祉サービスから漏れている人たちへの対応のため発災後急きょ設置したこと、また熊本学園大学が一般の指定避難場所であったが、急きょ校舎を開放し、重度の障がい者や高齢者にはホールを開放、同大学の職員や学生が対応に当たったことなどが紹介されました。さらに、日常的に地域での存在が確認され、理解されていくにはインクルーシブ教育の実践が何よりも重要で、「ともに学び、ともに生きておくこと」が何よりの減災だと説明しました。

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 ホップ障害者地域生活支援センターの竹田保さんからは、北海道胆振東部地震での(1)炊き出し(2)段ボールベッドの提供(3)ミニ児童デイ活動(4)被災地でのボランティア活動(5)重機ボランティアへの協力(6)ボランティアへの慰問――などの活動について説明がありました。その中で、福祉サービスが災害では非常に弱いと指摘。大規模停電(ブラックアウト)の影響が大きく、福祉用具や医療用具が使えなくなり、携帯電話も使えなくなると外部との連絡手段もないといった状況だったとの報告がありました。

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 党岡山県連の原田謙介さんからは、西日本豪雨災害を教訓に要配慮者の逃げ遅れを防ぐため、避難行動の個別支援に早急に取り組む必要があるとのことから、避難行動計画、いわゆる「セルフプラン」作成に向けた取り組みが紹介がされました。

 意見交換では参加者から、身体障がい者だけでなく発達障がいや精神障がい、知的障がいの人たちへどう配慮するかといった話があり、また日常的に健常者も障がい者も関係なく一緒に暮らしていくために工夫していることは何かという質問に対しては、町内の清掃活動を障がい当事者や介助者、支援者と一緒になって行っていたり、地域の祭りに参加していることなどが紹介されました。さらに地域の避難訓練に参加したことがないという障がい者が多いので、防災訓練や避難訓練を一緒にやることの重要性が挙げられました。

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 第1部の最後に岡島一正災害対策局長は、災害が起こるたびに気象庁から「自らの命は、自らが守る行動をとってください」という言葉が当たり前のようにアナウンスされているが、各自の意思とともに行動に移せる社会になっているか、それを支える社会の仕組みができているかと疑問を投げかけ、包括的に対応できる仕組みに変えないといけないと指摘しました。そのうえで、誰も取り残さない社会、支え合う社会、当たり前にみんなで一緒にいる社会をつくるために頑張っていくと強調しました。さらに、早く政権をとり防災庁や災害対策庁といった組織を作り、誰からも意見を言っていただき、一緒に政策に参加していただく、当たり前のインクルーシブな政治を災害を通して実現していきたいと語りました。

 第2部では、参加した18団体がリレートーク。日々取り組んでいる活動や政治に求めることについてスピーチしました。

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 第2部から参加した枝野幸男代表は、「2009年からの非自民党政権時の3年間、内閣府の障がい者制度改革推進会議に当事者の皆さんにご参加いただき、そのことがその後の障害者基本法改正や障害者権利条約批准につながった」と振り返り、「政策を作っていく、その入り口から当事者の皆さんに加わっていただくことの重要性を痛感した仲間が立憲民主党に多く集っている。個人的にもあのときの障害者基本法の改正で、官房長官の強引な主導のもとに第3条に『言語』のあとに『(手話を含む。)』を入れさせていただいた」と述べました。昨年のつながるフェスでの提案を受け今年6月、「手話言語法案」と「情報コミュニケーション法案」を国会に提出したことに触れ、「今年のつながるフェスでも皆さまから意見をいただいて、次の政策づくりにつなげていきたい」と力を込めました。

 参加した18団体からは、障がい者当事者と連携した避難所の運営や災害時の情報保障といった災害関連の施策をはじめ、障害者権利条約に基づくインクルーシブ教育の実現、街のバリアフリー化の推進、時代に対応した柔軟な働き方での就労支援などさまざまな要望が寄せられました。

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 各団体のスピーチを受けて障害者PT座長の山花郁夫衆院議員は、障害者権利条約は「私たち抜きに私たちのことを決めないで」を合言葉に世界中の障害当事者が参加して作成され、2006年に国連で採択、2014年に日本政府が批准したことに触れ、「防災についても同じ。あなたのことはあなたが一番分かっているので、課題をわれわれに教えてほしいし地域で声を上げてほしい。これを機に団体間でも交流しつながってほしい。私たちもしっかり課題を受け止め、国の役割、地方の役割とを精査し今後の取り組みにつなげていきたい」と締めのあいさつをしました。

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