野党共同会派による外務・安全保障合同部会は5日、2017年にノーベル平和賞を受賞した「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」の国際運営委員を務める川崎哲氏を招き、核兵器廃絶条約加入をめぐる課題についてヒアリングを行いました。

 会合では、川崎氏および核兵器廃絶日本NGO連絡会より、以下の政策課題が提案されました。

1.日本が核兵器禁止条約に署名・批准するための条件について国会で調査を行うべきではないか。

2.日本は、同条約に直ちに署名・批准しなかったとしても、条約発効後の締約国会議にはオブザーバーとして参加し、もって対話促進に努めるべきではないか。

3.日本が依存している米国による核抑止力に関して、今日の国際的な文脈から、批判的に検討すべきではないか。

4.朝鮮半島の非核化を達成し維持するための法的・政治的枠組みを冷静かつ真摯に検討するべきではないか。

5.被爆者が高齢化する中、若い世代に核兵器の非人道性を継承するために、軍縮教育や市民社会の活動の活性化を含め、国としての施策を検討するべきではないか。

6.2020年4月27日に始まる核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議に先立ち、国会において、委員会または調査会の形で、同会議に向けた日本の核軍縮政策について包括的に議論する会合を設けるべきではないか

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 日本が核兵器禁止条約に署名しない理由として、政府は、(1)安全保障上の観点を踏まえていない(2)この条約は核保有国と非保有国の対立を深めるものであるーー等としています。これについて問われた川崎氏は、朝鮮半島の脅威に対して「核以外の通常兵器の抑止力で十分」とする国際的専門家フォーラムの見解を紹介しました。米国が開発中の「小型核」でも広島の原爆の3分の1くらいの威力をもち非常に破壊的であるとし、核兵器の使用を前提とした安全保障政策は大変リスクが高いことを強調しました。そして、国際的な検証体制を強化することで、核兵器によらない安全保障体制は可能であると述べました。

 NATO(北大西洋条約機構)加盟国の中でも、人道問題に関心の高いオランダやノルウェーでは、核兵器禁止条約への加入の可能性について議会決議に基づき政府の調査が行われています。またオーストラリアでは、労働党が同条約への加入を掲げて選挙を戦いました。こうした海外の事例も紹介され、部会でも事例研究などを通じ、日米同盟を維持しつつ条約に入る方法を引き続き考えていくことになりました。

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