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2020年6月2日

インターネットの被害は孤独で飲み込まれそうになる―人種差別基本法を求める議連が会合

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 野党超党派の「人種差別基本法を求める議員連盟」(会長・白眞勲参院議員)が2日、会合を開きインターネット上の人権侵害情報対策法のモデル案を議論しました。

 冒頭、同議連の事務局長を務める有田芳生参院議員は、「プロレスラーの木村花さんが、ネット上の攻撃で命を絶ったことをきっかけに、与野党からネット対策を急ぐ声があがっている。与党も含めて、遅くても秋の臨時国会には法案として提出し、形にしたい」とあいさつしました。

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 白眞勲会長は、「2年前から議論を重ね、昨年9月に法案の素案が出来上がっている。これを磨き、超党派でなんとか実現にこぎつけたい。特に重要な部分は、人権侵害と表現の自由とのからみ。政府を批判する人の電話番号や本人の情報を、プロバイダに開示させることがあってはならない」と述べました。

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 会場には、ネット被害に遭った当事者が出席し、証言を行いました。

 インターネットの被害は孤独で、飲み込まれそうになる。私が受けたTwitterでの脅迫は、IPアドレスの開示まで1年半かかり、捜査、送検、処分まで3年半。その間もずっと差別的な脅迫が拡散され続けた。
 行為者は端末を操作して余暇のように楽しむだけだが、私と家族は生活のすべてを変えられた。常に警察にパトロールしてもらい、家のインターホンや表札をはずし、カーテンは開けない、最寄りのバス停は使わない、小学生の子どもと一緒に歩かないなどと指導された。 
 中学生の息子もひどい差別投稿をされ、裁判を2回して発信者本人を特定した。『差別』が犯罪ではないため、行為者は『侮辱罪』として9000円の罰金処分を科せられただけ。何百ものスレッドが立てられ、息子の名前は拡散され、1年以上闘って削除されたが、すべてを削除できないので、今でも少し残っている。
 個人の力でインターネット上の差別や攻撃に対応するのは限界がある。

 法政大学特任研究員の明戸隆浩さんは、研究者、学者、弁護士で昨年9月に作成した「インターネット上の人権侵害情報対策法」素案について解説しました。主な項目は、以下の通り。
1.インターネット上の人権侵害に関わる禁止事項(名誉棄損、プライバシー侵害、差別的言動など)
2.インターネット上で人権侵害に関わる投稿があった場合の、速やかな削除要請および投稿者情報開示の仕組みづくり
3.特定電気通信役務提供者の義務
4.インターネット上の被害救済を図るとともに表現の自由に対する過度の制約を防止する「インターネット人権侵害情報委員会」の設置

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 参加した議員や専門家の間では、インターネット人権侵害情報委員会の公正中立性を保つための所管や人事、削除要請が確実に迅速に削除されるようになる仕組み、差別や人権侵害に対する意識を高める条文内容、などについて議論されました。

 会合にはほかに、末松義規、尾辻かな子、高木錬太郎、松田功各衆院議員、および真山勇一、杉尾秀哉、打越さく良各参院議員が出席しました。