コロナ禍で生活も学業も苦しい学生に、緊急支援を──「#つくろう学生支援法」 野党合同ウェブヒアリング リポート

2020年5月11日

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新型コロナウイルスの影響で、自身のアルバイト、親の収入の両方が減って、多くの学生が学費や生活費の支払いに困っている。また感染防止のために多くの大学や専門学校で立ち入りが制限され、授業がオンラインになるなど、学生生活は急変した。

立憲民主党、国民民主党、日本共産党、社会民主党、社会保障を立て直す国民会議の野党5党派は、5月6日、学生等支援法案(仮)をより有用なものにするためのウェブヒアリングを開いた。学生を緊急に支援するため、アルバイト収入が50%以上減収した学生に一時金を給付する、授業料を半額免除した大学などに国が全額補助する、などを法案に盛り込むことについて、また学生生活の現状について聞いた。


東京に借りたアパートにまだ住めない。10万円給付は不仲の親の手元に──学生たちの経済危機

ヒアリングではまず、現在どのように学生たちが経済的に困っているのか、ツイキャスのコメントや、届いたメールを紹介。コロナ感染拡大が年度変わりの時期だったため、上京してアルバイトができないままに家賃や学費を払い続けないといけない、10万円給付が世帯単位のために学生に届かない、など切実な声が上がった。

今年入学の専門学校生です。東京で一人暮らしのため3月からアパートを借りましたが、まだ住めていません。家賃は支払っています。アルバイトを始める前に上京できなくなり、収入ゼロ。授業料は払っていますが一回も学校に行けていません。給付型奨学金は、受けるための所得基準がかなり低く、限られた人しか受け取れません。せめて学費と家賃を支援してください。親もこれからも収入が減ります。

医療系大学に通い、学校の近くに一人暮らししています。母子家庭で母が世帯主です。不仲なので、アルバイトの費用で日々生活していましたが、コロナの影響でアルバイト先の飲食業は休業し、収入がありません。

日々の生活費は、学費や教科書代にあてる予定の貯金を切り崩していくことになりますが、そうすると学費が払えなくなってしまいます。一人10万円の給付金は、実家に新しい冷蔵庫を買うために使うと母から連絡が来ました。

住宅確保給付金も学生はなかなか受け取れないです。住む場所がなくならないよう家賃は何が何でも払っていますが、この先どうやって生きていけばいいのでしょうか。せっかく努力して入学した大学も、このままでは辞めざるを得ません。

十分な教育を受けられる日まで、休学費を国が補償してほしい

電話出演した大学院生は、授業や図書館、実技といった教育の大半が、コロナ感染拡大によって失われていることを問題視。十分な教育を受けられないため休学を希望する学生は多いが、学校によって数万円から数十万円かかる高額の休学費が原因でためらってしまっており、その補償が必要だと訴えた。

オンライン授業といっても、動画での講義はあまりなく、資料を送られてきてレポート課題を提出するだけの授業もあります。しかも大学図書館が閉鎖されているので、参考文献にあたれません。自腹で多くの文献を買える人しか、レポートをきちんと書けない。

体育大、音楽大、芸術大などの学生に話を聞くと、学びの中心である実技や模擬授業が全然できず、レポートばかりだそうです。どうしても休学してきちんと学び直したい、という希望も強いといいます。大学院生は、貸与型奨学金の返還免除に必要な業績にもなる、学会など研究報告の場が少なくなっています。政治には、コロナ感染拡大の中で大学の機能が失われてしまうのを最低限にとどめてほしいし、また休学費の補償をぜひお願いしたいです。

4月29日には、国による一律学費半額と高等教育への予算措置を求める署名運動に取り組んでいる大学生・院生らが29日、立憲民主党の水岡俊一文部科学部会長と国民民主党の城井崇文部科学部門長に緊急要請

高すぎる学費、給付でなく貸与中心の奨学金──日本の教育問題がコロナで浮き彫りに

ヒアリングの後半は、コロナ感染拡大に対する政府の対応から見えてきた、今後問い直すべき日本の教育制度の問題について、中京大学の大内裕和教授が電話出演で指摘。特に日本の学費の高さ、貸与型中心の奨学金のあり方が、学生たちから届いたコメントでも話題となった。文部科学省によると、大学の年間授業料は国公立も私立もこの30年間で約1.6倍に上昇している。

そもそも日本は学費が高すぎて、それでも何とか頑張ってきましたが、こんな状況でも困るなら借りろという政府に絶望しています。

中京大学の大内裕和教授:日本の奨学金の大半が貸与型で、卒業後に返済を求められる状況を放っておいていいのか。ぜひこの機会に、奨学金制度を改善してほしい。現在、学生への支援制度はありますが、多くが貸与、有利子です。奨学金の返済にとても不安を感じている学生がいっぱいいるんです。

最後に、参加した議員から学生たちへメッセージを送った。

立憲民主党 川内博史議員:休学費の問題について、わたくしども野党全体で学生支援法案とはまた別個の問題として、大至急勉強して取り組んでいこうと思います。

立憲民主党 水岡俊一議員:実はこの会に来る前に、また別の会で学生さんの声を聞いておりました。その中で、学生がいま困窮している状況は、コロナによるものだという見方は、一つの角度からしか見ていないものだと。

突然起こったことではなくて、日本に潜んでいた大きな問題ではないか、つまりは日本という国の教育のあり方が、やはり今まで問われなさすぎたんじゃないか。こんな高額な学費は一体何なんだ、学び方にもつながるというこの休学のこの高いお金っていったい何なんだ、そんなことをわれわれは今一度かみしめて、この機にしっかりと我々の考えを示して、国を間違った方向じゃなくて正しい方向に向けていくために、野党ががんばっていきたいなと思います。

日本共産党 田村智子議員:今回こうやって野党で法案の提出をやろうじゃないかと動いたのは、やっぱり「高等教育無償化プロジェクトFREE」の皆さんのアンケートで、5人に1人の学生が退学も考えていると、これは緊急事態だということで、こういうふうに動きましたし、授業料を半額にという署名も受けて動いています。ですから学生の皆さんが自主的に始められた運動がこうやって国会を動かしているんだと、この場でも本当に強く訴えたいと思います。

山井和則議員:今回のこの法案で終わるのではなく、この法案を一つの突破口にして、わたしたちも学生さんの皆さんの声を政治に反映していかねばならないと思います。

▼アーカイブ映像はこちらから

▼学生のみなさんへ、今ある支援制度はこちら
https://cdp-japan.jp/news/20200502_2917

【ヒアリング参加議員】

水岡俊一 SHUNICHI MIZUOKA(立憲民主党 参議院議員 文部科学部会長)

ホームページ https://www.mizuoka.net

Twitter @s_mizuoka

川内博史 HIROSHI KAWAUCHI(立憲民主党 衆議院議員)
ホームページ http://www.kawauchi-hiroshi.net
Twitter @kawauchihiroshi

城井崇 TAKASHI KII(国民民主党 衆議院議員 文部科学部門長)
ホームページ http://kiitaka.net
Twitter @kiitakashi

重徳和彦  KAZUHIKO SHIGETOKU(社会保障を立て直す国民会議 衆議院議員 政調会長)
ホームページ https://ameblo.jp/shigetoku2
Twitter @shigetoku2

田村智子 TOMOKO TAMURA(日本共産党 参議院議員 政策委員長)
ホームページ https://www.tamura-jcp.info
Twitter @tamutomojcp

畑野君枝 KIMIE HATANO(日本共産党 衆議院議員)
ホームページ http://www.hatano-kimie.jp
Twitter @hatanokimie 

宮本徹 TORU MIYAMOTO(日本共産党 衆議院議員)
ホームページ http://miyamototooru.info
Twitter @miyamototooru

山井和則 KAZUNORI YAMANOI(衆議院議員)
ホームページ http://yamanoi.net
Twitter @yamanoikazunori

吉川元 HAJIME YOSHIKAWA(社会民主党 衆議院議員 政調会長)
ホームページ https://www.facebook.com/YoshikawaHajime.Oita/
Twitter@ YoshikawaHajime