立憲民主党ジェンダー平等推進本部(西村智奈美本部長)は4月23日、「高齢女性の貧困と社会保障」をテーマに、日本女子大学名誉教授の岩田正美さんを講師にお招きしての講演会をオンラインで開催しました。岩田さんは、社会福祉政策、貧困・社会的排除論がご専門で、この日のヒアリングでは高齢女性の貧困問題の現状と、生活保護行政や社会保障制度をどう見直すべきか、との視点からお話しをいただきました。

岩田先生.png
岩田正美さん

高齢女性の貧困と社会保障.pdf

 岩田さんは、高齢女性の貧困を相対的所得貧困、金融貧困のそれぞれから分析した現状を説明され、さらに生活保護データから、75歳以上の女性被保護者数が直線的に伸びている状況や年金額の低さから生活保護に至る状況など、実際の被保護者の現状を具体的に説明されました。

 高齢女性の社会保障で考慮すべき点として岩田さんは、高齢期の女性の生活条件はそれ以前の職歴だけでなく結婚歴と関連すること、社会扶助である生活保護は8つの扶助がセットになっており、住宅扶助だけ利用するなどはできないこと、生活保護に対するスティグマ(差別・偏見)が強く、必要があっても生活保護利用をためらう人も多いことなどをあげられました。そしてこれらの要素から、低年金と生活保護の狭間で、貧困な高齢女性が少なからず存在している可能性が大きいことを指摘されました。

 この狭間の貧困への対処として岩田さんは、公的年金については、基礎年金を最低生活保障として位置づけること、少なくとも生活扶助と同一レベルにすること、それに満たない場合は、補足年金(福祉年金)を支給すること、生活保護については、8つの扶助を一体的に給付するのではなく、少なくとも住宅扶助を単独で利用できるように改正すること、医療や介護の保険料免除・減額、自己負担の免除・減額を拡張していくことなどを提言されました。

 講演会には西村智奈美ジェンダー平等推進本部長のほか多くの衆参国会議員、自治体議員、総支部長らが出席しました。

西村本部長.png
エンド.png