立憲民主党は9月2日、旧統一教会被害対策本部・文科部会合同会議を国会内で開催し、島薗進先生(上智大学グリーフケア研究所客員所員・大正大学客員教授・東京大学名誉教授)から「宗教法人法の『認証』の問題点等」についてヒアリングをしました。

 冒頭、西村智奈美対策本部長は、「法的にさまざまな角度から検討していく。当事者からは、超党派で進めてほしいと言われている。しかし、政府・与党の動きは消極的。われわれが議論を引っ張っていくしかない」と述べました。

 島薗先生から、(1)統一教会は違法な行為を続けつつ取り締まりを免れてきた実態(2)裁判によって宗教活動そのものの違法性が認定されるようになった点(3)宗教法人法の認証取消し―――等について話がありました。

(1)について「統一教会は特殊。社会から批判を浴び、警察の取り締まりが入る、長続きしない、妥協するといった展開が多いが、統一教会は攻撃的なまま、警察と対立したまま、むしろ力を増して生き延びてきた」と説明。

(2)については「普通ならば、マスコミの批判と警察の介入よって不当性が示されて教団が抑えられるところが、裁判でようやくそうなった。裁判で明らかになっても、警察の介入はさらにその後になる」と説明。

(3)については「今の宗教法人法では、『認証の取消』の規定がある。『認証』とは、2015年の教団名の変更の認証について、下村大臣が関わったと言われているが、法80条に『認証を交付した日から1年以内に限り認証を取り消すことができる』とある。1年経つと取消ができない。認証の根拠は明確にしなくてよい形になっている。法制の大きな問題である。宗教法人法には、『解散命令』がある。解散は法令に違反して、公共の福祉を害する時に裁判所が解散を命令できる。統一教会がこれにあてはまるのではないか」と語りました。

 「札幌地裁等の裁判で明確になったことを法制化する。認証取消に問題があり、いろいろな問題を起こしてきた。教団名の変更の『認証』『認証しない』『認証を取り消す』理由を明文化する必要がある。国民感情としても、多くの被害者を生んできた団体が税制上の優遇を受けてきているのは納得できない。認証し続けることは納得できない。これが、解散の規定とどう関係しているのかという話になる」とも島薗先生は指摘しました。

 参加議員からは、「取消が1年以内の理由」「認証した後の団体の活動を見る仕組みはどう構築すればよいか」「法人格と税制優遇の関係性」「宗教とは何か」といった質問がありました。

 島薗先生から「文化庁の宗教法人審議会には宗教界の人も加わっており、かなり微妙な問題も決めている。この審議会の機能を見直すことを考えてほしい」と問題提起がありました。

 同日昼にも同合同会議が開かれ、法制化に向けた議員間の討議が行われました。