泉健太代表は東日本大震災から12年を迎えた3月11日、宮城県亘理町・名取市閖上・仙台市若林区荒浜を訪れ、復興への誓いを新たにしました(写真上は、荒浜小学校で風船上げをする泉代表)。
■亘理町のイチゴ農家を視察
亘理町は宮城県の南東部太平洋沿岸に位置し、東北エリアで随一のイチゴの生産量を誇っていしたが、震災の津波で内陸まで浸水しイチゴ栽培のビニールハウスがほぼ壊滅する被害を受けました。その後回復に向けた取り組みをしています。
話を伺ったのは、宍戸孝行さんと宍戸健太郎さん。孝行さんは震災当時、イチゴ生産連絡協議会の会長でした。宍戸さんが栽培しているのは宮城を代表する品種「もういっこ」です。
■名取市震災メモリアル公園(日和山、慰霊碑)を訪問
日和山からは閖上地区一帯を見渡せることができ、大津波で流失した閖上湊神社と富主姫神社を祀っています。慰霊碑は、震災により犠牲になられた方が天に昇っていくイメージを表すと共に、復興に向けた決意を新たにする気持ちを込め、「種の慰霊碑」から発芽した「芽生えの塔」が上へ上へと伸びていく姿を表現しています。慰霊碑の高さ(8.4m)は押し寄せてきた津波と同じ高さです。(名取市観光協会ウェブサイトの説明より抜粋・編集)
■かわまちテラス閖上で献花と視察
かわまちテラス閖上は、2019年4月に名取川沿いにオープンした商業施設。木造平屋建ての3棟には被災した事業者を中心に飲食店や海産物、スイーツのお店などが軒を連ねています。閖上地区は震災の津波により大きな被害を受け、インフラの復旧とあわせて商業の再建が大きな課題でした。かわまちテラス閖上は「閖上地区まちなか再生計画」の中核的商業施設に位置づけられています。
泉代表は、同施設前・堤防の上に設置された献花台に花を供え、その後、施設を視察しました。
■震災遺構仙台市立荒浜小学校、深沼海岸防潮堤を視察
震災で被災した仙台市立荒浜小学校の校舎を、震災遺構として保存・整備した施設。被災の痕跡を鮮明に残す校舎と、被災直後の様子を示す展示等により、来館者に津波の威力や脅威を実感できる場として公開しています。(仙台市ウェブサイトの説明より抜粋)
その後、深沼海岸防潮堤を視察しました。
■視察し、東日本大震災慰霊之塔(荒浜慈聖観音)で黙祷
発災時刻の14時46分、泉代表は仙台市荒浜地区にある東日本大震災慰霊之塔(荒浜慈聖観音)で黙祷を捧げました。
■HOPE FOR project主催「風船リリース」に参加
泉代表は、仙台市立荒浜小学校で行われた「HOPE FOR project」主催の「風船リリース」に参加。この「風船リリース」は震災の翌年から毎年行われており、花の種を入れた風船を被災地の空へ飛ばす企画。使用されているのは、環境に配慮し、太陽光で自然分解され、落下したら土に還るエコバルーン。
■郡和子仙台市長を表敬訪問
郡和子仙台市長を表敬訪問しました。
今回の日程には、鎌田さゆり、岡本あき子両衆院議員、石垣のりこ参院議員、太田稔郎県議(名取市)、布田恵美岩沼市議、荒川洋平名取市議、村上一彦、沼沢真也、鈴木澄恵各仙台市議が同行しました。
■視察後、記者団への取材対応
視察を終えた泉代表は記者団の取材に応じ、いちご農家の視察について、「力強く復興に歩まれていることを実感すると共に、決してここまでの道のりは平坦ではなく、大変な思いをして今のイチゴの生産にたどり着いていると感じた」と述べるとともに、燃料価格や肥料、資材の高騰に苦しめられていることから、引き続き農水省を中心に対策が取れることをしていきたいと語りました。
閖上地区、荒浜地区での視察については、一人ひとりがいろいろなものを抱えながら、もう一回歩き出そうとしている姿を感じたと述べ、改めてコミュニティの再生と被災地全体の復興について「政治の側でできる最大限のことに取り組んでいきたい」と語りました。
いまなお3万人余りの避難生活を余儀なくされている方がいる現状について記者から問われると、被災から12年が経ち、避難者も徐々に今住んでいる場所が新たな故郷になりつつあることから、元の故郷への思いと今住まれているところでの生活の両方を満たしていくことが大事だと語り、被災地域の復興に関するさまざまな取り組みを応援するとともに、新しい場所で生活されている方々の生活で孤立や生活困難が起きないよう支援していきたいと話しました。
東京電力・福島第1原発事故を受け、原発の運転期間を原則40年とし最長で60年としている現在の規定を、政府はさらに延長する方針であることについて泉代表は、「人間の作ったものに絶対はない」と述べ、原子力発電所もあらゆる安全対策を取っても、点検や整備、施行のミスは起こり得ると指摘。設備が古くなってきたものは延長しないことを原則とする考え方は「震災を踏まえた多くの国民の世論」「民主的な手続きも含めてこの40年ルールを決めてきた経過がある」と述べ、尊重していくべきという考えを示しました。
防衛費増額を賄う財源として「復興特別所得税」の一部を転用する方針を政府が示したことについては、まだまだ賑わいは戻っておらず、復興も道半ばであるにもかかわらず、復興の名を借り防衛費に回していくことは政治でしか通用しない理屈であり、国民には到底受け入れられるものではないと指摘。「復興の財源を防衛費に回すような枠組みは取るべきではない。人の道に反している」と述べました。
処理水の海洋放出は今年の春から夏にかけて始まる予定であることについては、少なくとも福島県の漁業者のみならず宮城県の漁業者も含めて反対という声が上がっていることは、「ひとえに政府の取り組みの不足、そして説明・理解浸透の不足」だと指摘。「そういった状況のまま強行するべきではない」と語り、漁業者との真摯な対話、県民への説明をするよう政府に求めました。