立憲民主党など野党は3月14日、旧統一教会問題に関する第43回目となる国対ヒアリングを実施しました。今回は、宗教を背景とした児童虐待に関連し、宗教団体「エホバの証人」の児童虐待実態調査の報告書を、同日、厚生労働省子ども家庭局家庭福祉課虐待防止対策推進室長の提出したことを受け開催。当事者と関係省庁から話を聞きました。

 JW児童虐待被害アーカイブの広報を担当する奥田咲里栄さんは、昨今の宗教2世問題に関する報道が相次ぐ中、エホバの証人の宗教団体内部で集団的に行われてきた体罰(むち打ち)や輸血拒否問題について取り上げられる機会が多くなっているとし、今回の調査では、体罰の実体を調査し記録として残すことで、広く認知していただき、「子どもたちを守るための社会的な動きに寄与することを目的としている」と語りました。

 奥田さんは佐賀で生まれ育った32歳。母・兄・姉の4人家族で母が奥田さんが2歳の時に信者になった、2世です。

 同代表の綿和孝さん(仮名)はアンケート調査について報告。調査は2021年に実施し、回答数は225件。「今の子どもたちの虐待を防ぐために、自分の体験を活かしてもらえるならという思いで皆さん回答してくださった」と語る一方で、「昔、自分が虐待を受けたことを思い出して詳細に書かないといけないのは非常にストレスだ」ということで回答をしたいが協力できないということもあったと紹介しました。

 綿和さんは、父が「長老」(幹部)、母が「開拓者」(布教活動における先鋒)という環境で育ちました。

 調査の結果について、(1)全国的にむち打ちがされていたので、組織的に行われていたのが見えてくる(2)1970年から1990年生まれが主なボリュームゾーンになっている、2000年代生まれの回答者もいるため、決して過去のものはない(3)回答者の約4分3が未就学児の頃からむち打ちを受けている――などを綿和さんは報告しました。

 綿和さんは、「信仰の下に歩むことができたのは、『自分がむち打ちをされて育ててくれたおかげだ』と思っている2世3世がいる。そうすると子どもにむち打ちをする。逆に、少し外れてまた戻ってきて、自分はあまりむち打ちされなかったからではないかと思い、子どもに一生懸命むち打ちをしたという回答者もいた」と述べ、「エホバの証人の団体として、むち打ちはだめですと一言いうだけですべて終わるはず」として出席者に協力を求めました。