立憲民主党など野党は3月20日、旧統一教会問題に関する第44回目となる国対ヒアリングを実施しました。今回は、宗教を背景とした児童虐待に関連し宗教団体「エホバの証人」の2世の方から、また旧統一教会に対し約16億1千万円の返金と面談を求めている件などについて弁護士、ジャーナリストの方から話を聞きました。

 全国統一教会被害対策弁護団の木村壮弁護士は、弁護団が2月22日に旧統一教会に対し、元信者や親族50人が献金や物品購入等の財産的損害と精神的損害を受けたとして約16億1千万円(損害額約14億6千5百万円と慰謝料1割)の返金と面談を求めた通知について、教団からの回答があったと報告。統一教会そのものではなく、各地域の信徒会が調査し個別に担当弁護士に回答するとの内容だったと明かしました。

 木村弁護士は「統一教会に対して損害賠償請求をしており、個別の交渉は受けられない。裁判で信徒会という団体は存在しないと認定さえされている団体と交渉することは一切考えてない」「教会自身も昨年の記者会見の中で、被害相談について統一教会としてきちんと対応すると述べている」といった旨の説明を行い、教会本部が対応するよう19日に通知書を行ったと語りました。

 木村弁護士は全国霊感商法対策弁護士連絡会の一員でもあることから、弁護士連絡会が18日の集会で採択した「政治家の皆様へ統一教会との関係断絶を求める声明」についても説明。「これまでも政治家と統一教会との癒着の中で被害が温存、もしくは助長されてきたと考えているので、4月には統一選もあり、改めて関係断絶をお願いしたい」「(政党などの自主的なアンケートではなく)国会も含め、地方議会において、統一教会との関係性を調査して公表していただきたい」といった旨の話をしました。

 その後、エホバの証人2世の40代前半男性の阿部真広さん(仮名)、同2世の30代男性で詩人のiidabii(イーダビー)さんから当事者として児童虐待についての話があり、エホバの証人3世で宗教2世支援の団体「一般社団法人スノードロップ」代表の夏野ななさん(仮名)から団体の活動について説明がありました。

 ヒアリングにはジャーナリストの鈴木エイトさんも参加し、児童虐待について「宗教の枠にとらわれない問題」だと指摘。反ワクチンデモで子どもが連れ回されていたことをなどを挙げ、特定の宗教団体の中の特殊な事例ではないとして認識を改めてほしいと述べました。

左から夏野さん、鈴木さん、木村さん、iidabiiさん(阿部さんは電話での参加)