参院地方創生及びデジタル社会の形成等に関する特別委員会で7月25日、マイナンバー制度等に関する閉会中審査が行われ、杉尾秀哉、岸真紀子の両議員が政府の姿勢をただしました。

■杉尾秀哉議員

 杉尾議員は相次ぐマイナンバーカードをめぐる問題で、個人情報保護委員会がデジタル庁に立ち入り検査をしたが、「組織のトップである」河野太郎デジタル大臣が検査対象に含まれていないことを問題視。さらに、河野大臣が個人情報保護委員会の担当大臣で、マイナンバー情報総点検本部の本部長でもありながら「2週間も外遊」し、「自分の責任をまったく言わない」答弁姿勢についても批判。「マイナンバーカードの普及に前のめりになり、個人情報の(漏えい)リスクを軽く見てこのような事態を招いた」河野大臣の責任を追及しました。

 また、「マイナ保険証」を取得しない人に「プッシュ型で資格確認書」を交付することについて、そうであれば「現行の保険証と何も変わりはない」と指摘しました。

 その上で杉尾議員は、岸田総理が「(現行の)保険証廃止は国民の不安払拭が大前提だ」と発言している以上、「不安払拭ができなければ延期」すべきだと迫りました。

■岸真紀子議員

 続いて質疑に立った岸議員は、「入力側のミス」が原因だとしている河野大臣らの姿勢について、「そもそもシステム側の構築に問題」があったと指摘。発注者側や計画立案に携わるデジタル庁が、「実際に使う自治体など、現場の職員がどう使うか」といった視点が欠けていたのではと追及しました。

 また、マイナンバーカードの返納数は「微々たる数」だと発言した河野大臣の姿勢も批判。マイナンバーカードの自主返納の数は「現在進行形で」増えており、対応する自治体の窓口業務に大きな負担がかかっていると指摘しました。

 その上で岸議員は、マイナンバーカードの普及促進を「国から再三、自治体は迫られ、地方交付税の算定にも(普及率を)入れると脅しをかけられた」と述べ、「国はスケジュールありきで走ることを止めるべきだ」と迫りました。