日本では約4.4組に1組の夫婦が不妊の検査や治療を受けたことがあり(※1)、2021年には全出生児の約11.6人に1人が不妊治療(生殖補助医療)により誕生しています(※2)。

 不妊治療には身体的、精神的、経済的なもの、そして時間の4つの負担があると言われています。
 当事者アンケート(※3)によると、不妊治療を継続するにあたって男女とも3割以上が「治療のために仕事を休んだことがある」と回答、一方で男女とも6割以上が「勤務先において不妊治療の支援はない」と回答しています。また、「治療のために体調を崩したことがある」との回答は女性は約2割、男性は1割。「治療のために退職したことがある」のは女性は約1割、男性は女性の約4割程度でした。不妊治療を継続することと仕事の両立が大きな課題であることが分かります。
 また、「不妊治療開始時の不安」として「治療費について不安があった」との回答は男女ともに約5割前後にのぼり、経済的負担が大きいことも分かります。立憲民主党も後押ししてきたこともあり、2022年4月から、人工授精等の「一般不妊治療」、体外受精・顕微授精等の「生殖補助医療」について、保険適用されることとなりました。
 「(気分障害などのスクリーニング調査によると)精神的な問題(神経過敏、絶望感など)の程度が重度・・・の当事者は、現在も継続的に治療中の方のうち、治療を開始してから妊娠したことがない者では男女ともに約2割(※3)」にのぼるとの数字もあります。カウンセリングなど心理的ケアの必要性も指摘されています。 
 立憲民主党は、不妊治療を総合的に支える応援パッケージをつくり、子どもを望むすべての人々の希望を実現していきます。

◆立憲民主党の政策
・望む人が最良の不妊治療を受けられるように、不妊治療の保険適用を拡充します。
・全ての検査と治療(評価療養・患者申出療養・選定療養などを含む)について、保険適用または保険診療との併用が認められるよう、適用範囲を拡大します。
・不妊治療の現行の年齢制限についての検討を行います。不妊治療と仕事が両立できる環境整備を図るとともに、治療に応じて男女ともに利用できる不妊治療休暇を導入します。
・治療に関する職場のハラスメントを防止し、不妊治療への職場の理解を促進するため、各企業内の相談支援員の創設を後押しします。
・個人の意思を尊重したカウンセリング体制を強化します。
・不妊治療への社会の理解を深めるため、啓発に取り組みます。
・男性不妊についてもカウンセリングを含めた環境を整備します。精子濃度の低下と不妊の関係性など、男性不妊の要因について調査を進め、男性の不妊治療の適用範囲を拡大します。


※1 「出生動向基本調査(2015年)」国立社会保障・人口問題研究所
※2 公益財団法人日本産婦人科学会「ARTデータブック(2021年)」
   厚生労働省「2021年人口の動態統計」
※3  令和2年度 子ども・子育て支援推進調査研究事業「不妊治療の実態に関する調査研究(概要版)」