「30年以上政治に関わってきました。僕が最年長の新人総支部長かもしれない」と笑顔で自己紹介した、まつうら・たけし総支部長に、なぜ政治家を目指したのか、実現したい政策は何かなどを寄稿してもらいました。

■政治の世界へ

 1993年の夏、公共事業の談合と政治献金問題がきっかけで、非自民の細川連立政権ができました。私は、その夏の第1回政策秘書試験合格者の1人です。くしくも大学で同期だった前原誠司議員から「一緒に行革(行政改革)をやろう」と誘われて、翌94年1月から永田町で働くことになりました。最初の仕事は「入札制度改革プロジェクトチーム」の事務局、それから約20年、主に民主党の国会議員の政策秘書の立場で、特別会計の本を書いたりもしながら、いろいろな政策や政務に携わりました。

 2012年末には、埼玉9区で衆議院選に出馬し、落選。その後は両親の介護問題に直面したため、東京のパート先で生活費を稼いでは毎月大阪に通う、そんな二重生活を約10年続けました。今は両親亡き実家に住んで政治活動をしています。

■無駄遣いを改め「人」に還元する政治に

 私は、細川政権で「生活者主権」、民主党政権で「国民の生活が第一」を目指したスタッフの1人です。だから、「人」を主人公にして、「人」におカネを使う行政、政策に改めたいと思います。国の財産も企業の資産も、すべて「人」の労働や生産、負担の賜物なので、滞留させずに「人」に還元する。国の所管する資金や基金を国民のために取り崩したり、法人税を適正化するなど公平な税制改革を進めたいと思います。

 また、行政改革、とりわけ近年はイベントやソフトウエア、システムなどの無駄遣いに注意したいです。紙の健康保険証の存続問題はその1つだと思います。そして、あらゆる現場の人手不足は、時間や手間のかかる労働を軽んじ値切った結果です。地元の金剛バス廃業問題から垣間見える公共交通や労働政策のあり方にも取り組みたいと思います。

 細川政治改革から30年、政治資金規正法などの立憲案も、最初に成立させたい案件です。

■等身大で地元の皆さんとともに政治を考える

 私は、駅前での活動でも拡声器をめったに使いません。独りでマイクを持って話しながら政策ビラは配れないからです。また、人数が多いと乗降客に威圧感を与えかねないと思うので独りで駅に行きます。選挙区内の移動は、ほとんど徒歩か自転車です。政治に何か言いたいことのある人は気軽に話しかけてくださるし、私もすぐに立ち止まって応じられます。地元の皆さんと同じ地面に立ち、直に等身大の会話をし、一緒に政治を考える。そんな折には、できるだけ具体的な政策を丁寧に伝えることを心がけています。小選挙区の規模では極めて非効率に見えますが、出会った方に少しでも時間を割いて、真摯(しんし)に向き合うことが大事だと思っています。

■次期総選挙に向けて、愚直な活動の積み重ねが大事

 昨年7月から、自民公明維新との違いを際立たせようと、具体的な政策を愚直に伝える活動をしてきました。大人数で抽象的なスローガンを喧伝する手法の対極にありますが、有権者は勢いより、政策と誠実さを求めていて、評価してくれると信じています。

 立憲民主党が、国民の暮らしや自由を尊重するための政治をする、行政や政治の仕組みを正し、利権政治を終わらせる勢力である、必ずそう分かっていただけると信じて、愚直に政策を訴え続ける政治活動を積み重ねていきます。