衆院本会議が3月2日に開会され、伊藤俊輔衆院議員が「令和6年度予算」に対し反対討論を行いました。

 伊藤議員は、予算委員会の質疑時間が十分積みあがっていない段階で予算委員長が職権で強引に採決を決めたことについて、予算案の審議を軽んじる「裏金隠しの強行採決」だと抗議しました。また、予算の採決が予算委員会、本会議とも土曜日に行われるのは実に31年ぶりだとして、関係者が休日出勤を強いられている点について、政治倫理審査会の開催が一日遅れたことや、われわれの求め通り国会を早く召集しなかったためだとして、「政府の段取りの悪さのつけを押し付けるのは止めていただきたい」と釘を刺しました。

 能登半島地震対応については、立憲民主党が国会召集日に被災者生活再建支援金を大幅に引き上げる改正案を日本維新の会・国民民主党と共同提出したことを受け、政府も新たに1000億円の支援金の拠出を決定したものの、子育て世帯の一部や自治体によっては支給対象とならない点について、改善を求めました。

 政治倫理審査会については、われわれ野党は裏金議員51人全員の出席を求めたが、出てきたのは6人。岸田総理の答弁は予算委員会と変わらず、他の派閥幹部も「自分は知らない」、「関与していない」という責任逃れ、押し付け合いのオンパレード。塩谷議員、西村議員、高木議員の説明は矛盾が露呈し、疑惑解明どころか国民の疑念はさらに高まった。参考人招致や証人喚問で話していただかなくてはならないと指摘しました。

 消費税のインボイス制度開始により廃業を迫られる事業者もいるなか、防衛増税や事実上の子育て増税となる子育て支援金などを例にあげ、国民には増税を押し付けておきながら、せっせと裏金作りに勤しみ、脱税を繰り返しているのが自民党の国会議員だと断罪しました。

 令和6年度予算については、総額が112.6兆円にも上り、歳出の膨張に歯止めがかかっていないこと、子ども予算の財源確保策が子育て支援に逆行していること、財政民主主義の観点から、被災地支援についても予備費ではなく補正予算を組むべきことなどの課題を指摘しました。

 以上から、令和6年度予算には断固反対するとし、「人へ 未来へ まっとうな政治へ」の大転換を図るときだと訴えて、討論を締めくくりました。

 討論の後、本会議で採決が行われ、与党の賛成多数で可決されました。