枝野幸男代表は19日、千葉県鎌ケ谷市内で開かれた宮川伸衆院議員(千葉県第13区)と千葉立憲パートナーズ有志が共催で開いた「円卓ミーティングwith枝野幸男」に参加。「円卓ミーティング」は、市民からのアイディアで、「いろいろな方が対等な立場で参加し、輪を作っていこう」との思いを込めて名付けたものです。

 同日の集会は、新型コロナウイルス感染防止のため参加人数が限られていることからオンラインでの参加も受け付け、動画を配信。オンライン上のチャットに寄せられた声も紹介するなど、地域を超えた幅広い支援者の皆さんとつながり、草の根の活動をさらに広げていくきっかけとなりました。

 枝野代表は冒頭のあいさつで、立憲民主党の綱領では「新自由主義からの脱却」を掲げており、菅新総理が目指す理念「自助、共助、公助、そして絆」との対立軸が明確になったと強調。「自己責任を過度に押し付け、競争をどんどんさせれば世の中はよくなる、その結果苦しい状況になる人がいてもそこには目をつぶり、競争で勝った人を伸ばす、役所はできるだけ小さく、仕事をしない方がいいというのがこの30年、40年、先進国の一致した方向だった」と総括し、自身としては2011年の東日本大震災が大きな転機となり、支え合う社会を作るためには公助、政治や行政といった公が仕事を果たす、機能する行政が必要との考えに至ったと説きました。

 その上で、経済政策については、(1)目の前で今、大変な状況に置かれている人たちに対して、消費を増やすための刺激策として、中間層には1、2年の時限的な措置として所得税をゼロにし、手取りを増やす。所得の低い人にはきちんと準備をした上で今回の10万円の給付金のように一人ひとりに行き渡る形をとることと、消費税の減免を時限的に考える(2)支え合う社会に向けて、医療、介護、福祉、保育所、放課後児童クラブ、障害福祉などを中心に人に増やす。処遇を改善し安心して働けるようにする。そうした従事者の皆さんの消費が増えるとともに、年配の皆さんにとっては介護サービスを安心して受けられれば貯金を消費に回すことができる(3)将来的に自然エネルギー立国を目指す。日本の自然エネルギーの技術や能力や経験を活かせば世界をリードしうる力を持っている。将来の経済成長のもとは自然エネルギーであり、地方の活性化にもなる。自然エネルギー立国を目指す――と3つの柱を示しました。

 ミーティングではその後、事前に受付けたアンケートや会場、チャットのコメントからの疑問や質問に枝野代表や宮川議員が答える形で進行。「新しい政党になって何が変わり、何が変わらないのか」「消費税をどう考えるのか」「防災対策やそれに関連する危機管理、気候変動にどう取り組んでいくのか」「安倍政権の7年8カ月をどう評価するのか」「一番市民の近くにいてボトムアップを体現してくれている自治体議員を大切にしてほしい」「草の根政治を実現するためのシステムが必要ではないか」など党の姿勢や政策について多くの声が寄せられました。

 「枝野代表はボトムアップをどう考えているのか」との質問には、「人によって受け取り方が違うが、個々人のいろいろな事情を受け止めきれていないことを認識して、そうした皆さんとつながり、それを聴く努力をしていかなければいけない。そのことをあえて表現すると『ボトムアップ』であり、『草の根』になるという思いでわたしは使ってきた。政治が常に意識し、掲げなければいけないことだと思っているので、新しい党になっても変わらずやっていく」と発言。「何時間寝ていますか」との問いに対しては、「最近は5時間くらい。安眠の秘訣は、適度にお酒を飲んでカラオケで思いっきり歌うことだが、それが今できないので睡眠の質、量とも良くない。感染拡大防止をしながらできる趣味などを楽しむことが健康や安眠につながるのではないか」と話し、安心して趣味を楽しむためにもPCR検査の拡充が必要だとあらためて指摘しました。

 閉会にあたって枝野代表は「初心を忘れず活動していく」とあらためて表明。「一緒に歩んでいこう。大きなうねりを作っていこう」と呼びかけました。