枝野幸男代表は23日、日本外国特派員協会で「野党第一党としてどのような政策を掲げるのか」と題する講演を行い、記者団の質問に答えました。
枝野代表は新党結党について、「今回、衆参で150名、特に衆院では政権交代の最低条件である100名を超える議員を迎えることができた。7年8カ月続いた安倍政権が代わるタイミングで、野党がまとまったのは時代の要請ではないかと思う」と述べました。
また、「菅総理と私は、東日本大震災と新型コロナウイルスというわが国の危機下で内閣官房長官を務めた経験と世襲政治家ではないという共通点がある。性格は違うと思うが、似たキャリアを持つトップ同士で政権を競っていきたい」と意気込みを語りました。
旧民主党と立憲民主党の違いは明確であり、これまで乗り越えられなかったさまざまな経緯や困難を今回の結党で乗り越えられたと述べ、綱領という形で明確に示せたと強調。綱領に記載されている私たちの目指すものから「人を大切にした幸福を実感できる経済」「危機に強く信頼できる政府」「世界の平和と繁栄への貢献」などについて説明しました。
歴代の中曽根、小泉、安倍政権が掲げてきた、「競争を重視し、国民に自己責任を迫る、小さな政府を目指す」新自由主義的な自民党に対して、野党第一党として、「支え合う社会」(国民同士の相互協力によって、さまざまなリスクや障害を乗り越えるために政府が積極的な仕事をする)という立ち位置を明確にしたと表明しました。「こうした明確な立ち位置の下で(1)コロナによって大変深刻な状況となっている国民生活を立て直す(2)この30年間で拡大した社会の格差と分断を是正する(3)日本だけが先進国の中で低成長が続いてきた、根本原因である消費の低迷を乗り越える──ことに取り組み、政権のもう一つの選択肢になっていきたい」と訴えました。
外交安全保障に関する党の姿勢について、現実的な安全保障政策を掲げ、健全な日米同盟を軸に、従来の自民党政権と変わらないと述べました。その上で、米軍基地や日米地位協定などの課題に取り組んでいく考えを示しました。安倍政権は米国に忖度(そんたく)してきたが、わが国としての立場をしっかりと伝えて議論をする、日米同盟を長期的に実効性あるものとしていく上で必要だという立場で外交に臨んでいきたいと述べました。
最後に今後の大きなテーマとして、自然エネルギー立国を目指し、日本にはあらゆる自然エネルギーに適した地域と関連する技術の蓄積が十分にあると述べ、世界に貢献できる日本を目指していきたいと主張しました。
海外メディアの記者から、他党との連携、消費税、日中関係、政権交代、解散総選挙の時期と準備、原発、辺野古移設、金融政策と現行金融政策等の出口戦略などについて、質疑に応じました。