立国社新型コロナウイルス合同対策本部総会が27日国会内で開かれ、新型コロナウイルス感染症対策分科会(第12回)について政府からヒアリング、コロナ禍における子ども・生活困窮者の現状と課題についてNPO法人キッズドアの渡辺由美子理事長、NPO法人自立生活サポートセンターもやいの大西連理事長からヒアリングしました。

 冒頭、本部長の逢坂誠二衆院議員は、7月以降になり自殺者が増えていることに触れました。また厚生労働省の指定機関である「いのち支える自殺対策推進センター」が自殺の要因を分析しており、「緊急小口資金、総合支援資金、住宅確保給付金、この制度があったことで若干自殺を抑制したのではないか相関関係が見て取れる」と述べました。これらの支援に延長期間が設けられていることについて「年末から年始にかけて期限到来するので、延長がないとどういう事態になるのか、そういうことも頭に置かないといけない」と危機感を示しました。

 政府からは、(1)最近の感染状況(2)各地域におけるクラスター対策ヒアリングの結果(3)年末年始等のあり方(4)新技術導入・普及の取り組み――についてヒアリングしました。出席議員からは、トイレでの感染は具体的にどのように感染したのか、ヨーロッパで緊急事態宣言が出ている国がある理由、年末年始の休暇要請の程度――等について質問があがりました。

 困窮する子育て世帯の支援をおこなうキッズドアの渡辺理事長は、新型コロナウイルスによる被害状況について「自然災害と違って被害がわかりづらい」と述べました。東日本大震災の時は、津波による目に見える被害があったため支援が多く集まったが、新型コロナウイルスによる被害については「3月2日の休校から半年以上経ったが、いまだに満足にごはんを食べられない、引き落としができない人がいるのに放置されているのは重い状態。(そうした状況が)なかなか見えづらいので支援がいかない」と社会全体で支援ムードが出てこないことに困っていると訴えました。困窮する子育て世帯でコロナ禍で仕事がなくなり、教育にお金をまわす余裕がないため日本全体の学力が低下することを危惧し、「本当に大変なところに配らないと大変だ」と強調しました。

 生活困窮者の相談を受けているもやいの大西理事長は、今年の4月以降相談件数が2~2.5倍に増えていて、リーマンショック時に比べても「ピークがわからない。ずっと相談が多い状況が続いている」と先の見えない状況になっていることを説明しました。また、生活保護は、家族に連絡がいくことを嫌がる人がいて申請が増えていないため、「家賃補助と最低年金があれば生活保護はなくなる可能性がある」と提案しました。

 出席議員からは、「衣食住の中で住の負担が多い。空き家が増えているので有効活用し、補助ではなく現物支給等で100%支援するなど、出す側も受ける側も楽な政策を考えるべきだ」など意見が出ました。