枝野幸男代表は31日、北海道釧路市を訪れ、篠田奈保子北海道7区総支部長と共に街頭演説を行い、その後、新型コロナウイルス感染症の影響等について釧路市など釧路管内の市町村長らと意見交換を行いました。

 街頭演説で篠田総支部長は、「北海道斜里郡清里町出身で地元の高校を出て、北海道大学に進み弁護士になり弁護士として20年間、さまざまな方の暮らしの相談に応じてきた」と自らを紹介。「会社がセーフティーネットとして機能しない、家庭も安定できる場所ではない、地域のセーフティーネットとしての機能の弱さも明らかになってきている」と弁護士として大きな社会の変化を感じていると語りました。
 さらに、「3人の子どもを産み働こうと思ったときに保育園に入れなかった」と自らの体験を語り、「女性は働き、子どもも複数持ち、輝いてくださいと言いながら、保育園に入れない。もし地方や国で女性の議員が多かったら、こんな世の中にはなっていなかっただろうと思う」と訴え、政治の道を志した経緯を語りました。

 枝野代表は、先日の代表質問で菅総理と対峙した時のことを「聞かれたことに、ほとんど正面から答えていただけませんでしたが、この国のこれからの未来、どんな道を進んで行くのかという大きな考え方の違いは国会で明らかにできた」と振り返りました。
 そして、「自分の身近なところで、みんながお互いに笑顔で暮らしていけるようにしよう。そのためには、下支えをちゃんと政治がしていく。老後、子育て、教育、1次産業、しっかりと支える政治へと方針転換をしていく、大きな分かれ道に、この国は来ている」と訴え、「これまでの強いものだけを見てきた政治を、あなたのための政治へと変えていく。立憲民主党は全力を上げてそのために戦います」と誓いました。

 市町村長らと意見交換では、釧路管内の釧路市長、釧路町、厚岸町、浜中町、標茶町、弟子屈町、鶴石村、白糠町の各副町長・副村長から新型コロナウイルス感染症の影響等について話を聞きました。

 蝦名大也・釧路市長は、地域・市の存続・維持を第一に考えて対応してきたと語り、行ってきたさまざまな施策について紹介しました。そしていずれの市町村からも、診療控えの影響から病院や診療所の経営を不安視する声が上がりました。
 農業や酪農、漁業への影響については、一時的に落ち込みはあったものの、深刻な状況は回避できているとの話がある一方、日々仕事を行う必要がある産業なので、感染しないよう徹底した予防対策をしているとの報告がありました。
 また、観光客の落ち込みによる鉄道運営への不安、湿原や特に流氷、鶴の飛来などこれからシーズンを迎える冬季観光について、インバウンド需要を見込めないなか、国内需要の喚起をどう行っていくのかがか課題だとの声がありました。

 意見交換後、記者団の取材に応じた枝野代表は、「非常に厳しい状況の中、いろいろと努力をし、頑張っていただいてると強く感じた」「特に医療と公共交通を支えるために、自治体には頑張っていただいていますが、これは国がしっかりと支えていかないと、自治体だけでは支えきれないだろうと強く感じた」「中長期の見通しを、われわれも持ち、政府に示させていく」と語りました。