参院予算委員会は5日、(総括的)質疑をおこない、立憲民主党会派の2番手として白眞勲政務調査会長副会長が質疑しました。

■核兵器禁止条約について

 核兵器の全廃に向け、核兵器の開発や実験、生産、保有、使用などを包括的に法的禁止する「核兵器禁止条約」は、批准した国・地域が発効に必要な50に達し来年1月20日に発効する見込みとなったことについて、菅総理に日本の立場をただしました。

 菅総理は、同条約に署名する考えはなく、オブザーバー参加についても慎重に見極める必要があるとの見解を示す一方、「立場の異なる国々の橋渡しに努め、核軍縮の進展に向けた国際的な議論に積極的に貢献をしていきたい」と説明しました。

 白議員は、「この条約の発効で世界の雰囲気が変わり始めた。締約国会議の開催地として広島・長崎で開催したらどうか。世界中の多くの関係者が訪れて、被爆地訪問ができる。それが本来の日本の『橋渡し』の役割ではないか」と提案。

 茂木外務大臣は、「締約国でないところが開くことが適切なのか。まずは日本の対応を決めて、どういうアプローチにしていくかを考えることが先」と答弁し、改めて同条約参加も含め消極的な姿勢をみせました。

 菅総理は、「締約国ではない中では、やはり『不適切』だと思う。現実的に核軍縮を推進していくことが、わが国にとっては大事だ」と答弁しました。

 これを受け白議員は、「『不適切』だという言葉自体が不適切だ」と指摘しました。

■東京オリンピック・パラリンピックの要人招待・来日について

 白議員は、東京オリパラでアメリカ大統領が来日した場合には首脳会談を行うかを確認、菅総理は「そのとおりであります」と答弁。一方で習近平国家主席については、開催都市の東京都などが招待を決めるので「政府として招待をする権限はもっていない」と消極的な姿勢をみせました。来日した場合には会談に前向きな姿勢も示しました。また蔡英文総統、金正恩委員長についても同様の質問を行い、金正恩委員長の来日時の会談については「仮定の質問への答えは控えるが、いい機会だなと思う」と答えました。

 白議員はこの他、拉致問題に関連してストックホルム合意について外務大臣の外交演説や総理演説でも触れていないことを問題視しました。また、国会で北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会が2019年5月以降開かれていないことも指摘。大臣の日程が取れないという理由だとされていることから、最優先で日程調整をするよう求めました。

 また日韓関係については、いわゆる徴用工問題について政府の見解をただし、新型コロナウイルスのワクチン・治療薬については、「究極の安全保障だと」と指摘し、日本企業への開発援助を厚くするよう求めました。さらにイージスアショアと敵基地攻撃について質問。日本銀行の黒田東彦総裁にはETF(上場投資信託)買い入れについて質問。大規模な金融緩和の一環として実施しており必要な施策とし、現段階で見直しや処分は考えていないと答弁しました。