立憲民主党は13日、ジェンダー平等推進本部ひとり親など支援ワーキングチーム(WT、座長:森本真治参院議員、事務局長:打越さく良参院議員)の第2回会議を開催。ひとり親当事者の自治体議員で構成される「ひとり親家庭支援のための地方議員ネットワーク」より「新型コロナウイルス影響に係るひとり親家庭への支援充実を求める要望書」についてヒアリングをしました(写真上は、要望書を手交し記念撮影する参加議員)。

 同ネットワークは、新型コロナウイルスの感染拡大により、生活困窮や育児不安へストレスが増加するなど、家庭環境がいっそう深刻に、困難に陥っている、ひとり親家庭の実態把握と支援に取り組むため、今年4月30日に発足。新型コロナウイルスへの緊急対応として、インターネットによるアンケートを実施するとともに、オンライン座談会によるヒアリングを実施しました。

 今回の要望書は、その調査結果をもとにとりまとめたもので、(1)継続した現金給付(2)国主導の養育費の確保支援の実施(3)学習支援の強化(4)高校生を持つ家庭の負担軽減(5)安定的な預け先(6)住宅支援の改善(7)子ども食堂等への支援(8)母子父子世帯相談体制の強化(9)自立支援の改善(10)児童扶養手当制度の改善――の10項目について、ひとり親家庭の抱えている生活不安に対する迅速かつ継続的な支援を求めています。

 会議ではまず、同ネットワークの発起人の田畑直子千葉市議が要望書の詳しい内容について説明。「立憲の議員だけでなく、地域団体からも、このWTに期待する声がある。英知を結集して、コロナ禍でのひとり親の現状を把握した上で政策に反映してほしい」と述べました。

 同じく発起人のゆざまさこ昭島市議(東京都)は、今回のコロナ禍で、ひとり親は自分に何かがあった場合に子どもを預ける場所がないことが明らかになったと指摘。「生活困窮のなかで、貧困に陥っている家庭と、支援したい方のマッチングができていない。個人情報の扱いが最大のネックになっている。里親制度は都道府県を介しての支援だが、直接困っている方に自治体に支援を差し伸べられるのがいいのではないか。国と自治体が連携して支援をしていっていただきたい」と求めました。

 川瀬さなえ豊島区議(東京都)は、「ずっと児童扶養手当の満額支給を受けていた非課税対象者だったが、昨年の収入で区民税も課税対象となり、今年8月の現況届の提出後、児童扶養手当も次回来年1月からこれまでの半分以上減額の一部支給に決まった。これまで児童扶養手当が減額した分は、頑張って働き収入を増やそうと考えていたが、頑張りたくても仕事は減り、収入を増やすどころか昨年度よりも収入は減る。今後は児童扶養手当も減り、今まで免除されていた税金の支払いが増えるなど負のスパイラル」という、ひとり親の友人からのメールを紹介。自身も区の行政に働きかけているが、財源がないということで現実的なサポートはないと話し、「一時的な給付だけでなく、継続した支援を」と訴えました。

 その後の質疑応答では、出席議員から政府に対し、住宅支援について「日本は、先進国のなかで住宅がベーシックサービスとして1番充実していないと聞く。空き家の有効活用などにより、ひとり親家庭には無償で住宅提供ができないのか」「厳しいなか、住宅のお金さえあれば、という声は多い。災害時における公営住宅への一時入居のような仕組みなど、『なんとかしようと』いう動きはないのか」といった声が上がったほか、食料支援のあり方、養育費の不払い問題、第3波の到来が懸念されるなか子どもたちの居場所づくり、学校や児童館の運営方針などについて質問がありました。

 同WTでは、こうした要望を踏まえ、今後の国会審議や政策・提言につなげていきます。16日には、共産、国民、社民各党と共同で議員立法「低所得であるひとり親世帯に対する緊急の支援に関する法律案」を衆院に提出する予定です。