立憲民主党福岡県連は15日、福山哲郎幹事長を迎え、博多駅前で街頭演説会を開催し、4人の衆院選挙区総支部長をはじめ地元選出議員が演説をおこないました(写真上、右から坪田すすむ1区総支部長、森本慎太郎4区総支部長、若子直也5区総支部長、青木剛志7区総支部長、福山哲郎幹事長、山内康一県連代表、藤田一枝県連顧問、古賀之士参院議員、野田国義参院議員)。

福山哲郎幹事長

 福山幹事長は、新型コロナ感染症者が増えている中、多くの国民が不安に思い、悩んでいる中、「政治の決断が必要だとわれわれは思っている。コロナ禍で安倍内閣は国民を不安と混乱に陥れてきた。突然の学校休校、突然の自粛要請で一気に経済が冷え込んだ。要らなかったアベノマスクを配り、PCR検査は増えず、せっかくの給付金は中抜きされていたことが明らかになった。われわれは国民の命と生活を守ることにおいては与野党関係ないと言って、学生支援、家賃支援、雇用調整助成金の上限額の引き上げ、小口貸付の増加など沢山のことを要望し、実現させてきた。自粛要請に休業補償が出ないのであれば国民の生活は守られないと訴えた」と振り返りました。現在も商売が元に戻らず、雇用調整助成金で持ち堪えているものの、潜在的な失業が多く厳しい状況だとし、「このような状況で政治が何をしなければいけないのか。安倍政権の負の遺産から脱却して、何かしてくれるのではないかと菅政権に少しは期待した。しかし、まず先にやったことは日本学術会議の6人の任命拒否だった。コロナ禍で、多くの国民が不安に思う中で、6人の任命を拒否することが政府として最初にやるべきことなのか。優先順位が間違っている」と批判しました。
 喫緊の課題として「小口貸付はほぼ12月に期限が切れる。雇用調整助成金特例給付の期限も12月で切れる。受託確保支援金も年末から年始にかけて期限が切れる。年末年始に生活できなくなると不安に思っている皆さんに、これらの制度の期限を延長するというメッセージを出すということが政治の役割だと思っている」と述べました。その上で、「国会で政府に要求しているが、回答が返ってきていない。挙句の果てには西村経済再生担当大臣がGoToトラベルを使うかどうか、国民の判断だと言った。私は無責任極まりないと思う」と政府に対応を改めるよう求めました。
 新たに結党した立憲民主党が大きな固まりとなったことを報告し、「政策を提示し、国会で戦うことで有権者の皆さんに新しい社会を提示していきたい。一人ひとりの課題に向き合う、政党でありたい。あなたが動けば政治は変わる。あなたのための政治をわれわれはしたい」と新しい立憲民主党への支持を訴えました。

 青木剛志7区総支部長は今年1月まで24年間八女市役所に勤務していたと自己紹介。「地方と国との関係について、財源のバランスを含めて変えていかなければ地方はますます厳しくなると実感し、国政に挑戦している。労働者の問題についても、いつの間にか非正規が4割となってしまった。非正規を正規労働者に変えるだけではなく、正規労働者も厳しい状況、長時間労働をしっかり変えていきたい」と訴えました

 若子直也5区総支部長は、現在41才で日本とカナダで薬剤師として働いてきたと自己紹介。カナダはもともとリベラルな政治風土があり、2015年に自由党が政権をとって以来、その動きが加速しているとし、「安心、人権、多様性といった概念が単なるスローガンではなく、実際に政策や制度として生活している皆さんに届いていると実感できる。これから日本で実現しいた社会のあり方にとって大変参考になる。たとえば社会の隅々まで行き届いたバリアフリーの徹底。選択的夫婦別姓や高校の授業料免除、国民皆保険制度のもと必要な手術、検査の無償化を実現している」と説明し、自身の経験を安心できる社会、医療制度の実現に役立てたいと語りました。

 森本慎太郎4区総支部長は、命を守る政治、人々の尊厳を守る政治を政治信条としていると自己紹介。「今日の日本で男女平等が実現されているか、男女の格差が撲滅されているか」と問いかけ、世界フォーラムのジェンダーギャップ指数で日本は121位と低く、6歳育未満のいる家庭の育児・家事時間の調査でも女性がほとんどを担っているという結果だったこと、男性の育休の取得率が7.4%にすぎないことを説明しました。女性の首相が活躍している諸外国を取り上げ、遅れをとっている日本でも男女平等社会を実現させたい決意を述べました。

 坪田晋1区総支部長は、社会保険労務士としてコロナ禍に苦しむ経営者の相談にのり、助成金の申請を手伝ってきたことを踏まえ、「コロナ禍は家計や経済を直撃し、ここ博多の中小企業の経営者も苦境に立たされている。経営者の方から、もう持たない、年を越せないのではないかと悲鳴が沢山寄せられる。次の支援策が打たれなければ倒産件数が増える可能性が十分ある」と危機感を示しました。「政府の施策の成否によって国民の生活に直撃するということを目の当たりにしている。倒産が増えて一番苦しい思いをするのは、アルバイト・パートの方、障がいをもった方など、弱い立場の方。非正規雇用の方が職を失い、住居も失ってしまう。生活費、学費にアルバイト代を充てていた大学生が退学を余儀なくされる事態が出ている」とし、政府に地域の目線、市民の目線に合った対応を求めていきたいと訴えました。

 福岡県連代表の山内康一衆院議員は、「菅政権が掲げる自助努力、自己責任を強調する政治、新自由的なイデオロギーに対して、立憲民主党は支え合う社会をつくっていく、弱者を生まない、格差の少ない社会をめざしていく。そういった対立軸をもって政治の流れを変えたい」と表明しました。「コロナ危機で明らかになったのは、危機に弱い政府になってしまっていること。小さな政府、官から民への掛け声のもとこの20年ほど公務員の数を減らし、政府の機能を弱体化させることが続けられてきた。感染症対策の最前線、保健所はこの20年間で4割削減され、職員も減らされた。そのためコロナ禍では人手不足でとても対応しきれなかった」とし、新自由主義の流れを止めるために、立憲民主党への支持を訴えました。

 野田国義参院議員は、「この博多駅前でも人出が多くなり、経済活動が戻りつつあるということは望ましいことかもしれない。しかし、感染者数が昨日は全国で1737人となり厳しい状況になっている。ヨーロッパでは大変なことになっているが、これから寒くなる中、日本ではどうなっていくのか非常に心配だ。政府の対応は十分か。今開かれている臨時国会、さらには来年の通常国会でしっかり取り組んでいなかければならない」と訴えました。定額給付金と同様にGoToキャンペーンの執行も1つの所に丸投げしている状況だとし、「利権の匂いがする。与党に近い人だけが金儲けをするようなことがあってはならない。われわれはそうしたところをきちんとチェックして行きたい」と訴えました。

 古賀之士参院議員は野球場に観客が戻ってきたこと、米国大統領選挙で過去最大の投票数となったことを取り上げ、「主役はアスリートかもしれないが、お客さんあってのスポーツ、文化芸術だと思う。そういう意味でも多くの皆さんに日本でもぜひ選挙に行っていただきたい。スポーツが無観客であっては熱を帯びないように、政治の世界でも、もう1つの主役である国民の皆さんたちがしっかりと選挙に行って、100%同じ考えではないかもしれないけれども、できるだけ考えの近い候補者、あるいは親近感を持つ候補者に、より未来に託したいという候補者に投票をぜひお願いしたい」と呼びかけました。

左から古賀之士参院議員、藤田一枝県連顧問、野田国義参院議員、山内康一県連代表、福山哲郎幹事長