参院予算委員会で25日、内政・外交の諸問題に関する集中審議が行われ立憲民主党の福山哲郎幹事長が登壇、(1)「桜を見る会」前夜祭を巡る違法疑惑(2)新型コロナウイルス感染症対策(3)日本学術会議の会員任命拒否問題等――について菅総理らにただしました。

「桜を見る会」前夜祭を巡る違法疑惑

 「桜を見る会」前夜祭の費用に関して、安倍前総理が自らの事務所が一部補てんしていた事実を認めたことを受けて福山幹事長は、安倍前総理や菅官房長官(当時)のこれまでの国会答弁が虚偽だったと指摘。行政府が国会に対して虚偽をしてきた重大な責任について菅総理の認識をただしました。ところが、総理が捜査中を理由にして答弁を避け続けたことから、「捜査に逃げてはいけない」とたしなめました。

 前夜祭が安倍事務所の資金管理団体「晋和会」の行事だったことから、「政治資金規正法に基づく収支報告書に記載しなければいけないのではないか」と一般論として答弁するよう求めたところ、菅総理は、「その通り」と答えました。続いて、「補てんがあったとなれば、有権者買収に当たり、(公職選挙法上の)「寄付の禁止」の違反に当たるのではないか」と追及しました。総理は「仮定の話に答える立場にない」と答弁を拒否しました。

 収支報告書に記載がないことから補てんの原資が明らかになっていないことも問題視した福山幹事長は、「やましいから入りと出を隠したんだろう」と疑問を呈しました。その上で予算委員長に対して、「桜を見る会」前夜祭に関する集中審議を開き、そこに安倍前総理、ホテル関係者、参加者にも参考人として出席してもらい真相究明するよう求めました。

新型コロナウイルス感染症対策

 また、新型コロナウイルスの新規感染者数が現在、4月に緊急事態宣言を発令した当時より、4倍も増えていること、特に菅政権発足以降に急増している事実を示し、「なぜ具体的な対策を打たなかったのか」と追及しました。これに対して、西村担当大臣から「検査を増やし、クラスター対策を強化した」等との答弁がありました。福山幹事長は「対策を強化して何でこんなに増えるのか」と政府の対策に疑問を呈しました。

 感染防止策に関連して福山幹事長は、ある店舗での事例を示し、GoToトラベルの現状に懸念を示しました。体温測定で平熱を示した観光客を入店させたところ、2日後に具合が悪くなり、検査を受けたら陽性と判明。その後同店舗でも8人の従業員が陽性になったという。この事例にあるように無症状者が自らの感染を知らずにGoToトラベルに参加、移動することで感染を拡大させてしまうリスクを指摘し、こうした事態を想定しておくことが政治の役割だと訴えました。

 コロナ禍で緊急小口資金等貸付が約130万件(昨年4万件)、住居確保給付金が10万人超(昨年400件/月)をはじめ、DV相談件数、児童虐待件数、自殺者数などが軒並み上昇という深刻な事実を示し、「社会が壊れだしている」と懸念を伝えました。こうした事態の悪化を防ぐために子育て世代への臨時特別交付金、低所得世帯のひとり親世帯への臨時特別給付金の再給付、雇用調整助成金特別措置の期限延長並びに大企業への適用など、「年末に向けて社会が壊れないようなんとか(7兆円の)予備費でやれるものをやってもらいたい」と強く要請しました。