安住淳国会対策委員長は29日、千葉県旭市で開催された谷田川はじめ国政報告会に出席しました。

 安住国対委員長はあいさつで、野党の役割について「日本では、野党なんて野党は悪口ばっかりで役に立たない、不祥事ばっかり攻撃してと言われる。でも敢えて申し上げれば、私どもが食らいついて、犬のように嚙みついたから安倍前総理の嘘がいま、分かったではないか。不正があったらとことん追及する力、強い野党が必要だ」と訴えました。
 米国大統領選でトランプ大統領を破って民主党のバイデン氏が当選確実となったことを取り上げ、「アメリカの有権者がトランプ大統領(の政治が)悪いと思うから民主党が勝つ。日本では自民党が悪いのになぜ野党が勝てないのか。それはやはり、民主主義のテコの原理を国民も我々も理解できなかったからではないか。だって、減反されたって自民党だった。二百海里になって漁業者が困っても自民党だった。リクルート事件が起きても社会党に行かなかった。ロッキード事件があっても自民党、「桜を見る会」疑惑があったって自民党。森友・加計問題があったって安倍さん。自民党がピノキオになるに決まっているではないか」と疑問を呈しました。
 その上で、「アメリカはそうではない。2年前、上院・下院議会選挙があり、当時トランプ大統領の支持率は高かったけれども民主党が勝って議会では捻じれが起きた。その時のアメリカ人の意識は、このままトランプ大統領に独走されたら世界やアメリカはおかしくなる。(トランプ大統領の発信に)飲まれていった人たちと、これでは我々が今まで戦後つくってきたコンセンサスを壊してしまうという危機感を持った人たちが、かなりせめぎ合った結果、アメリカでは民主党が勝った」と分析しました。そして「アメリカ人は、よりましな方を選ぶのが民主主義だと言う。行ったり、来たりするバネが働いて、その(リーダーの)下で働く職員の人たち、公務員の人たちが緊張感を持つ。日本では、いつまでたっても自民党しか勝たなかったら、緊張感がなくなる。だから役人もだらけていい加減なことをやって、自民党の利益誘導に手を貸すということになっている。それが日本の政治が悪い根源だ。自民党を共和党になぞらえれば、これ以上長くやらせたら我々のためにならないから、こっちを選ぶ。これが政党政治ではないか。そして、それこそが国民が真に政党や政治家を使いこなす時代が来たというふうに言えるのではないか」と述べました。
 イギリスで第2次世界大戦を戦い抜いたチャーチルが、戦争が終わった年に総選挙を仕掛け、圧勝すると思われていたところ労働党に敗れた理由について、イギリス人が「野蛮で剛腕なチャーチルは第2次世界大戦を戦い抜くには必要なリーダー。しかし、戦争が終わった今、瓦礫の街を復興させて皆に仕事を持ってもらって、新しい民主主義のルールを作るときに彼は要らない。だから労働党が政権を担うのだ」と言ったことを紹介し、「日本もかくあるべしと思って、私はずっとやってきた」と語りました。

 新型コロナウイル感染症対策について「感染者が増えている時に、感染者の増えているところにGoToトラベルをそのままやるなら人がどんどん旅行に行くのを菅総理は補助金出して応援している。感染を増やす方にアクセルを踏んでいたら感染は減らないではないか。おかしい。ホテルや旅行会社が大変なのは分かるが、直接支援すればよい。だから今は、少し旅行に行くのを抑えて、感染を抑制しなくてはいけないのに、意地になっている。国が中心となってメリハリをつける政策をやらず、右往左往しているから結局、国会でもGoTo政局のようになっている。(ウイルスは人を介して拡散するので)人の移動が増えればウイルスの感染が拡大するのは自明の理だ。しかし、それを軽く見ていたのは政府。だからこうなった」と批判し、メリハリの利いた政策への転換を求めました。
 臨時国会の会期末が近いことに触れ、「来年度予算編成があるのは仕方ないにしても、国会が閉じた後も閉会中審査をきちっとやって、委員会を常時開催しながら(コロナ対策について)追及していきたい」と述べました。
 安倍前総理の「桜を見る会」疑惑について「1年間嘘つきっぱなしで、はい終わりだったら議会なんかいらなくなってしまう。それも自民党と公明党の数の力によって驕った態度をずっととってきたからこんなことになる。その驕った態度はどこから来ているかといったら、残念ながら国民の1票、1票。どんな悪いことをしても、嘘をついても、『私を勝たしたのは国民だから』と居直られてしまう。権力を監視するというのは野党だけにできる仕事ではない。国民の皆さんと我々がきちっとチェックをしながらやって初めてできることなので、これは一緒に戦わないといけない。次の選挙は立憲民主党にとっても2大政党になれるかどうかの瀬戸際の選挙になる」と述べ、いっそうの支援を呼びかけました。