立憲民主党ジェンダー平等推進本部は25日、 同日閣議決定された第5次男女共同参画基本計画について、内閣府男女共同参画推進局と関係省庁からヒアリングをおこないました(写真上は、話をする大河原本部長)。

 内閣府男女共同参画推進局は第5次男女共同参画基本計画の策定にあたり、5年前の第4次男女共同参画基本計画で設定した目標を分析し、8月以降5600件を超えるパブリックコメントや橋本内閣府特命担当大臣(男女共同参画)が若者団体などから要望を受けたと策定までの経緯を説明しました。

 第5次男女共同参画基本計画の「社会情勢の現状、予想される環境変化及び課題」には、(1)新型コロナウイルス感染症拡大による女性への影響(2)人口減少社会の本格化と未婚・単独世帯の増加(3)人生100年時代の到来(女性の51.1%が90歳まで生存)(4)法律・制度の準備(働き方改革等)(5)デジタル社会への対応(Society 5.0)(6)国内外で高まる女性に対する暴力根絶の社会運動(7)頻発する大規模災害(女性の視点からの防災)(8)ジェンダー平等に向けた世界的な潮流――が挙げられました。

 社会のあらゆる分野において、2020年までに指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%程度となるよう2003年に目標を設定し、この目標に向けて、女性就業者数や上場企業女性役員数の増加等、道筋をつけてきたが、国際社会に目を向けると諸外国の推進スピードは速く、日本は遅れているという現状認識を説明。(ジェンダーギャップ指数2020で日本は153カ国中121位)

 新しい目標は、2030年代には誰もが性別を意識することなく活躍でき、指導的地位にある人々の性別に隔たりがないような社会となることを目指す、そのための通過点として、2020年代の可能な限り早期に指導的地位に占める女性の割合が30%程度となるよう目指して取り組みを進めることとしています。

 進捗が遅れている要因として、政治分野(有権者の約52%は女性)では(1)立候補や議員活動と家庭生活との両立が困難(2)人材育成の機会の不足(3)候補者や政治家に対するハラスメント、経済分野では管理職・役員へのパイプラインの構築が途上、社会全体では固定的な性別役割分担意識――が挙げられました。

 大河原雅子ジェンダー平等推進本部長は「第5次男女共同参画基本計画のチェックをしっかりやらせていただきたい。どうしても後退の感触がぬぐえない。選択的夫婦別姓のこともあるが、立憲民主党は9月9日にコロナかにおいて第5次男女共同参画基本計画に向けた意見を政府に対して伝えている。この計画が都道府県の計画にどのように影響していくのか、チェックしていきたい」と結びました。

第5次男女共同参画基本計画―すべての女性が輝く令和の社会へ―(令和2年12月25日閣議決定)
https://www.gender.go.jp/about_danjo/basic_plans/5th/index.html

司会進行を務めた打越さく良議員