参院議院運営委員会で25日、安倍前総理から総理在任中の「桜を見る会」前夜祭における費用補てんの発言訂正が行われ、それに対して立憲民主党から福山哲郎幹事長が質問に立ち、総理経験者の前代未聞の所業を厳しく追及しました。

 かつて衆院予算委員会で前総理が「私がここで話をしているのが全日空(ホテル)側とのやり取りの真実でございます。それを信じていただけないなら、そもそも予算委員会が成立しない」と強弁しておきながら、答弁訂正を国会に求めてきたことについて「前代未聞であり、あってはならない」と断じました。さらに「答弁訂正などで済む話ではない。あなたが予算委員会のみならず、国会審議の成立を妨害した張本人ではないか。審議時間を返せ」と迫りました。

 24日夕に安倍前総理が開いた記者会見については、「疑惑がさらに深まったという印象だ」と言及。「7年8カ月も総理大臣だった方が『秘書がやった』『自分は知らなかった』と何度も秘書に責任をなすりつける言動に残念な思いを持ったのは私だけではないと思う。潔さのかけらもない。一年間にわたって118回も国会で嘘をつき続け、国民を騙し続けたことの弁明にしては政治家としての矜持に欠ける」「潔く自らけじめをつけるべきではないか」と前総理に責任を果たすよう要求しました。

 安倍前総理は、「道義的にも政治的にも責任を持って対応しなければならなかったものであろうと考えている」とは答弁したものの、具体的な責任の取り方については一切言及しませんでした。そのほか、費用補てん問題に関する秘書とのやりとり、ホテルからの明細書、5000円会費の設定などを追及しても、質問に関係ないことを長々と答弁したことから「まったく反省の色が見えない」「なぜ議員に居座り続けられるのか」と政治責任を追及しました。

 質疑の終局を迎えて福山幹事長は、「疑惑はさらに深まっている。前総理の不誠実な姿勢もはっきり見えた。来年の通常国会では、今日みたいなごまかしのできない証人喚問の場にぜひ出てきてもらいたい」と要求。今回の事件に関して「司法判断が出たとしてもあなたの政治的、道義的責任は免れない。この国会をないがしろにした行政府の元長としての責任は決して小さくない。極めて大きい」と厳しく指摘し、質問を終えました。