新型コロナウイルス感染拡大に対応する政府・与野党連絡協議会(通算23回目)が5日、国会内で開催され、立憲民主党から泉健太政務調査会長が出席しました。

 会議後に記者団の取材に応じた泉政調会長は、新型インフルエンザ特措法改正をメインテーマにし、政府側から感染症の範囲、臨時の医療施設の位置付け、都道府県知事の要請等の実効性の確保――等の論点の提示があり、それについて各党が意見を述べたと報告しました。

 立憲民主党からは、昨年12月上旬に臨時国会が閉会したため、野党が提出した新型インフルエンザ特措法等改正案の議論ができなかったことに関して「遺憾であると抗議した」と述べました。特に政府が同日の会議で示した論点のかなりの部分が野党提出の改正案に盛り込まれていたことから、閉会せずに野党案をタタキ台にしていれば、昨年中に議論を終えることができたと指摘。そうしなかった政府・与党に対し猛省を求めるとともに、「今国会を前倒しで開会すべき」と議論を加速するよう要求しました。

 次に泉政調会長は、立憲民主・国民・社民・無所属を代表して「新型インフル特措法及び感染症法改正の議論に入るにあたっての前提」を政府・与党側に下記の通り要求したと報告しました。

〇緊急事態宣言に伴う時短営業措置は、影響が大きいことから、対象業種・対象地域などについて根拠を説明すること。
〇より強い強制手段をとるにあたっては、十分な補償が前提である。解除の条件や期間を明確にし、対象を関連業者などにも拡大するとともに、事業規模に応じた補償をすること。
〇無症状感染者による感染拡大が進んでいることから、特に医療機関や介護施設など重症化リスクの高い職場で働く方々の検査を強化すること。

 なお、罰則に関して泉政調会長は、「立憲民主党は基本的に罰則はあるべきではないと考える。少なくとも絶対にありえないのは刑事罰であり、まったく想定してはいけないし、あってはならない」と明言。罰則規定を加えるとしても「過料、いわゆる行政罰の世界であろう」と言及。それよりも「十分な補償さえあれば、何もわざわざルールを破りたいと思っている飲食店はまずおられない」と述べました。

 今後の展開に関して、1月8日に予定されている次回協議会で政府側が野党側の提案に対する回答をしてくることについて「ぜひわれわれが元々出していた特措法をベースにし、もっと言えば『丸のみ』してもらい、この事態の打開を早急に図ってもらいたい」と力を込めました。

新型インフル特措法及び感染症法改正の議論に入るにあたっての前提.pdf

第23回政府与野党連絡協議会資料.pdf