参院内閣委員会で14日、閉会中審査がおこなわれ、立憲民主党の2番手として木戸口英司議員が質疑に立ちました。
まず、COVID-19感染防止対策上で露わになった政治と専門家との問題について質問しました。昨年9月に政府の分科会会長の尾身茂参考人が「専門家の意見を聞いてもらい、その後に大所高所から政府が判断するということがあるべきと思うが、そういう関係がなかった。意見の違い自体は問題ではないと思う。採用するならする、しないならどういう理由でしないのか、きちんと説明するのが政府としてあるべき姿だった」と発言したことを取り上げ、「2度目の緊急事態宣言発出に至った現在も、この課題は持ち越されているのか」とただしました。
尾身参考人は、COVID-19への対応の前半期と比べれば、「政府との連携はかなり密になっている」と述べましたが、それでも「万が一(提言を)採用をしない場合には、しっかりと説明してその代案は何かをやっていただきたい」と政府側に求めました。
COVID-19への対応でもう1つの大きな問題として明らかになった国と都道府県の連携のあり方、それに影響を与えている新型インフルエンザ等対策特別措置法(特措法)についてもただしました。木戸口議員は、国と都の両トップの相互不信が感染症対策の効力、実効力を削いでいることに懸念を示しました。さらに、現行の特措法が知事に主な権限を与え、国を総合調整に限定していることについて、それぞれの「法的権限があいまいであることがさまざまな課題を生んでいる」と指摘し、法改正の必要性を主張しました。
尾身参考人は、「自治体と国の関係を明確にしていただいた方がこういう時期については良い」と法改正に賛意を表明。今後の国会での議論について「支援金だとか、罰則とか、お金のことだけでなくて、そういうことについても議論をしていただければと思う」と述べました。西村担当大臣は法改正について、「現在の与野党の議論を踏まえて、(政府の)法案作成を急ぎ、1日も早く国会提出したい」と答弁しました。
法改正に関連して木戸口議員は、政府側が時短休業拒否なら最大50万円の過料を検討していることに対して「その前に事業者への十分な損失補償が先だ」と強調しました。感染症法改正では、入院拒否に対する刑事罰を議論していることについて、「患者本人の権利の制限と社会全体の利益のバランスにおいて慎重であるべき」と指摘。その上で「検査体制、医療提供体制の拡充が先ではないか」と提案しました。そのほか、要請に応じた事業者への一時金支給の要件緩和や持続化給付金、家賃支援給付金の要件緩和と再度支給の必要性を訴えました。