立憲民主党は22日、消費者庁を訪れ、井上信治内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)にジャパンライフなど消費者被害救済に関する申し入れをおこないました。申し入れには立憲民主党から宮沢由佳消費者部会長、柚木道義消費者副部会長、川内博史政務調査会会長代行、尾辻かな子衆院議員が参加しました。

 今国会では、最終的には約7000人もの被害者、被害総額約2000億円もの消費者被害を生み出したジャパンライフ事案が再び起きないよう、販売預託商法が禁止となる特定商取引法及び預託法の改正法案が政府から提出されます。

 しかし、今回の法改正をもってしても、ジャパンライフによる消費者被害を受けられた方々を直接救済することが難しいため、売買の実態がない場合の消費税の還付など、政府として最大限の対応をすべきであることを改めて強く訴えるとともに、今後の消費者被害救済のため、次の5項目を要望しました。

(1)ジャパンライフと同様の消費者被害が疑われる際に、さらなる消費者被害の発生を食い止めるため、立入検査の徹底、営業停止命令などについて、運用状況の見直しを含めて抜本的に見直すこと

(2)特定適格消費者団体が確実な消費者被害救済を実施できるよう、加害者側企業・団体が保有する潜在的被害者の名簿などを開示するため、関連する仕組みを見直すこと

(3)被害者への連絡や広報に係る事務・費用負担は加害者側企業・団体に負担転換をさせるための制度を検討すること

(4)新たな消費者被害を食い止めるため、倒産手続きを急ぐ背景もあるが、一方で他の債権と同列に扱われ、消費者被害に係る損害賠償請求権が優先されない課題について、政府として検討を行うこと

(5)関連する法制度の抜本的な見直しや、被害者救済のための新たな仕組みの創設について検討を行うこと

 申し入れでは、宮沢部会長からジャパンライフの被害者救済のため、政府としての最大限の対応を求め、柚木副部会長からはジャパンライフ事案について消費者庁内で立入検査から業務停止命令までに時間がかかってしまったことに触れ、国民への説明が必要であることを訴えました。それに対し、井上大臣から「ジャパンライフのような悪徳商法は撲滅しなければいけない」との発言がありました。

 申し入れ後、記者団の取材に対し、宮沢部会長は与野党を超えて対策を考えていかねばならないと語りました。柚木副部会長は「桜を見る会」に関する国会追及で明らかになったように、ジャパンライフの被害者の方々が、安倍前総理や加藤官房長官とジャパンライフ会長だった山口氏が並んだ写真から信用してしまっていたことに触れ、現職の閣僚が広告塔的な役割を果たしていたことから、被害者の方々から損害賠償請求をされてもおかしくないことを指摘しました。

 川内議員からは、立入検査に関しては、国民にしっかり事実をお知らせするべき、行政の内部で調査を行い、その経緯を国会に報告するべきであるとの発言がありました。また、ジャパンライフのようなポンジスキームは組織的な詐欺であることから、救済の手段が必要であることを強調しました。

 尾辻議員からは、豊田商事と同程度の被害金額であるが、被害者の人数が少なく、一人当たりの被害金額が大きいことに触れ、被害者の方々にはお金が戻ってきていなくて泣き寝入りをされていること、だまされる方が不注意なのではなく、だます方が悪いことを強く主張しました。

 立憲民主党は、被害者の皆さんに寄り添い、ジャパンライフ事案で明らかにすべき点を追及し、今回の提案の項目の具体化による消費者被害救済を求めてまいります。

ジャパンライフ_被害救済_要請書_最終版.pdf