衆院本会議で26日夜、第3次補正予算の審議があり、衆院会派「立憲民主党・無所属」を代表して吉川元議員が反対討論をおこないました。
吉川議員は政府の新型感染症対策について「昨年9月の菅内閣の発足以降、いやその前の安倍内閣を含め、政府の対応は、その場しのぎの場当たり的なものに終始した」と振り返り、昨年11月25日、政府は「勝負の3週間」を宣言した時点でGoToキャンペーンを停止するとともに、生活・事業支援を策定し、すでにひっ迫し始めていた医療体制の充実を図るべきだったと指摘しました。野党が12月の半ばには、緊急事態宣言を発令すべき時期だと提案したのに聞き入れず、年が明けてからの1月7日にやっと発令し、それから1週間もたたない13日には7府県を追加せざるを得なくなった一連の対応は、後手後手、無計画であり、無責任であると断じました。
第3次補正予算の問題点として、(1)新型コロナウイルス感染症対策予備費の残額が6兆8924億円もあったのに、昨年のうちに4862億円しか執行を決定せず、1月後半まで成立が期待できない第3次補正予算へと先送りした政府の不作為(2)補正予算の閣議決定前日にGoTo一旦停止を発表しながら、補正予算にGoTo予算を1兆円余り積む錯誤(3)感染拡大防止あってこその経済なのに感染防止の「守り」を固める前に経済を回す「攻め」に転じて、順序を踏んでいないこと(4)中長期的な政策課題、たとえば大学ファンドやカーボンニュートラル基金、国土強靭化費用など補正予算でなく本予算に入れるべき内容が盛り込まれていること(5)医療従事者等への慰労金、感染リスクの高い職場で働く方の検査体制の拡充、医療・介護・障がい福祉・保育、教職員などのエッセンシャルワーカーで希望する方が定期検査を公費で受けられるようにすることなど、命を守るための施策が欠落していること(6)持続化給付金の再支給など事業者に対する支援が足りないこと――をあげました。
こうした点を踏まえ、立憲民主党が共産党と共同でGoTo事業等を取りやめ、コロナ集中予算を大幅に増やす組替動議を提出したことを報告しました。しかし、その動議も「与党の無理解によって、否決をされてしまった。極めて残念」と述べました。
最後に、「昨年12月に作成されたこの第3次補正予算案は、そもそも現在の緊急事態宣言下における危機的な国民生活や事業、医療体制が想定されたものとはなっておらず、GoToなど完全にタイミングを誤った予算であり、総理の言う『感染対策に全力を挙げる』ものになっていない」と改めて主張し、討論を終わりました。
与党等の賛成多数により第3次補正予算案は可決されました。