参院予算委員会で28日、第3次補正予算案の締めくくり質疑後、討論が行われ、参院会派「立憲民主・社民」を代表し、熊谷裕人議員が反対の立場を表明しました。
熊谷議員は、第3次補正予算案が閣議決定されたのが昨年の12月15日であり、現在発令中の緊急事態宣言下での対策を想定したものではないと指摘。「そのため、病床確保のための医療機関や医療従事者に対する支援、感染の広がりを防ぎ封じ込めるための検査拡大、持続化給付金や家賃支援給付金の再支給や継続などの支援、雇用調整助成金の特例延長や休業支援金などの労働者の所得補償への措置など、窮状にある国民に対して、一刻も早く救いの手を差し伸べるに十分な補正予算になっているとは到底思えない」と断じました。
特にGoTo事業延長、防災・減災・国土強靭化のための5カ年加速化対策の前倒し分、防衛装備品の支払い前倒しなど、緊要性に乏しい予算が計上されていることを問題視し、「これらは即刻組み替えて、もっとも必要なCOVID-19対策に集中し直すべき」と要求しました。
最後に「今、国民が求めているのはCOVID-19対策集中予算であり、徹底的な感染の封じ込めを行い、with(ウィズ)コロナではなくzero(ゼロ)コロナを目指し、あらゆる資源を集中して取り組むべき」と訴え、第3次補正予算案に反対する立場を表明しました。
その後、採決がおこなわれ、与党等の賛成により政府の補正予算案が可決し、本会議に上程されました。
熊谷議員は参院本会議でも反対討論をおこないました。
補正予算に反対する理由として、(1)新型感染症の拡大防止のための予算が4兆3581億円にとどまり、3次補正予算総額の22.7%しかないこと(2)デジタル改革、グリーン社会の実現、GoTo事業、防災・減災、国土強靭化推進費など緊要性に疑義がある経費が計上されていること(3)新型感染症の感染拡大に影響した可能性があると指摘されているGoToトラベルについて制度を見直さないまま経費を計上していること(4)カーボンニュートラルに向けた2兆円規模の基金や大学ファンド5000億円等、補正予算でなく本予算に計上すべき経費が入っていること――などの問題を指摘しました。そして、「(指摘した予算は)即刻組み替えて、目前の危機的状況から脱却するための新型感染症COVID-19対策経費へ集中し直すべきだ」と主張しました。
熊谷議員はまた、「もう個人での自助は限界」と述べ、27日の予算委員会で石橋通宏議員が「弱い立場の方にも自助を求めるのか」「収入を失って命を落とす人が多数に上がっている。政府の政策は届いているのか」などとただしたのに対し、菅総理が「最終的には生活保護がある」と答弁したことについて、「政治の責任を放棄するのであり、総理が口にしてはならない発言だと思う」と批判しました。その上で、「困窮の状況にある人たちに救いの手を差し伸べるのが政治の責任のはずです」と訴えました。
そして「現下の状況では、Face>
各会派の討論の後、採決がおこなわれ、与党等の賛成多数により第3次補正予算が成立しました。