衆院内閣委員会が1日、新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案(新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部改正、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の一部改正、検疫法の一部改正)の審議をおこないました。立憲民主党は3番手、4番手に山井和則、阿部知子両議員が質疑しました。
 山井議員は、緊急事態宣言の延長が報じられている中、不要不急の外出自粛要請が出ている地域で、昼間営業の飲食店や飲食店以外の店舗でも売上が減少していれば一時支援金の対象となるのかを質問しました。。
 阿部議員は、今回の検疫法改正について、入国直後の検査でCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)に感染していなくても、のちに陽性となる場合があることから、14日間の健康監察期間対象者への対応が、十分に感染拡大を防げるようになっているのか質問しました。

■山井和則議員

 山井議員は、休業手当を受け取れない大企業の非正規労働者やシングルマザーらが、大企業の非正規労働者への休業支援金支給や低所得の子育て世帯への給付金再支給を菅総理に要望した際に、菅総理が「対応を検討していく」と答えたことについて、その後に菅総理や田村厚労大臣から対応するように指示があったのかを厚生労働省に質問。「個別の指示はない」と答える厚生労働省担当者に「総理が検討すると言ったにもかかわらず、指示が来ていないのはあり得ない」と早期の対応を求めました。
 さらに男性に比べて、女性の自殺者が増えていることに触れ、「去年の緊急事態宣言以降90万人以上が飲食店・観光業で大幅にシフトが減って休業中1銭ももらっていない。自殺者の増加に強く関係している」と指摘しました。非正規労働者への休業補償が必要だと強く求めると、西村大臣は大企業でも雇用調整助成金の対象を10分の10にし、1人あたり月額最大33万円まで国が100%支援することを説明し、「日本全体で考えればやはり人手不足の状況がまたやってくることも考えられる。休業手当も払わないような企業には人は集まらないと思いますので、ぜひ大企業の皆さん方におかれても100%国が休業手当を支援しますので是非とも活用して企業で払っていただきたい」と大企業への対応を促す答弁をしました。

 また、商店街を訪れる人が外出自粛要請により激減した場合に、飲食店以外の薬局や整体、花屋等のお店の売上が昨年1月、2月に比べて5割減になったら一時支援金の対象になるかを質問。西村大臣は、「不要不急の外出自粛地域でお願いしているので、影響を受ける中堅・中小企業が要件を満たせば幅広く対象となる、詳細は経済産業省で詰めているので近いうちに公表がある」と答弁しました。

■阿部知子議員

 阿部議員は、昨年12月22日に入国し、健康監察期間中に複数の人と接触をして後にCOVID-19変異株の陽性と判断され感染者が拡大した事例をあげました。そのうえで、「今回の検疫法の改正においては、もともと感染者で症状がある方は当たり前ですが、症状が無くても隔離することも決まりました。ただ、最初陰性で健康観察だけされている方には、果たしてどんな強制力があるのでしょうか」と入国して最初は陰性であるのに後に陽性になるケースへの対応に懸念を示しました。
 厚生労働省は、「英国や南アフリカ共和国での変異株の感染拡大を受け、14日からの自宅または宿泊施設の待機等について誓約を求め、誓約に反した場合には氏名や感染拡大の防止に反する情報の公表がされることになっております」と説明。阿部議員は、「誓約書を取ったから防げるというものではない。しっかりとその期間に健康観察していただかないと、これからオリンピックをやろうかというようなお話も聞きますが検疫はザルになります。このコロナウイルスの特性を考えたら、無症状で感染者もいる、あるいは途中から陽性になる人もいる。私はこの検疫法は不十分どころか不安だ」と万全な水際対策を強く求めました。