衆院予算委員会で15日、新型コロナウイルス感染症対策等に関する集中審議がおこなわれ、立憲民主党の3番手として大河原雅子議員が登壇。(1)東京五輪・パラリンピック大会組織委員会会長の女性蔑視発言問題(2)第5次男女共同参画基本計画の評価(3)選択的夫婦別姓制度導入の可否などについてただしました。
東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長が自らの女性蔑視発言に対する国内外からの批判を受け、引責辞任を表明する一方、後任者を決めようとした問題を取り上げました。「とても日本的といえば日本的だったかもしれない。総理はいったいこの一連の問題の本質をどうとらえているか」と追及しました。これに対して菅総理は「あってはならない」などと答弁しました。
大河原議員は、「あってはならない」との総理答弁を評価しつつも、今回の問題を通じて日本のジェンダー平等の立ち遅れた姿、密室、トップダウンで何でも決めてしまう日本の現状があぶり出され「恥ずかしい」と述べました。今回の問題を契機として「ジェンダーセンシティブではない組織や政府、行政を本当に一掃しなければならない」と力を込めました。
2020年までに「指導的地位」における女性の割合を30%にするとした政府の男女共同参画政策の目標である「202030」は、2003年の小泉政権下で決定されてから17年が経過したが、いまだに達成できていないと指摘。こうした中、昨年12月に閣議決定した第5次男女共同参画基本計画の評価を問いました。橋本担当大臣が答弁に立ち、「目標を達成できなかったことは大変残念」と述べた上で、「これまでつけてきた道筋を、より一層強化して裾野を広げることにより政府一丸となってあらゆる分野における女性の参画拡大、女性に対する暴力の根絶、男女共同参画の取り組みをしっかりと進める」と表明しました。
これに対して大河原議員は、個人の尊厳と両性の本質的平等が憲法24条で規定されているにもかかわらず、第5次男女共同参画基本計画において選択的夫婦別姓制度の導入が自民党議員の要求で「大変後退した」ことに懸念を示し、今後の展望についてただしました。総理は「国民各層の意見や国会における議論を注視して検討していく」と述べるにとどまりました。大河原議員は、多くの方が同じ姓になることに伴うさまざまな不利益、不都合を訴えていると指摘し、「選びたい方たちには選択的に氏を選ぶことができる社会に変えていくべき」と提案しました。