立憲民主党自治体議員ネットワーク(全国自治体議員団 共同代表・遊佐美由紀宮城県議会議員、宗方保福島県議会議員)は23日午後、「新型コロナワクチン接種調査報告と党政調との意見交換」と題して、泉健太政務調査会長、中島克仁・新型コロナウイルス感染症ワクチン接種に関する課題検討プロジェクトチーム(PT)座長と1時間にわたってオンラインで意見を交わしました。つながる本部(本部長・枝野幸男代表)との共催で、全国の自治体議員約90人が参加ました。

自治体議員約90人が参加。「新型コロナワクチン接種調査」をもとに泉政調会長・中島ワクチンPT座長と意見交換しました

 同ネットワークでは6日に開催した運営委員会で「ワクチン接種に関する全国調査」を行うことを決定。新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を実際に担うのは自治体であることから、現場の準備状況・課題・問題点を調査することが重要との観点で全国の自治体議員に呼びかけて取り組み、全国135自治体(9県・6政令市・94市区・26町村)の調査結果を集めました。調査期間は2月9日から16日の5日間で、「具体的課題」「自治体独自の対応策」「その他の意見」について自治体議員がそれぞれ動いて自治体の担当者に話を聞き、調査結果をまとめました。

開会のあいさつをおこなった遊佐美由紀宮城県議会議員

 開会のあいさつで遊佐宮城県議は「このワクチン調査をもとに、地域の暮らしを守り、命を守る体制づくりに向け、ボトムアップの形で自治体の声を届けて、制度につながれば、調査が大いに活かされると思う」と述べ、自治体の情報を国政へつなげることで現場が求める取り組み、政策、解決策へとつなげたいという強い思いが根底にあることを明らかにしました。

自治体議員局長の勝部賢志衆院議員

 続いてあいさつに立った自治体議員局長の勝部賢志衆院議員は自治体の準備状況・課題・問題意識について浮き彫りにするために取り組んだ調査だと報告したうえで、「自治体の課題を政務調査会につなげ、意見反映をし、課題を解決していきたい」と語り、有意義な意見交換の場としてほしいと参加者に呼びかけました。

泉健太政務調査会長

 泉政調会長は自治体議員が迅速に動いて調査結果を取りまとめたことに、「中島座長ともども感謝している。有効に活用していく」と謝意を示しました。1000人を超える党所属自治体議員が各地で瞬時に動いて課題解決に向けて取り組んだことの意義は大きいとの考えも示し、「ワクチンの問題は非常に不透明なところが多い。国会審議でもその時その時、初めて聞くといった場面が続いています」と前置きしたうえで、現場の状況把握と国政側からの報告を並行して行い、有意義な意見交換にしていきたいとの意向が示されました。

新型コロナウイルス感染症ワクチン接種に関する課題検討PT座長の中島克仁衆院議員

 中島PT座長は2月4日に設置されたPTでは、(1)ワクチンそのものの課題(2)ワクチン接種体制(3)差別や偏見など、ワクチンをとりまく社会的課題――の3つのカテゴリーに関するヒアリングを行うとともに、各省庁から進捗状況に関する報告を受けていると語りました。「今月中にもわが党としての提言を取りまとめ、3月初旬に1次提言を示していきたいと思っています。現時点で示されているワクチン接種のスケジュールのもと、各自治体では大変苦労しているのが実情だと思いますので、今回いただく調査結果と意見交換の内容を、1次提言に反映していくことができるよう、しっかりと意見交換していきたい」と述べました。

 調査の経緯については同ネットワーク副代表の松井正一栃木県議会議員が報告し、調査結果内容については同ネットワーク幹事長の川名雄児武蔵野市議会議員が報告しました(詳細はPDF参照)。

20210223立憲民主党自治体NW新型コロナウイルスワクチン接種緊急調査結果.pdf

 調査結果について川名市議は「国からの情報不足が一番問題だということが明らかになりました」と述べ、全体で8割が「国からの情報が圧倒的に不足している」との回答を示し、ワクチンの供給量・時期・種類・費用や接種方法・副反応等に関して情報不足で自治体が困惑・混乱していることが調査結果からわかりました。また確定しないスケジュールがマスコミを通じて発信されることで一層の混乱を引き起こしていると指摘する声もありました。問診担当医や接種後の観察医師を配置した場合の費用負担、接種会場の確保費用、開業医に協力を求めたときの補償など、費用面での不透明さに関する指摘も相次ぎました。さらには、接種に関するさまざまな問題も調査結果から調査結果から浮き彫りになりました。

川名雄児武蔵野市議会議員

 報告を踏まえて意見交換が行われ、泉政調会長、中島PT座長が参加者からの質問に答えるとともに、チャットに書き込まれた26件の質問・問題提起についても共有し、連携して課題解決に取り組むことを確認しました。
 司会進行は江口善紀佐賀県議会議員がつとめました。