党ジェンダー平等推進本部は2日、国会内で会議を開き、保育現場における性犯罪への対応策について、認定NPOフローレンス代表室の前田晃平さんから話を聞きました。

 大河原議員は冒頭、子どもたちへの性犯罪について、「議論を深めて適切な対応を進めていきたい」とあいさつ。

 前田さんは「子どもたちを性犯罪から守る仕組み『日本版DBS』実現への課題」と題して講演。日本では、保育・教育現場の性犯罪抑制の仕組みがないことから、子どもたちを性犯罪から守るため、英国にあるDBS(Disclosure and Barring Serviceの略称で、「前歴開示及び前歴者就業制限機構」)を参考に、保育教育従事希望者が無犯罪証明書を取得できる仕組みの創設を提案しました。

 小児わいせつの特徴として、極めて高い再犯率と常習性があることや、現在の日本の法律・制度では子どもたちが守れないことを挙げ、昨年12月に閣議決定された「第5次男女共同参画基本計画」のなかに、日本版DBSの仕組みを検討することが明記されたことから、政府での取り組みが進んでいると報告。一方で、例えDBSのような犯罪歴証明書を発行する機関をつくったとしても、行政の縦割りにより、それを「子どもと関わる就労者」に対して犯罪歴証明書を提出させる法的根拠と、事業者を管理・監督する主体がないと指摘。子どもの権利を守るには、「行政の縦割り」を打破し、包括的な立法が不可欠だとして、それを実現できるのは政治だけだと強調しました。

 参加議員は、児童に対するわいせつ行為をした者に関し、業種や地域を超えた情報把握の必要性を共有。教育現場、保育現場をはじめ、子どもと関わる全ての現場に対応する立法にすべく、党内でも部門を超えて議論を進めていく方針を確認しました。