参院予算委員会で8日、集中質疑がおこなわれ、「立憲民主・社民」会派から木戸口英司議員が質問に立ちました。
木戸口議員は、NTT接待問題について、武田総務大臣に(1)総務省による調査内容の信ぴょう性(2)谷脇総務審議官の懲戒処分――について事実確認をしました。
武田大臣は、倫理審査会の指導の下、検事などの第三者による調査を行っていくという、これまでの答弁を繰り返しました。「谷脇総務審議官は倫理規定に違反し、行政に対する信用を失墜させた」と述べ、大臣官房付への異動を報告しました。
木戸口議員は、総務省の調査に信ぴょう性がなく、新しい事実が相次ぐ状況を踏まえて、「責任をとるべきなのは大臣ではないか」と武田大臣に辞任を迫りました。
その上で、「政治家が責任をとっていない」と菅総理に武田大臣の任命責任をただしました。菅総理は今後の調査で事実を明らかにしていく考えを示し、任命責任については明言を避けました。
木戸口議員は予算委員長に東北新社に勤める菅総理の長男、菅正剛氏とNTTの澤田社長らの参考人招致を求めました。
次に、8日より再々延長された緊急事態宣言について、この間の政府の対策の検証が重要だと述べ、「検査や保健所の強化は評価するが、第4波に備えて医療提供体制の早期の拡充を強化すべきだ」と菅総理らに進言しました。
また、6日に福島県を視察・訪問した菅総理に、地元岩手県を含めた被災県の復興の現状と課題への認識をただしました。その上で木戸口議員は、被災地域の5年後の目指すべき姿について、国が中長期的に取り組むことが重要だと進言しました。そのために、(1)震災の記憶と教訓の後世への継承と追悼(2)復興財源の確保と被災自治体への財政支援強化(3)土地区画整理事業の制度のあり方の検討――について菅総理と関係閣僚らに被災3県の首長と連携して、地元に応じた取り組みを強く求めました。
木戸口議員は日本海溝・千島海溝巨大地震の津波想定について、「地元岩手県北部では東日本大震災を超えるような津波高となる予想に困惑している」と述べ、菅総理と小此木防災大臣に「これまでの防災対策との整合性について、各省庁連携して、総合的な防災計画を見直して指導していただきたい」と要請しました。
日本及び東北の漁獲量の現状認識と資源管理等の対策については、野上農水大臣とサンマ、サケの漁獲量の減少問題を共有し、資源管理の研究を求めました。
東京電力福島第1原子力発電所のALPS処理水処分について、菅総理に地元住民や国民の理解が進む方針をまとめるよう求めて、質疑を結びました。