福山哲郎幹事長記者会見
2021年3月9日(火)16時20分~17時07分
発行/立憲民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/LzroJwvELuM
■冒頭発言
■質疑
- 福岡県知事選について
- 総務省接待問題について(1)
- デジタル改革関連法案について
- 参院長野補選について(1)
- 参院広島再選挙について
- 参院長野補選について(2)
- エネルギー政策について
- 福島第一原発事故について
- 参院長野補選について(3)
- 国際女性デー パリテ推進について
- 「震災復興」「接待問題(2)」について
■冒頭発言
○第16回常任幹事会を開催
【幹事長】
ご苦労さまでございます。よろしくお願いいたします。
まずは常任幹事会のご報告をさせていただきます。
代表の挨拶はご案内のとおりでございます。
私からの報告事項としては、「1都3県に関する『緊急事態宣言』の延長を受けて」ということで、改めて党の各県連や総支部長・地方自治体議員等に1都3県についての行動について要請をさせていただきました。また、1都3県以外の地域についても感染拡大防止のために地域ごとのルールを踏まえて感染拡大防止に十分留意した行動をお願いしますということで、対応いただくように文書を発出させていただきました。
国対委員長からは、国会情勢についてのご報告があって、東北新社並びにNTTの接待問題について参議院予算委員会が開会されていますが、衆議院側も連携をしてやっていくという形でのご報告がありました。それから、やはり外資規制(違反)の問題については、どういう対応をとるのか、まだ総務省からはっきり出ておりませんので、このことについても今後もしっかりと追及していくというのが国対委員長からご報告がありました。
参議院の国対委員長からは、参議院の予算委員会が動いておりますので、今後の対応について、月曜日に集中審議という形での報告がありました。
政調会長からは、まずは閣法の法案審査、それから議員立法の審査等々について報告があって、その後、「東日本大震災復興に対する34項目の提言」、これは復興対策本部で提言をまとめていただきましたが、この提言は平沢大臣に手交されたと聞いております。それから、「新型コロナウイルス感染症ワクチン接種に関する第一次提言」ということで、これは河野大臣に手交される予定と聞いておりますが、いずれも提言をまとめましたのでご報告がありました。それから、閣法の審査。それから、我々として議員立法の登録として「持続化給付金再支給法案」を議員立法登録して近々法案提出をしたいということの報告がありました。この持続化給付金再支給は、当然飲食店以外の厳しい状況になっているそれぞれの事業者、それから先般提出をさせていただきましたコロナ特別給付金法案、これは低所得者等に対する特別給付金10万円の支給でございますが、こういった形で、「緊急事態宣言」が長くなっている状況の中で国民の生活を守るという視点が若干国会の中でも政府から聞かれなくなっていますので、我々としてはこのことについてはしっかり国民の声を聞いて生活を守るということについて政府に求めていくことを再確認させていただきました。
選対委員長からは、自治体議員(選挙)の公認・推薦について、神奈川県川崎市議会、都議会議員選挙は推薦でございますが生活者ネットワークの皆さんへの推薦、首長選挙は福岡の小川知事が病気でご退任されたことに対する知事選挙で服部誠太郎さんの推薦を決めさせていただきました。それから、自治体議員選挙は、京都府長岡京市議会議員総選挙、大分県佐伯市議会議員選挙、山梨県山梨市議会議員選挙、岡山県美咲町議会選挙等々の推薦・公認を決めました。首長選挙もう一点は、東京都羽村市長選挙の推薦を決めさせていただきました。
組織委員長からは、暫定総支部の設立。それから、行政区支部(設立)。それから入党が、島根県4名、大分県2名、宮崎県7名の入党が自治体議員でありまして承認を受けました。自治体議員の離党は奈良県で1名ありましたが、これは市長選挙に立候補されるということでの離党ということで報告をいただきました。
企業・団体交流委員長からは、きょうは委員会で欠席ということで、特に報告事項はないということでございました。
それから組織委員長からは、先般の党大会でお決めいただいた党員と協力党員についての募集に対する確認ということで、党員・協力党員の拡大の目標について具体的に常任幹事会でご了解をいただきました。平野代行と大島組織委員長と私とでずっと協議をしておったのですが、今般まとまりましたので、きょう常幹で承認をいただきました。基本的には10万人の党員・協力党員のとにかくまずは第1弾として達成を目指すという形で、それぞれの議員、それから地方自治体議員、そして県連、それぞれに目標を持っていただいて党員・協力党員を募るという形で対応させていただきたいと思います。ただし、今(新型)コロナの状況でございますし、まだ「緊急事態宣言」も1都3県では延長されている状況ですので、4月1日以降新たに党員募集について対応していきたいと考えております。ただし、これはコロナの感染の状況を見ながらということでございますので、そのことはきょうも確認をさせていただきました。
それから、組織規則、倫理規則について、今、規約検討委員会で議論をしておりまして、きょう常幹の皆さんに案文というか現状での案をお示ししてご意見をいただくということで、きょう提起をさせていただきました。
常任幹事会の報告としては以上でございます。
○東日本大震災・原発事故から10年を迎えるに当たって
【幹事長】
冒頭発言として一言だけ申し上げます。
あさって3月11日で、東日本大震災・東京電力福島第一原発事故の発災から丸10年を迎えます。改めて犠牲となられた方々に心より哀悼の意を表します。また、いまだに4万人を超える皆さんが避難生活を送っていらっしゃいます。こうした皆さんを中心に、いまだに厳しい生活を強いられている全ての被災者の皆さんに心からお見舞いを申し上げます。
私は、ご案内のように東日本大震災発災の当時に内閣官房副長官を仰せつかっておりまして、官邸で震災の対応、原発事故の対応に当たらせていただいておりました。もう至らぬ点ばかりだったと思いますし、今となっても「ああすればよかったのではないか」「こうすればよかったのではないか」という思いが募ります。危機管理センターで、一度停止をして安心していた原発について、「福島第一原発、電源機能喪失、冷却機能停止」という報告がマイクを通じて入って、危機管理センターの空気が一瞬緊張感を含んで大きく変わったことはたぶん生涯忘れることはないと思いますし、その後のたび重なる水素爆発、撤退、そして全村避難等々対応に当たらせていただいて、本当に、10年、被災地の厳しさを忘れてはいけないと思ってきましたし、風化させてはいけないと思ってきました。
まだ被災地は震災が終わっていない、ましてや原発事故は全く終息の状況ではないと思っておりますので、10年本当に早いと言っていいのか、いや、思ったより長いと言っていいのか、よくわからない気持ちですが、あさって政府の追悼式にも出席をさせていただき、心からの哀悼の誠を捧げたいと考えております。
私からは以上です。
■質疑
○福岡県知事選について
【西日本新聞・川口記者】
本日の常任幹事会で、福岡県知事選で服部誠太郎氏の推薦を決定されたが、その理由と、改めて党としてこの福岡県知事選にどう臨むか、意義づけなどについて伺いたい。
【幹事長】
小川知事がご病気ということで、大変コロナの収束に向けてご尽力をいただいていたさなかに、さぞ無念の中でご退任をされたと承知をしております。心からお見舞い申し上げるとともに、一日も早い回復を祈っております。私は実は官邸で小川知事と一緒に、(官房副長官と)広報官として仕事をさせていただいたので、おつき合いも当時ありましたから、本当に早く回復していただきたいなと。
その小川知事と長年にわたって福岡県庁で一緒に仕事をされてきた副知事を、我が党の県議会の皆さんや我が党の国会のメンバーも含めて、ぜひ小川県政の継続ということで決めたいという話でしたので、そのことについて県連から推薦の依頼が上がってまいりましたので、きょう党本部としては決めさせていただきました。
先週は自民党が割れるのではないかというような話もありましたが、我々は自民党の動向とは全く関係なく、いち早く服部副知事の推薦を決めて、他党がどんな状況であろうが副知事を次の知事で戦いたいという思いを確認したというふうに承っていますし、私も県連の山内代表に、他党とは関係なく我々としては服部副知事を知事にするということでいいんですねと確認したら、全く構いませんと。たとえ自民党が分裂しようが、たとえ単独であろうが、戦い切る覚悟はできていますというふうに言われましたので、それなら早く推薦で走ろうと、応援をしようと、支えようということだと思いますので、いい戦いにしていただきたいと思います。
○総務省接待問題について(1)
【NHK・金澤記者】
総務省の関係で、15日にNTTの社長が招致され集中審議が行われる。そこで野党として明らかにしていきたいこと、どのように臨まれるか伺いたい。
【幹事長】
総務省の中間報告のような調査は全く調査になっていませんので、どういった目的で総務省の接待の申し入れがあったのか。さらには、どういった内容の話がその場であったのか。そういった時期にはどういう政策論議があったのか。NTTとしてはたびたびこういった会合を持たれていたのか。こういったことについては最低限のこととしては聞きたいと思いますが、今後どういったことを聞いていくのかについては、我々自身もこの接待問題の根の深さも含めてより精査をしながら、質問項目については検討していきたいと思います。
○デジタル改革関連法案について
【読売新聞・田村記者】
きょう衆院本会議でデジタル改革関連法案が審議入りした。菅政権は今国会の重要法案と位置づけているが、現時点で立憲としてこの法案に対するスタンスはどのようにお考えか。
【幹事長】
きょう審議に入りましたので、中身を精査して、政府がどのように考えているのかについて、それこそ国会の質疑の中で問いただしていくと。きょうスタートラインに立ったところなので、それ以上でもそれ以下でもありません。
○参院長野補選について(1)
【読売新聞・田村記者】
参院長野選挙区補選について、地元の立憲と共産が結んだ政策協定について、国民民主党や連合の一部が反発する事態となっている。私も拝見したが、例えば外交・安全保障の面で立憲の党本部の考え方と少し違うのかなという気もするが、党本部としてはこの協定をそもそもオーケーというか認めているのか、問題ないと考えているのかというのが一つと、仮に問題があるなら何か修正とか地元に指示するお考えというのはあるか。
【幹事長】
今の質問の中身はちょっと違っていて、外交の問題についてはたぶん「市民連合」の皆さんや社民党さんとも含めた内容ではないかと思います。ですから、共産党とだけではない中身だと思いますので、共産党と候補者である羽田次郎さんと立憲との政策協定もあると私は承知していますが、あまり両方をごっちゃにしないほうがいいかなと思います。
内容については、地元の思いでおそらくサインをされたと思いますが、党本部がこの政策協定に何というか拘束されるものではないというふうに思っておりまして、地元の思いは思いで、特に羽田雄一郎さんとの間で交わされた当時の新政信州とのやりとりもあったというふうに聞いておりますので、そういったことも含めて、党本部は拘束されないというふうに今は考えております。篠原さんとも話をしていきたいと思います。
【読売新聞・田村記者】
現時点で別に地元に対して何らか指示するとかそういう考えはないということでよろしいか。
【幹事長】
ちょっと状況を聞いてみないとわからないので、状況を聞こうとは思いますが、今のところは党本部が拘束されないことと、篠原さんと話してみたいというふうに思います。
○参院広島再選挙について
【中国新聞・桑原記者】
きょうの幹事会の中で参院広島再選挙について何かしらの話があったのかどうか確認したい。
【幹事長】
常任幹事会では何もありません。
【中国新聞・桑原記者】
本日ほぼ同時刻に郷原さんが個別で会見をされ、そこで改めて本人は立候補しないという思いを表明されているが、その点について、きょう午前中、党本部と何かやりとりがあったのではないかという話もあったが、幹事長としてはどのような。
【幹事長】
きのうブログを出されて、私のほうにもご連絡があって。
【中国新聞・桑原記者】
きのうですか。
【幹事長】
きのうご連絡があって、きょうもご連絡があって、きょうの午前中に郷原弁護士と面談の機会をいただいて、立候補は今回はされないということを承りましたので、そのように私も受けとめさせていただいて、きょう午前中に話し合いの場を持ちました。ですから、15時前後ですか、Zoomか何かでその意向を表に出すということもそのときに聞いておりましたし、きょう私も会見がありますので、この場できょう午前中に郷原先生からお話を聞いたと言っていいですかと聞いたら、結構ですということでしたので、そのような形で報告を受けました。
しかしながら、広島の今の選挙の状況、被買収者である自治体議員や首長の皆さんが自民党の候補者の選対本部に入って選挙をやるのは余りにも今の現状からいって問題だと、公正な選挙とも言えないという、きのう、きょうの長文のブログも含めて、郷原先生の非常に強い思いは私も承りましたし、全くそのとおりだと思います。
私の立場で申し上げれば、自民党は1億5000万円の使途について全く説明をされていません。それから、今回辞職をされた河井案里元議員は、国会で説明すると、自民党も我々に伝えていましたし、本人もそのような類いのことを言っておられたと思いますが、今までに全く国会で説明がありません。また、河井克行元法務大臣は、逮捕されているにもかかわらず、いまだに議員の身分を持ったまま歳費を受け取られていますし、このことについては全く自民党も河井案里元議員そして河井克行議員も全く何も責任を果たしていないと思いますので、その状況でこの補欠選挙(再選挙)をどういう理屈で戦うのかということについては、私もいささか遺憾に思います。
北海道2区は自民党は立てないという選択をされました。なぜ広島は擁立ができるのかというのは、私なりにも郷原先生と共有するところですので、郷原先生が立候補されないということについていえば非常に残念に思いますが、その思いは共有をしますし、今後この問題についてしっかりおかしいと言う候補者が立候補するとすればエールを送りたいという言葉も郷原先生からいただきましたので、そのことも含め、きょう郷原先生については一定の結論が出たと認識をしております。
ご本人もこれまで立候補表明していたわけではありませんし、我々も立候補すると発表していたわけではないので、メディアも含めて報道されましたので一定のけじめとしてはきょうそういうやりとりがあったということです。
【中国新聞・桑原記者】
郷原さんが立候補しなくなると、3人いてそのうちの一人という報道もあったが、残る2人がいらっしゃる中で、時期的にも1カ月を切っている中で候補者選定を急いでいかなければいけないと思うが、そのスケジュール感、進み具合、そういったものを党本部としてどのように考えるか。
【幹事長】
広島県連としては、選考委員会ができていますし、そこに数名の方がいらっしゃることも私は承っていますし、その数名の方の名前や誰がいるのかについては広島県連としては表にしていないと承っていますので、そのレベルで広島県連とより適切な、広島の県民の皆さんにご期待いただけるような候補者を擁立すべく、党本部と広島県連と密に相談をしながら一日も早く決めていきたいと考えております。
【中国新聞・桑原記者】
なるべく早急にと。
【幹事長】
もちろんです。
○参院長野補選について(2)
【共同通信・小野塚記者】
長野補選について、平野選対委員長は協定について結び直しをするようにという指示をしたかと思うが、それについての進捗はいかがか。県連のほうは結び直しをする気はないと言っているようだが、ここについてはどのように対処していくか。
【幹事長】
指示をしたというふうには私のレベルでは承っていないので、私のレベルでは、あれは党本部が拘束されるものではないと、先ほど申し上げたとおりです。
○エネルギー政策について
【フリーランス・堀田記者】
日曜日に国会正門前で午後2時から反原発の大会が開かれ、共産党は志位委員長、笠井亮さん、吉良よし子さん、社民党は福島瑞穂さんが来ていた。立憲からは大河原雅子さんと山崎誠さんが来ていたが、10年が節目ということがあるかどうかわかりませんが、代表に来てほしかったと。それで、要するに反原発としてキャッチフレーズの件で、原発ゼロの会の山崎さんとか大河原さんとか近藤昭一さんが悩んでいるのは、西日本のインタビューの後で枝野代表がいろいろなことを言ったということがあるが、選挙においてやはり原発ゼロということを訴えると思うが、ショートフレーズで訴えなければ訴えることはできないと思う。どのくらいのショートフレーズで訴えるべきだと思うか。
【幹事長】
堀田さん、立憲民主党の選挙のキャッチフレーズやショートフレーズの問題までご心配いただいてありがとうございます。しっかりこれから考えたいと思います。
【フリーランス・堀田記者】
枝野さんの説明だとすごく長くなってしまう。枝野さんの言うことはわかるが。一般的に、再稼働反対、それから現在動いているものはとめる、そういったことぐらいでまとめるような予定というのはあるか。核燃のことは除いて。
【幹事長】
選挙の政策は選挙の間近にしっかり出していきたいと思いますが、先ほど冒頭申し上げましたように、僕はどこでも言っているのですが、あの3.11、10年前に原発の事故を目の当たりにし、東電の対応や現実に避難をお願いしなければいけない状況に何度も福島に足を運んだ者として、イデオロギーとかそういった問題ではなく、原発のない社会をつくっていくということの使命は、私は自分自身政治家としてはあると考えております。
一方で、原発のある地域には働いている人もいれば、そこに交付金も落ちている。今までご苦労されている方もいらっしゃる。その中でどういう形で原発のない日本をつくっていくのかということを考えるのは、堀田さんの言われることに反論するようで恐縮ですが、ショートフレーズで言えるほど生易しいものではないと思います。
廃炉も、非常に高線量が今出てきたという話があったり、先般の地震でさらに1F内の原子炉の状況、中の状況が変わって水位が変化したり、日々廃炉の作業も難しい状況があちこちで出てきているわけですから、その中でどういう形で廃炉の作業をするのか。そして、原発の将来ない日本をつくっていくにどういうプロセスが要るのか。そのことについては真剣に我々党内では議論しているつもりです。そのことについてはしっかり国民に伝えていくべきだと思います。
いつも申し上げますが、カーボンニュートラルと原発を推進することをセットで語るなどという筋の悪い議論は私はしたくありません。
【フリーランス・堀田記者】
すみません、菅直人さんも来ていました。
【幹事長】
そうでしょう。だから、元総理が来られて、山崎さんはエネルギー調査会の事務局長か何かでしょう。近藤さんは役員のメンバーですから。
【フリーランス・堀田記者】
近藤さんは来ていません。
○福島第一原発事故について
【フリーランス・堀田記者】
1週間ほど前に、飯舘村の人が、避難指示が遅れたということで東電と国を相手に裁判を起こされた。福山さんに言うのは釈迦に説法だが、20キロ、30キロ圏、その中に飯舘村が含まれていなかったと。あのときにSPEEDIが正確に動いたかどうかということがいろいろとあったが、高線量が多くなったと。本来であればすぐ避難しなければいけないというのに、避難が遅れたと。国は2011年4月22日になって村全域を計画的避難区域にしたと。それまでにいろいろと、沢の水を飲んだり、外の作業によって被曝したということで訴えられた。この遅れ、要するに、初めてのことですから、とても皆さん一生懸命やってくれたと思うが、このSPEEDIの遅れによる放射線のいろいろと流れていったということに関して、責任というのは誰がとるべきだったのか、あのとき。
【幹事長】
これも、僕がここで政策論をすると長くなるのであまりしたくないのですが、SPEEDIはあくまでも予測ソフトです。SPEEDIは、スリーマイルのような原子炉が爆発を起こしたときに、そのときの風の向きでどういう形で放射線が飛ぶかについての予測ソフトです。あくまで予測ソフトです。もちろんSPEEDIの報告が官邸に上がってこなかったことについては私は今も遺憾に思っています。そのことに対して、情報が上がってこない体制だったこと、SPEEDIを上げるということについてのルールもなかったことについては、前政権も含めて、シビアアクシデントに対する準備が全くできていなかったことについても遺憾に思っています。しかし、SPEEDIがわかっていたからといって、予測ソフトだけで本当に田畑や家を全部なくして、ほったらかして出ていってください、避難してくださいという意思決定がすぐにできたとかというと、それはなかなか難しかったと僕は思っています。
爆発の危険があるので10キロ圏内は当然すぐに避難をしていただきました。避難の指示は10キロまでしか間に合いませんでしたが、ご案内のように20キロ圏まですぐに広げました。そして30キロも含めて避難準備区域にしたのは、実は外に出ることによる大量被曝のリスクがあったからです。その中で、距離のあった飯舘に大量に放射線が流れていたことは、モニタリングも含めて実測値として理解をして、そのことが3月の終わりにIAEA等の数値が出てきて、我々としてはそこからモニタリングで実測値をはかり、飯舘の村長とも話し合いをしながら、全村の避難にお願いに上がりました。私がお願いに上がりました。
ですから、そのことについて、遅かったのは間違いありません。そのことについて責任があると言われれば、そうかもしれません。しかし、SPEEDIだからすぐに逃げろということが指示ができたかどうかは、私は今もって、SPEEDIはあくまでも予測ソフトのコンピューターの世界ですから、ましてやあのときに風がどういうふうに吹いていたかというのはすぐにわかる状況ではなかったので、そこについては、遅れたことは認めますが、SPEEDIが遅れたから、SPEEDIの報告が上がってこなかったから避難が遅れたという理屈にはならないと私は思っています。遅れたことについて、それから今、訴訟を起こされた方についての思いは僕は一定理解をします。しかし、今、堀田さんが言われた理屈で遅れたと言われると、そこはいろいろなもっと別の理由も、実際のシビルアクシデントに対する理由もあると考えています。
○参院長野補選について(3)
【信濃毎日新聞・実延記者】
長野補選の関係で、政策協定に関して、国民民主党側は一度決めた推薦に対して考え直す可能性にも言及している。今回の件が次期衆院選で全国的な野党共闘に与える影響に関して、現時点でいかがお考えか。
【幹事長】
国民民主党さんがいろいろご発言いただいていることについては重く受けとめたいと思います。
一方で、(旧)国民主党さんの公認だった羽田雄一郎さんのご逝去を受けての弟の次郎さんが立候補されるということについては、国民民主党さんも次郎さんを応援するということについてはほぼ了解をいただいていて、あの羽田雄一郎さんの(旧)国民民主党さん公認で新政信州としてのやりとりしていた政策協定がほぼ踏襲された内容だと私は承っています。逆に言うと、立憲民主党というより当時国民民主党の籍があった羽田雄一郎さんの政策協定の流れを受けて今回県連が判断したというふうに承っていますので、党本部としてはあの政策協定については拘束されないと考えていますが、そこは国民民主党の皆さんにもぜひご理解をいただきたいと思いますし、(旧)国民民主党さんで本当に長年ご貢献をいただいた羽田雄一郎さんの、ある意味コロナで亡くなられた後の選挙ですから、それも弟さんの次郎さんなので、そこは国民民主党さんに深い理解とご協力と応援をいただきたいというのは率直に申し上げたいと思います。
○国際女性デー パリテ推進について
【「フランス10」・及川記者】
きのう国際女性デーだったので、女性政策について伺いたい。フランスは2000年、パリテ、いわゆる男女同数法、議員や公務員や医者などの男女同数を2000年に定めた。その当時2000年の下院議員の女性比率は10.9%だったが、2017年には約40%になった。医者はことし男女同数が実現するという見通しになっている。立憲民主党も党内の候補者人選ではパリテを目指すようだが、今後の女性政策について。また、菅政権・安倍政権が掲げた女性活躍政策とどこが違うのか、端的に伺いたい。
【幹事長】
まずは、我々は男女共同参画という言葉自身がもう世界の潮流とは違って古いと思っているので、旧立憲民主党を結党した3年半前に、もうその場でジェンダー平等推進本部というのを立ち上げました。それから、ジェンダー平等を謳いながら、女性政策、女性のいろいろな活動している団体とのコミュニケーションをつながる本部でやり、最初の国政選挙である参議院選挙、2年前ですが、これは比例・選挙区両方ともでパリテ、ぎりぎりでしたが、40数%の比率で女性候補者を擁立させていただきました。これは新しい政党だったということと、あいている選挙区がたくさんあったということで、おかげで女性の候補者をたくさん擁立できました。一方で、途中であった自治体議員選挙でも圧倒的に女性の候補者を擁立することで、たくさんの女性議員を当選させていただきました。
一方で、今、衆議院選挙の前ですが、衆議院は大きな固まりになったので、もう既に候補者が決まっているので、あいている選挙区が少ないということで、一定の女性候補者を出したいと思っておりますが、残りの空白区では積極的に出したいと思いますし、少なくとも来年の参議院選挙は女性の候補者をもう本当に擁立に向けて努力したいと思いますし、きょうも「困難を抱える女性支援法検討ワーキングチーム」を立ち上げて女性政策については具体的に準備をしていきたいと考えております。
【「フランス10」・及川記者】
女性が抱える問題で一点だけ絞って言うと、まだ男女の賃金格差があり、非正規は女性のほうが多い。ここら辺の矛盾はどのように解消していこうとお考えか。
【幹事長】
それはもう全く我々、女性の賃金格差、非正規が多いというのはずっと国会でも指摘をしていますし、選択的夫婦別姓の導入を初め、女性の働き方を、女性だけではなくてジェンダーなのですが、ジェンダー平等で、同一労働同一賃金の話も我々はずっと主張してきましたので、そのことは引き続き党の中心的な政策としてやっていきたいと思います。
○「震災復興」「接待問題(2)」について
【NHK・金澤記者】
追加で2点だけ。震災の状況だが、先ほど、まだ復興は終わっていないし原発事故は終息の状況ではないということで、政府からもきょう復興の基本方針が閣議決定されているが、改めて政府に復興に向けた対応についてどういったことを求められていくか。
あと、NTT、総務省の関係で、総務省のほうで調査をしてまた新たな今回NTTの接待が判明したわけだが、こういったことが立て続けに判明している受けとめをお願いしたい。
【幹事長】
総務省は、まだ(最終的な)調査が出ていませんが、現状でも、菅総理のご長男による接待、そしてNTTによる接待、いわゆる恒常的に接待が行われていたというのは十分に類推できます。他社からの接待はなかったのか等々についても、総務大臣自身が言われているように、範囲を広げて調査をする必要があると思います。
ただ、私が気になっているのは、長い安倍政権・菅官房長官のもとで、農水省の農水大臣を入れた高級官僚・幹部官僚が何と贈収賄の相手から接待を受けていたと。これ実は各省庁に官僚が利害関係者から接待を受けるような状況が広がっていないかどうかについて、非常に私は危惧をしています。今回、農水省と総務省だけで、他の省庁はしっかり矜持を持ってやっていたというふうに願いたいと思いますが、そういった官僚機構の劣化というか、ある意味でいうと非常に緩んだ状況が起こっていたのではないかということを非常に今危惧している状況なので、まずは今の総務省の調査を待ちたいと思いますが、国会でもしっかり追及の手を緩めずにやっていきたいと考えております。
もういつものことを言って恐縮ですが、コロナで国民の生活が厳しい状況で、こんな問題を国会でやらなければいけないことは甚だ遺憾であり、このことの責任は全て菅政権・自民党政権にあるということは、いつも同じことを申し上げますが、そのことをぜひ国民の皆さんにもご理解をいただきたいと思います。こんなこと本当に国会でやっている場合ではないと。しかしながら、問題が起こったら政府を監視するのは野党の役割ですので、そのことも我々としては役割として果たしていかなければいけないと考えています。
もう一つは、震災。菅総理は通常国会冒頭の施政方針演説で、東北復興の総仕上げと表現されたのですね。総仕上げと表現されたら、もう終わりに近いんだというイメージですよね。全く総仕上げではないと私は思います。まだまだ厳しい状況で、苦しんでいる方々はいらっしゃいますし、こういう言葉の一つ一つがやはり被災者を傷つけることになると思いますので、ハードの設備はそこそこ整ってきていますが、やはりソフトの面とか原発の後の処理の問題とかは全く終わっていないという認識は、先ほど申し上げたとおりです。