枝野幸男代表は23日、LGBT法連合会およびヒューマン・ライツ・ウォッチのメンバーらより「LGBT平等法」制定についての要請書と署名106,250筆を国会内で受け取りました。福山哲郎幹事長、近藤昭一企業・団体交流委員長、SOGIプロジェクトチーム(PT)の西村智奈美座長、小宮山泰子座長代理、尾辻かな子事務局長も交えて、意見交換をおこないました。

 LGBT連合会は、性的指向・性自認に関する差別や偏見により困難を抱えている当事者団体・支援団体の全国連合会。理事を務める五十嵐ゆりさんは、「オリンピック憲章で『性的指向による差別の禁止』が謳われ、国の法整備も求められている。日本でも『LGBT平等法』を制定し、東京オリンピック・パラリンピックの『レガシー』と位置付けていただきたい」と要請内容を説明しました。

 LGBT連合会と並んで署名集めを主導したヒューマン・ライツ・ウォッチの日本代表を務める土井香苗さんは、「日本は『平等』に対する法制度がとても弱い。とりわけLGBTの分野に関しては、性同一性障害特例法を除いて一つもない。1994年に東京地裁の『府中青年の家判決』で、同性愛者に対する差別が違法だとされたが、その後30年たっても差別を禁止する法律がない。今年こそ超党派でつくっていただきたい」と要請を重ねました。

 それに応えて枝野代表は「先日の札幌地裁の同性婚に対する判決も、世の中に非常にインパクトを与えた。この5、6年で、世の中の賛同が相当広がったので、今の流れを活かして一気に進んでいきたい。ぜひさまざまな形で声を上げていただき、ともに戦っていければ」と述べました。

 福山幹事長は「与党は何かあると『国民の理解と啓発を』と言うが、これは先送りする常套文句。LGBTの差別解消法案もその一つ。女性差別発言でこれだけ傷ついたオリンピックなので、LGBTのことに日本社会もしっかり対応するという流れを、オリ・パラを契機につくっていければ」と言葉を強めました。

 西村座長は、「立憲民主党SOGI PTは、すでに『差別解消法案』を衆院に2回提出しているが、まだ継続審議のままになっている。超党派の議員連盟もあるので、そこで与野党の案がそろったら擦り合わせを行い、いい形で成立をさせたい」と説明をしました。

 近藤委員長は、「10年ほど前に性同一性障害の方のヒアリングをした際に、厚労省が『この要請を受ける窓口がない』と言った。今はその頃よりましになっているが、皆さまの頑張りに政治と法律が追いつくよう、皆さんとともに頑張りたい」と述べました。

 小宮山座長代理は、「私の町にある最明寺は、同性婚のウェディングを受け付けており、世界中から問い合わせがある。政権をとり、日本で多くの人が幸せになるシステムを広げていきたい」と語りました。

 尾辻事務局長は、「札幌地裁の判決はたいへん嬉しく思う。LGBT法を日本で成立させていくには、国際世論がたいへん大事。東京オリンピックは多様性と調和を謳っているので、それに資する法整備が必要だと思う」と結びました。