衆院本会議で25日、「少年法等の一部を改正する法案」について趣旨説明と質疑が行われ、「立憲民主・無所属」会派を代表して池田真紀議員が登壇しました。
池田議員は冒頭、会費設定のない関係業者と会食していた武田良太総務大臣に、「その事自体が大臣として著しい倫理規範の欠落である」と強く指摘しました。
公職選挙法違反の買収の罪に問われている河井克行元法務大臣について、「自民党の総裁や幹事長などが助言して議員辞職させるべきだった。自民党の提供資金により選挙買収が行われていたとの供述調書も裁判で提出されている」と断じました。また、河井案里氏の当選無効を受けて行われる補欠選挙において、買収資金を受け、刑事処分が保留となっている地方議員らが選挙運動を行うことについて、公職選挙法上、問題がないのか武田総務大臣にただしました。武田大臣は刑事処分保留を理由に明言を避けました。
本改正案は来年4月に選挙権を有し、民法上の成年となる18歳および19歳の者を少年法の適用対象としつつ、その適用において特例規定を整備する等の措置を講ずるものです。この法改正により、起訴後は成人同様、実名報道が認められることになります。
池田議員は、
(1)立法事実
少年犯罪が減少している現状、現行の少年法が高く評価されている現状を踏まえ、なぜ少年法を改正しなければならないのか
(2)逆送の範囲
個別の犯罪の性質を特定した限定的な基準ではなく、「死刑又は無期懲役若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる事件」として法定刑により一律に拡大するのはなぜか
(3)少年院での処遇
少年院での処遇の機会が狭まることに対する懸念に、どのように応えるのか
(4)推知報道の禁止
社会復帰や再犯防止への影響が大きい推知報道の禁止を適用除外とした理由について
(5)ぐ犯(犯罪を犯すおそれがある)
犯罪と隣り合わせにいる少年少女たちを犯罪的な生活から脱却させるセーフティネットはむしろ拡大すべきではないか
(6)少年犯罪の背景
若者の経済的な問題が潜んでいるのではないか
(7)ひとり親家庭
ひとり親家庭の非行出現率の高さは政治が解決すべき課題
(8)少年法の位置付け
困難を抱える子どもや若年層の総合的な政策の中に少年法を位置付け、検討すべきではないか
(9)立法事実の不存在
法改正の理由にあげられている「社会情勢の変化」の中に民法上の成人年齢が18歳に引き下げられることにより、これまでの成人と同じ刑事責任を負うべきという考え方が含まれるのか
――など、少年法改正をめぐる論点を取り上げ、質問しました。
そのうえで、ソーシャルワーカーとして個別支援や人材育成など福祉全般に関わる経験を踏まえ、少年たちが更生し自立できるための仕組みをつくること、そして少年たちが願う「あったかい社会」となる政策や風土をつくることが重要だと主張し、質問を締めくくりました。