参院予算委員会は26日、締めくくり質疑をおこない立憲民主党の2番手として宮沢由佳議員が菅総理らに質問しました。宮沢議員は主に日本の食料自給率について質問しました。

 宮沢議員は、国の食糧とエネルギーの備蓄量を質問。食糧の備蓄について農林水産省は、「コメは1.7カ月分にあたる100万トン、2年連続で不作でも対処できる水準。食糧用小麦は2.3カ月分にあたる約93万トン、だいたい輸入できるまでの期間をまかなえる水準を備蓄している」と食糧の備蓄状況を回答。資源エネルギー庁は「石油は現在の備蓄目標として、90日分の国家備蓄と70日分の民間備蓄を下回らないようにしており、令和3年1月末時点で合計で国内消費量246日分の備蓄を確保している。LPガスについても現在の備蓄目標において40日分の民間備蓄、50日分の国家備蓄を下回らないようにしていて、105日分の備蓄を確保している」と回答しました。回答を受けて宮沢議員は、「農水大臣、備蓄の意識が低いのではないか」と国の食糧備蓄がエネルギー備蓄に比べて少ないと迫りました。

 野上農水大臣は、「コメ、麦、飼料用穀物の備蓄の活用、あるいは輸出余力のある代替輸入先からの輸入、また食糧法による価格流通の安定のための措置の発動、米や大豆など熱量効率の高い作物への政策転換等を実行していく」と答弁しました。宮沢議員は「大規模自然災害等が起こった場合には、生産資源から生産過程、収穫等まで、国民が生きていくうえで絶対に必要な量は全て国内でまかなうべきではないか」とさらに迫りました。野上大臣は、「不足事態に備えて、少しでも国内でまかなうために、国内農業生産の増大をはかることが重要と考えており、生産基盤の強化、担い手の育成・確保をしっかり進めたい」と応じました。

 さらに宮沢議員はフランスの食料自給率は約130%に対し日本は38%であることを示し、「日本はもっと平時から危機感を持ち、必死になって国内の農業生産の増大を図り食料自給率を上げる必要がある」と述べ、食料自給率が低いことが日本の農業の最重要問題である認識があるか野上大臣にただしました。
 「食料自給率の向上に務めることは極めて重要と考えている。昨年、食料農業基本計画でも令和12年度に食料自給率をカロリーベースで45%、生産額ベースで75%に引き上げる目標設定をしている」と答える野上大臣に宮沢議員は、「食料自給率45%目標は2005年の基本計画から変わっていない」と指摘。「政府は掛け声だけで真剣に自給率を上げようとしない。これが最大の問題ではないか」と強調し、「世界各国は、コロナ下に国内生産物の生産を大幅に強化しています」と述べました。

 また、宮沢議員は指導的地位の女性割合を30%とすることが先送りになり女性の管理職を増やす気があるのかを菅総理に質問しました。菅総理は、「果たす気は大いにある」と述べ、経団連はじめ経済団体に対し女性登用の要請をおこなったことや、関係閣僚に所管の関係団体に対して女性を積極的に登用することを要請する指示を出したことを紹介しました。宮沢議員は、20人の閣僚に対して女性大臣が3人の菅政権に「政府の目標を適用すると30%、6名の女性閣僚が必要だ」と指摘。菅総理は指摘を受け「政治の世界でも女性活躍らしい環境を作るために、認識を新たにして国会議員と協力しながら努力を重ねていきたい」と答弁しました。
 さらに宮沢議員は、総理大臣を経験し8年以上副総理兼財務大臣として各国の女性指導者と交流のある麻生副総理に「女性活躍推進には男性の意識改革と協力は不可欠。副総理には女性活躍支援、男性の意識改革の先頭に立っていただきたい」と求めました。