部落差別をはじめとする差別の解消と人権政策の推進を目指す立憲民主党・人権政策推進議員連盟の設立総会が31日に議員会館で開催され、規約・役員体制を承認し活動をスタートさせました。総会には、部落解放同盟中央本部の西島藤彦書記長、枝野幸男代表らが出席しました。議連の呼びかけ人である福山哲郎幹事長は「わが党は綱領と基本政策であらゆる差別に対し断固として闘うと明記している。歴史的には江田五月先生が会長を務めておられていた議連で人権救済法の議員立法を作った。政権時には人権救済機関設置法案の閣議決定までいったが、解散で廃案となり、いまだ道半ばだ。逝去された松本龍先生の想いやこれまでの取り組みを踏まえて、新たな立憲民主党の議員連盟として取り組みを進めて欲しい」と経緯を報告しました。

 会長に就任した近藤昭一企業・団体委員長は「2016年に部落差別解消推進法ができたが、インターネット上での差別事件は酷い状況にあり、氾濫している。電気通信事業者や関連団体に要請しているが課題が残っている。新たな議連の会長として皆さんと一緒に取り組んでいきたい」と抱負を語りました。

 解放同盟の西島藤彦書記長は「多くの議員の出席のもと結成されたことにお礼を述べたい。コロナ禍で運動が進めにくい状況のなか、インターネット上の差別は横行している。数年前には興信所・探偵社の住民票不正取得による身元調査が問題となったが、今はインターネット上で安易に身元を調べることができる。2016年にできた部落差別解消推進法を具現化する条例つくりに散り組んでいるが、被害をうけた者を救済する仕組みが未だない。『部落地名総鑑』をネット上で販売しても差し止め訴訟を行うしかない。拡散情報は止められない。自治体が中心になって、ネット上の人権侵害情報の削除を求めるモニタリングに取り組んでいるが、法務省自身の取り組みは極めて不十分。今国会に提出されているプロバイダー責任法改正案では、誹謗中傷や名誉棄損については検討されているが、これを差別問題にまで広げて欲しい。全国意識調査で部落差別はだめだという人が80%以上いるが、自らの利害に関われば調べたいと答える人が多数おり、安易に調べることができる。結婚や就職で差別されない、人権侵害が救済される人権立国といえる法整備ができるようと一緒に取り組んでいきたい」と呼びかけました。

 意見交換で枝野代表は「議員連盟ではあるが今日のお話をうけとめ、党全体で取り組んでいきたい。解放同盟の皆さんには特に実態、課題について提起いただき今後もご指導たまわりたい」と謝意を述べました。総会には50名を超える議員、秘書が出席しました。

役員構成

顧問   赤松広隆・枝野幸男・平野博文・小川敏夫・福山哲郎
会長   近藤昭一
副会長  泉健太 川内博史 辻元清美 西村智奈美 水岡修一 吉田忠智
幹事長  大串博志
事務局長 稲富修二
幹事   大河原雅子 城井崇 石橋通宏 江崎孝 徳永エリ 難波奨二