衆院の決算行政監視委員会(馬淵澄夫委員長)では12日、2016年度、2017年度決算の締めくくり総括質疑がおこなわれ、衆院会派「立憲民主・無所属」から尾辻かな子議員が質疑に立ちました。

 5日から宮城県、大阪府、兵庫県に、12日から東京都、京都府、沖縄県の6都府県に適用された『まん延防止等重点措置』について、尾辻議員は「地元大阪府の感染者数が11日、日曜日に発表された感染者数としては過去最多の760名に上った。緊急事態宣言を解除する際、『二度と感染拡大を起こさない』と宣言した菅総理に、今すぐに大阪府や兵庫県に緊急事態宣言を発令していただきたい」と強く求めました。また、自身がメディカルソーシャルワーカー(医療相談員)を務めていた経験から、大阪府と兵庫県の感染状況はすでにまん延しており、医療のひっ迫が起こっていると警鐘を鳴らしました。

 政府のコロナ対策本部の本部長を務める菅総理が15-18日まで訪米期間中のコロナ対策について、尾辻議員は「総理の不在中はどのように意思決定をするのか」菅総理に確認しました。菅総理は本部長代行を務める加藤官房長官と連携するとの考えを示しました。続いて、来月連休明けまでまん延防止等重点措置が続く中、連休中にインドやフィリピンなどへの外遊を予定している菅総理に、「危機の見逃しは許されない。国民にどう見られるか、考えていただきたい」と苦言を呈しました。

 尾辻議員は「日本のワクチン接種がG7で最低で、全人口の0.8%しか接種できていない」と述べ、菅総理に「ワクチン接種がなぜ遅いのか」とただしました。菅総理は「ワクチンの安全性や日本人を対象にした治験など、ワクチンの承認に3カ月必要だ」と答弁しました。

 尾辻議員はIMF(国際通貨基金)が発表した2021ー2022年の世界経済成長率見通しを示し、「日本はワクチン接種が遅いから、成長率が最低になっている。経済にもダメージを与えている」と断じました。

 12日に始まる高齢者へのワクチン接種について、尾辻議員は菅総理に「いつまでに終わるのか」とただしましたが、菅総理は明言を避けました。尾辻議員は「長期間自粛している国民に目途を示してほしい」と菅総理に危機意識と発信力を高めるよう進言し、質疑を終えました。