衆院本会議で15日、地球温暖化対策推進法改正案に関する趣旨説明と質疑がおこなわれ、立憲民主党の源馬謙太郎議員が登壇。政府が2050年カーボンニュートラルの実現を掲げたことを評価した上で、本改正案で省エネへの重要性が抜け落ちていることを問題視。脱炭素に向けて、「エネルギー使用量を減らすことが何よりも重要であり、そうした努力の上で、イノベーションも含めた再エネの導入に最大限取り組んで行くべきだ」と説きました。
2050年カーボンニュートラルの達成に向け、国民の理解と協力が必須であることから源馬議員は、「若者を含むあらゆる世代の広範な声を尊重し、脱炭素社会への移行を適切に行っていくための政策を議論し提言する市民参画の仕組みとして、気候変動対策を討議する会議をこの法律に位置付ける」ことを提案しました。
また、地球環境の課題は気候変動だけではなく、「生物多様性の保全も、将来世代の地球環境に影響を与える重要な問題」との見方を示し、2050年カーボンニュートラルへの過程で「生物多様性を犠牲にするようなことがあってはならない」と警鐘を鳴らしました。自然環境、生物多様性を保全する「保全区域」の設定を改正案に盛り込むよう提案しました。
現行法で政府の地球温暖化対策計画の策定や変更に当たり、国会が関与する仕組が盛り込まれていないと指摘。「国民の代表として活動する国会議員が、カーボンニュートラルに向けた施策のあり方や妥当性をチェックする必要がある」と述べ、「計画案の閣議決定時や変更時に国会への報告を行う仕組みをこの法律において設ける」ことを求めました。
そのほか源馬議員は、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、電気自動車や燃料電池車などの導入加速化も期待されていると指摘。「こうした新たな産業への転換が急激であったり無理があったりすると、関連する業界、とりわけ裾野の広い業界だと中小企業への打撃やそこで働いている方々の雇用にも多大な影響を与える」と懸念を示し、「多角的な手当てが大事になる」と説き、質問を終えました。