政府が7日夕、東京、京都、大阪、兵庫の4都府県に発令している緊急事態措置の延長を決定することから、衆院議院運営委員会で同日午後、西村康稔担当大臣から事前報告を聴取。立憲民主党から泉健太政務調査会長が質問に立ちました。

 西村大臣は、緊急事態措置に関して、11日の期限を31日までとすること、愛知、福岡の2県を追加することを報告。さらに、まん延防止等重点措置に関しては、発令中の7県(宮城、埼玉、千葉、神奈川、愛知、愛媛、沖縄)のうち、12日以降宮城県を除外する一方、北海道、岐阜、三重の3道県を追加すると説明しました。(愛知県は重点措置から緊急事態措置に)

 「事態は非常に深刻です」と切り出した泉政調会長は、事業者と生活者に追加支援が必要だと説き、(1)GoTo事業が当面無理であることから観光関連産業への直接給付金(2)ライブハウス、演劇、映画館など文化関連産業への支援金(3)全産業の持続化給付金の再開(4)雇用調整助成金の9月末までの延長――の4点を提案しました。西村大臣は、現行の支援策を説明した上で、「今後の感染状況、経済的な状況を見ながら、予備費4.5兆円の活用も含め必要な対策を機動的に講じていきたい」と答弁しました。

 緊急事態宣言の解除のあり方について泉政調会長は、1日あたりの新規感染者数が500人で解除した場合、7月には再宣言に至る懸念がある一方、100人で解除するなら再宣言を防げるとする東京大学研究チームのシュミレーションを紹介し、早めに解除するとリバウンドが起きる可能性への見解を求めました。西村大臣は、東大の研究チームをはじめさまざまな専門家から意見を聴取していると言及。「今回の緊急事態宣言の延長で、出来る限り低い水準まで下げていくように全力を挙げて取り組んでいきたい」と答弁しました。

 オリンピックが開催された場合、ワクチン接種が終わっていないと指摘した泉会長は、「オリンピックのために約1万人の医師、看護師、30病院の確保を優先させるのかが問われている。大変残念だが、この夏の五輪は延期か中止を。そしてワクチン接種と治療、国民の命、健康を優先させるよう提案する」と求めました。西村大臣は、組織委員会が各種団体と調整し確保するものなどと述べ、具体的な答弁を回避しました。

 3日の留置(とめおき)と1回の検査という現行の水際対策に関して、政府が6日への延長を検討していることに対して泉会長は、それでは不十分として10日間の宿泊施設滞在と3回検査を提案しました。