衆院予算委員会で10日、集中質疑がおこなわれ、衆院会派「立憲民主党・無所属」から山井和則議員が質問に立ちました。

 冒頭、「緊急事態宣言が延長される中、これまで菅総理はオリンピックファーストでコロナ対策やワクチン接種が二の次になっているのではないか」と痛烈に批判しました。
 菅総理は「『オリンピックファーストではないか』とは失礼だ。国民の命と暮らしを最優先に考えている」と色をなしました。

 東京オリンピック・パラリンピックの開催について、「感染爆発のステージ4でもオリンピックを開催するのか。開催か中止、延期かを判断するのはどのような基準か」菅総理にただしたところ、「開催にあたって安心安全な対策を講じていく」とこれまでの答弁を繰り返しました。
 毎日新聞による全国知事調査で「感染爆発していてもオリンピックを開催すべきだと答えた知事はゼロだった」と紹介し、再度菅総理にステージ4での開催を質問しましたが、菅総理は明言を避けました。

 山井議員は「オリンピックは平和の祭典だ。感染爆発していてもオリンピックを開催するというのはありえない」と強く訴え、菅総理の基本認識をただしましたが、従来の答弁に終始しました。

 さらに、ワクチン接種率は先進国で最下位、英ガーディアン紙や米ニューヨークタイムズ紙などの海外メディアから開催中止を報道されていると紹介。そのうえで、「分科会の尾身会長も発言したとおり、オリンピックの議論を始めるべきではないか」と菅総理に迫りました。山井議員は「オリンピックの開催ありきでは人命軽視だ」と断じました。

 他方、「コロナで苦しんでいる困窮者への支援が遅すぎる」とひとり親世帯の子どもたちの健康に影響が及んでいる問題、失業、倒産、廃業が増えている現状に危機感を示しました。

 これまで立憲民主党が予算の組み替え動議を提出し、議員立法(持続化給付金再支給法案)を提出していると述べ、「緊急事態宣言に伴う営業自粛により、大幅減収の困窮者や事業 者への給付金を急ぐべきではないか」と菅総理にオリンピックよりも困窮者支援を最優先に行うよう、強く要請しました。

 森友学園をめぐる財務省の公文書改ざん問題に関し、近畿財務局の職員だった赤木俊夫氏が改ざんの詳細を記したとされる「赤木ファイル」について、「いつこのファイルの存在を知ったのか」と麻生財務大臣にただしました。麻生大臣は「裁判所から3月22日に通知があった」と答弁しました。
 山井議員は国会開会中にファイルの提出を予算委員長に要請しました。

 ワクチン接種について、「7月末に高齢者ワクチン接種完了のメドがあるのは、いくつの自治体か。全体の何割か」菅総理にただしました。菅総理は「1,700自治体のうち、1,000自治体に終えていただけるよう取り組んでいきたい」と答弁しました。山井議員は高齢者の何割にあたるか詳細な資料を要求し、質疑を終えました。