第25回政調審議会が13日、国会内で開催されました。
 泉健太政務調査会長は、政府の新型コロナウイルス対応について「菅総理になってから大変残念だが、死亡者がかなり増えてしまっている。オリンピック開催国として自覚をもって新型コロナウイルス対策に取り組んで来なければいけなかった。その意味で、現時点でのワクチン確保の体たらくについては開催国の自覚に欠く。そもそも、五輪かワクチンか、あるいは医療について五輪か国内一般により重点を置くかという議論が起きてしまっているのは、菅政権の無策ぶりを表していることは間違いない」と改めて厳しく指摘しました。
 そのうえで、「菅総理に正確な情報が上がっているのかと疑うような状況が見て取れる。経済をすぐ再開したいと言って失敗してきた菅総理だから、本当に医療の現場、国民の声が届いているのか疑う。先日、ワクチン接種に関して高齢者に対する接種の8割が7月末までに終わると述べたが、『医師の確保ができたならば』という注釈は見ていないのではないか。私も自治体の首長に聞いたが、あくまで追加で支援があったり、追加で人員が確保できたなら7月末までに何とか打ち終われるという計画書のような物を出したという話だった」と述べ、菅総理の発言は信ぴょう性が薄いとの認識を示しました。
 また、「もうこれ以上リバウンドを起こしてはいけない。リバウンドは経済にも、生活にも最も打撃になるという考え方に立っているので、5月末までに収束できるのか、またできない場合にはさらに延長があるのか、(国会審議等で)明らかにしなければいけない」と述べました。
 高橋洋一内閣官房参与が、SNSに各国の新型コロナウイルスの感染状況に比べ日本の状況は「さざ波」と投稿したことについて「命のかかっている現場の状況を無視した、思いやりも何もない発言だ」と問題視し、国会で本人から真意をただすことを政府・与党に求めていると報告しました。

■報告事項
 政調役員より今国会で取り扱う議員立法の審査のスケジュールについて報告がありました。
 内閣部会より「重要土地利用規制法案」に関する部会での議論について報告がありました。


■審査事項

【閣法審査】
 総務部会より、「地方公務員法の一部を改正する法律案」について施行期日を修正の上、賛成するとの報告があり了承されました。
 次の4法案への賛成が了承されました。
 「産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案」(経済産業部会・法務部会)
 「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案」(環境・原子力部会)
 「農水産業協同組合貯金保険法の一部を改正する法律案」(農林水産部会)
 「著作権法の一部を改正する法律案」(文部科学部会)

【条約審査】
 外務部会より次の3件について賛成との報告があり、了承されました。
 「日・英原子力協定改正議定書」
 「大西洋まぐろ類保存条約改正議定書」
 「国際航路標識機関条約」

【国会決議審査】
 外務部会より「ミャンマーにおける軍事クーデターを非難し、民主的な政治体制の早期回復を求める決議(案)」の報告があり、案文について政調会長に一任されました。

【議員立法審査】
 災害対策部会等5部会より超党派議員立法「災害時等における船舶を活用した医療提供体制の整備の推進に関する法律案」について、附帯決議をつけた上で賛成するとの報告があり、了承されました。
 次の2法案への賛成が了承されました。
 超党派議員立法「自然災害義援金に係る差押禁止等に関する法律案」(災害対策部会)
 超党派議員立法「水循環基本法の一部を改正する法律案」(国土交通部会)

【議員立法登録】
 次の7件の議員立法登録が了承されました。
 超党派議員立法「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律の一部改正案」(内閣部会、政治改革部会)
 立憲民主党議員立法「領域等の警備及び海上における保安体制の強化に関する法律案(仮称)」(安全保障部会、外務部会、国土交通部会、安全保障調査会)
 超党派議員立法「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律案(仮称)」(子ども子育てプロジェクトチーム(PT)、文部科学部会)
 超党派議員立法「令和三年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法の一部を改正する法律案」(文部科学部会、厚生労働部会)
 超党派議員立法「良質かつ適切なゲノム医療を国民が安心して受けられるようにするための施策の総合的な推進に関する法律案」(厚生労働部会)
 野党議員立法「児童の属する低所得者世帯に対する緊急の支援に関する法律案(仮称)」(厚生労働部会、子ども子育てPT)
 超党派議員立法「強制労働の廃止に関する条約(第105号)の締結のための関係法律の整備に関する法律案」(厚生労働部会、内閣部会)

【WT設置】
 政治改革部会の下に「公選法11条の罪で起訴された議員の歳費の返納・差止め等の制度検討に関するワーキングチーム(仮称)」(座長:小西洋之)を設置することを了承しました。