枝野幸男代表は6日午前、東京都議会議員選挙(6月25日告示、7月4日投開票)に向け、6月の毎週末に東京都内を街頭宣伝車に乗り遊説することにから、記者団の取材に応じました。
 冒頭、枝野代表は、緊急事態措置の中、感染防止の観点から街頭宣伝車による遊説をおこなうと語り、党の政策や活動をしっかりアピールしていくと延べました。

 同日、枝野代表は八王子市内を須山卓知公認候補予定者と、町田市内を鈴木烈公認候補予定者と、南多摩地区(多摩市・稲城市)を斉藤れいな都議と、北多摩第3地区(調布市・狛江市)を加藤良哉公認候補予定者とともに遊説する予定です。

党の政策や活動をアピールするため街頭宣伝車で出発する枝野代表

 記者からの主な質問とその回答(要旨)は以下のとおりです。

Q:都議選に向けて改めて都民に対して、どういった点を訴えていきたいか

 競争と自助・自己責任を強調してきた政治が、この感染症によっていかに脆弱(ぜいじゃく)か多くの皆さんがお気づきだと思います。
 国全体の方向を大きく変える総選挙を作って(準備して)いかなければなりませんが、同時にこの1年余り、感染症対策は都道府県が軸であることは、これまた多くの皆さんがお気づきだと思います。
 従って、まず一番身近な、感染症対策の柱になるところから、しっかりと「命と暮らしを守る」「支え合いの社会を作っていく」というわれわれの政治を前に進めていきたい。
 そのために現有(議席)があまりにも少なすぎますので、しっかりと都議会で存在感のある勢力を作ってもらえればと思っております。

Q:コロナ禍での選挙体制の難しさについて

 まずは20日の日曜日までの予定を組んでおりますが、そこから先は状況を見ながら判断をしていかざるを得ないと思っています。
 難しいといえば、本当にこんなに難しいことないのですが、それはどの陣営も条件は一緒ですので、感染対策に万全を期しながらやっていくしかないと思っています。

Q:小池都政の評価と、議会改革で立憲民主党がどのような役割を果たしていかれるか

 ごめんなさい、都政の評価は都連に聞いていただかないと、と思っております。
 ただ、やはり国全体、つまり衆院選挙で仮に政権をお預かりすることができても、各自治体において議会で一定の役割を果たし得る存在感を持っていなければ、それを全国津々浦々で実践をしていくことができませんので、しっかりと存在感を示せるような勢力を、特に首都ですので大きな影響力がありますので、確保したいと思っています。

Q:都政での存在感のある議席とおっしゃいましたが、目標議席、それから今後の擁立目標をお願いします

 いつも申し上げていますが、選挙で公認や推薦を出して、皆さんいろいろリスクを取って選挙に出るということやっていただいているわけですから、全員当選を目指すという以外のこと言ったら無責任だと逆に思っております。
 さらに候補者を増やせないかどうか、残り1カ月を切っていますので難しいとは思いますが、ぎりぎりまで努力をして欲しいということは都連にお願いをしています。

Q:報道等では、自民と都民ファーストに注目があたっていますが、立憲としてはどのように選挙戦に臨んでいくのか

 申し訳ないですが、一部の報道がそうしたステレオタイプに捕らわれているだけでは。
 自民党を軸とした今のような自助を強いる無責任な政治なのか、命と暮らしを守る、支え合いの政治なのかという、対立軸がこれだけ国政で明確になっています。
 もちろん個別の課題は地域ごとに違いますが、各地方においても国政と連動した形で、このどちらかを選択していただくということでなければ地域の政治は動いていくことはないと思っています。

Q:内閣不信任案提出で、解散総選挙となれば、都議選と連動する形でオリンピック強硬反対を訴えられ、枝野政権誕生の場合にはオリンピック中止も可能になると思いますが、内閣不信任案提出についてのお考えは

 内閣不信任案については、ギリギリまで迷い、悩みたいと思っています。
 この状況下で多くの皆さん、われわれも当然ですが、この内閣は信任に値しないと思っている一方で、この感染状況下で選挙を迫ることにどの程度のご理解をいただけるか、ギリギリまで見極めたいと思っています。
 最終的には、明日参院決算委員会、そして水曜日に党首討論がありますので、そうした状況を見極めて判断したいと思います。

Q:オリンピック強行よりも衆院選を早期に打ってオリンピック中止を訴えた方が国民の理解も得られるのではないか

 そういうご意見もあることは承知をしていますが、いろいろなご意見があります。

Q:党首討論について、この間の会見の時はまだ白紙ということでしたが、現時点でどういうことを問いただしていきたいかというのがあれば教えてください

 基本的には、感染症対策、それに関連してオリンピック(東京オリ・パラ)にも触れることになると思いますが、全部固めているわけではありません。むしろ明日の水岡さんと福山さんの質疑(参院決算委員会)をしっかりと見たいと思っています。

Q:東京オリ・パラの開催について、代表のお考えを改めてお聞きしたいのと、都議選でそのことをどう訴えていきたいか

 でき得るならば開催をしたいと思っています。
 いまのところ選手やコーチなどの皆さんに対する感染対策、あるいはそこからの感染拡大防止については、いろいろな説明をいただいていますが、ボランティア等でも、のべ30万人と聞いておりますし、海外からは選手等とは別にメディアやオリンピックファミリー(関係組織・団体)など、おそらく5万人くらいの規模でやって来られる、そうした皆さんのところで感染拡大防止が本当にできるのか。
 一方で、そうした皆さんがオリンピックに向けた活動をし、あるいはオリンピックが開催されている中で、都民の皆さんに今のような営業時間短縮や不要不急の外出を控えて下さいなどということをお願いして、それが説得力あるのか。こうしたことを考えると、間違いなく感染爆発が生じると私は思っています。
 したがって、政府はそれでも安全だ、安心だというなら、何か呪文のように唱えているだけではなくて、具体的な安全だという根拠を示していただきたい。
 もう迫っていますので、いよいよ来週の党首討論がラストチャンスだと、それを説明されるラストチャンスだと思います。

Q:杉尾さんが質問されていましたが、オリンピックで来日しているインド人の報道関係者が歌舞伎町に夜出入りしていたということについて

 報道関係やいわゆる選手、コーチ以外の皆さんが、感染防止のためのいろいろなルールに従っていける保証・担保はどうあるのか、きちんと政府は説明する責任があると思っています。

Q:甘い水際対策、行動規制のままだとオリンピック開催には反対だということでしょうか

 いまの説明されている状況では、先ほど言った通り感染爆発は避けられないと見ています。

Q:次期衆院選に向けた枠組みについて、どの段階で整理するかも重要な要素だと思いますが、このあたりいつまでに結論を出していこうと思うか

 少なくとも選挙の公示までにはきちんと説明をします。

Q:内閣不信任案を提出するまでの間に何らかを進めていくというお考えは

 別にそれがタイムリミットだとは思っていません。

Q:都内の自治体の一部、武蔵野市や小金井市議会などがパブリックビューイングの会場使用の中止を申し入れたり、オリンピック自体の中止を求める請願を決議したり、そういった都内の自治体の動きをどのように受け止めていらっしゃるか

 個人的にも武蔵野や小金井は自分の中学生の子どもの通学経路ですので。パブリックビューイングをして感染拡大のリスクを高めるということは、現状の政府の説明の下では到底認められるものではないと思います。