福山哲郎幹事長は23日、最高裁判所大法廷が夫婦別姓を認めない民法の規定は憲法に違反しないとする判断を示したことについて、国会内で記者団の取材に応じました。

 福山幹事長は「本日、最高裁判所が夫婦別姓を認めない民法の規定について憲法に違反しないという判断をされたことついては、極めて残念に思う。社会情勢の変化、女性の活躍が進む中で、そして選択的夫婦別姓を導入してほしいという声がこれだけ盛り上がる中で、このような判断が出たことは、とても残念に思っている」と述べました。
 一方で、制度のあり方は国会で議論され、判断されるべきで、どのような制度をとるのが妥当かという問題を国会に委ねられているとの意見が示されたことについて、「この指摘は非常に重要で、われわれとしては、多様性を尊重する立場から、多様な生き方を認めていきたいと綱領に謳いました。われわれは、選択的夫婦別姓の民法改正案を何度も国会に提出している。また枝野代表は、20年にわたってこのことを主張してこられた。立憲民主党としては、多くの国民の皆さんの願い、そしてそれぞれの生き方の選択を可能にするということで、国会に引き続き、民法改正の法案を出し、次の選挙においてもこの制度を実現するということで公約にする中で、国民の皆さんの民意を問うていきたいというふうに考える」と述べました。

質疑応答の要旨は次のとおりです。

Q)2015年の最高裁判決では国会での議論に委ねられるべきとの判断だったが、これまで十分な議論がおこなわれてきたと思うか
幹事長)われわれが改正案を国会に提出しても、自民党をはじめとして与党には国会の議論さえしていただなかった。そのことについては非常に残念に思う。だから逆に、われわれとしては選択的夫婦別姓を導入するということで、先般のLGBT平等法案も含めて多様性を大切にするという民意を選挙でしっかり問うていきたいと考える。自民党の方はLGBT理解促進法でしたが、議連でまとまったものが自民党の一部の議員の反対で結果として国会に提出できなかった。このことも非常に残念に思う。やはり、これだけ社会が変化をする中で、国会で選択的夫婦別姓の議論もするべきだし、われわれとしては法案を提出し、何とか成立に向けこれからも努力をしていきたいと思う。

Q)このテーマは次の衆院選挙でも大きな対立軸になるとお考えか
幹事長)私は、多様性を大切にするという観点から選挙での一つの対立軸、自民党との違い、社会のあり方を考えるにあたって、社会がどういう方向に向かっていくのかということを考えた時には対立軸の一つになると思う。特に選択的夫婦別姓の問題やLGBT平等法の成立等は次の時代の社会をどうつくっていくのかという、大きなメルクマールの一つになると思う。最大の争点かどうかは別として、大切な争点にはなると思う。
 今日の判決文を詳しく読んでいないので、しっかりと読みたいと思うが、実際には15人の裁判官のうち4人が憲法違反だという判断を下したという考え方についても、私はしっかりと見ていきたい。こういった判決の中でも多様な意見があることも踏まえて、何とかわれわれとしては成立に向けて夫婦別姓がこの日本で導入できるように、頑張っていきたいと考えている。

Q)この間、自民党は大きな壁になっていたと思うが、自民党の責任をどう考えるか。また今後、夫婦別姓について野党でどう連携していくか
幹事長)野党は一緒に選択的夫婦別姓導入の民法改正案を提出させていただいているので、それぞれが選挙で訴えていくと思うし、自民党の中では本当にどの人が賛成で、どの人が反対なのかも見えない。なぜなら国会での議論に出てこないからだ。国会で選択的夫婦別姓の法案の議論を、ある意味拒否をしているからだ。議論を避けるのではなく、しっかりとした議論をする中で、この夫婦別姓の議論を国会でもやるべきだと思うし、自民党は逃げてはいけないと思う。堂々と国会の中で審議をしていただきたい。

Q)幹事長は与党側は議論も避けていると話されたが、与党側のどのような考え方、思想が障害になっているとお考えか。
幹事長)それは自民党に逆に皆さんが聞いていただければと思うが、夫婦同姓の歴史はそんなに長いわけではない。明治以降の話なので、明治以降から戦前にかけての価値観がやはり自民党の中には強いのかなあと思う。今の世界の潮流、社会の変化、そして女性の活躍、そうした状況がまさに選択的夫婦別姓を望む方々がたくさんいらっしゃるという状況とどのように自民党が向き合っていくかに尽きると思う。実は正面から向き合っていないのではないかと思う。